天気:雨、気温:9℃、湿度:70%、路面温度:10℃
F1RCGP2009、第3戦目。全戦と同じく千葉ラウンドですが、千葉県屈指の高速サーキットの1つ、ケイチューンに場所を移して
開催されました。ケーチューン、正式名称はKeiTune Racing Speed-wayと呼び、千葉県市原市土宇(つちう)に施設を構え、JMRCA1/8GP
レーシングカー全日本選手権が数多く開催される、RCファンにはお馴染みの有名なサーキットです。
オープンは1996年。レーシングトラックとしての歴史は比較的古く、今回F1RCGPの舞台となるオンロードトラックは、1周318m、70mのバック
ストレートを持ち、路面は中粒の若干バンピーなアスファルト。最大の特徴は、広さもさることながら、左右にある高速バンクです。バック
ストレートからほとんど減速する事なくコーナーに進入できる反面、クラッシュすると被害が大きいので細心の注意が必要となります。コース
広さは1/10スケールF-1には若干広く、F1RCGPシリーズ中の超高速型サーキットの1つになります。
参加人数は、F-1クラス:11名、F-1グランプリクラス:7チーム12名、合計23名です。当日は朝からウェット路面で、小雨のぱらつく生憎
のコンディションとなりましたが、F-1を愛する多くのファンに支えられ、無事に大会を成立させることができました。
ラジコンカーのレースは、通常ですと雨天時のレースは行われません。しかし、このF1RCGPはレギュレーション上、雨天決行のアナウンスが
されており、参加選手にはそれを踏まえた上での準備をして頂く事となります。F-1は幸いにもオープンホイール(タイヤが剥き出し)状態
のスタイルの為、簡単な防水対策でウェット路面で、メカ水没を恐れることなく走れてしまいます。F1RCGPでは、今後もウェットレースを
提案し続け、新たなRCレーススタイルを築いて行きたいと考えています。
プラクティスDay
前日は気持ち良く空は晴れ渡り、まさにラジコン日和。コースは通常エンジンカーが主に走るコースなので、この日は安全性を考慮し、
電動F-1タイムと、エンジンカータイムを区切って練習走行が行われました。
練習走行では、F-1クラス参加選手、F-1グランプリクラス参加選手が精力的にテストを開始しており、グランプリクラス・Team 番長の
由留木選手は22秒97のスーパーラップを叩き出していました。車の仕上がりを見ても、上々の様子。
一方、袖スタチームでF-1クラスよりステップアップ参戦の松本選手も、Mikuniシャーシでこちらも快走を披露。F-1グランプリクラスのトップチーム
に迫るタイムを出しています。しかしながら、殆どのチームは23秒台中盤から後半のアベレージタイム。直線スピードを稼ぐために、
ウィングを薄くしたり、ギヤ比を上げたり様々なテストを繰り返していました。ところが、明日大会当日の天気予報は雨。確率は80%と言う中で、
ドライ路面のセッティングが明日どれ程有効になるのか定かではありませんでした。明日のレースは非常に荒れた展開が予想されます。
F-1両クラスとも、いかにクレバーな走りができるかどうかに掛かってくると思われます。
大会当日
当日は小雨がぱらつくあいにくのセミウェット路面。時折雨脚は強くなったり、弱くなったり。風もなく、日差しも出る状況では
ないので、路面は一向に乾く気配無し。ブリーフィングで競技委員長からウェット宣言が行われ、レースがスタートしました。
このセミウェット路面は非常に参加選手を悩ませます。リアグリップをなかなか確保できず、朝のテストランで、毎コーナーでス
ピンする選手続出。降るならエクストリームウェットくらい振ってくれると、車重の軽いラジコンでは逆にグリップする場合が多いです。
また、路面も普段エンジンカーが走るのでオイルが乗っており、ゴムタイヤが予想以上にグリップしません。朝からタイヤ作りに各選手、
各チーム、非常に慌ただしい状況です。
予選1ラウンド目
F-1クラス、予選1ラウンド目が始まる頃、徐々に路面が乾きだしハーフウェット状態。各選手ゴムタイヤの選択でヒートに臨む中、
鋭い洞察力でスポンジと判断した高安選手が好タイムをマーク。周りの選手が1周30秒前半から後半のタイムの中、ただ一人29秒台、
29秒938。高安選手が一歩抜け出し8L4:25.428、それを追うのが菅原選手、樋口選手、ここまでは8周の争い。その後方で、鶴間選手、高橋選手が
7周4秒〜5秒の争いを繰り広げていました。この後の天候も非常に微妙で、タイヤ選択がますます難しくなってきます。
F-1グランプリクラス、その頃には路面状態が更に回復。予選1ラウンド目を征したのは、スポンジタイヤをチョイスし、鋭い立ち上がり、
伸びのあるストレートを武器にTeam RUSH 石川選手、10L4:13.641、2位にはTeam Futaba F-1 Racingの森田選手10L4:20.847と続き、
ここまでが10周を記録。以下タイム差があるものの、3位Team 番長の三浦選手9L4:08.207です。前回優勝のAlex Racing上林選手はタイヤ
選択を外し7L4:31.417と10番手。路面が乾きだした事もあり、このラウンドのベストラップはRUSH石川選手、24秒818。
一旦回復の兆しを見せた天候は、また悪化傾向。雨が激しく降り出し、路面は完全ウェット状態へ様変わりしました。ウェット路面だと、ラップで
10秒程落ち、一気に35秒から40秒付近の争いとなってしまいます。ここでF1RCGPA側の判断で特別ルールを適応。予選順位を各ラウンドのポイント
で決める事としました。そこままのコンディションが続けば、現状のベスト1ラウンドの周回タイムルールだと、下位選手の予選後半での巻き返し
がほぼ不可能であるための処置です。
1位から1ポイント、2位2ポイント、とそれぞれポイントを付与し、3ラウンド中のベスト2ラウンドのポイントの合計の少ない順に上位となる
様に、特別ルールを設けました。また、同ポイントの場合は3rdポイントの少ない方が優位としました。
予選2ラウンド目
無情にも雨は止む気配なし。気温も若干下がり、路面は次第に下がってきました。しかし、ポイント制にした事で、全ての選手がイコールに近い
状態でレースが仕切りなおされました。2ラウンド目はスピンしやすい路面で、いかに慎重に走りきれるかが勝負の鍵です。ここでF-1クラス、
一気に前に来たのが、菅原選手6L4:02.299、樋口選手6L4:04.228です。殆どの選手が6周をマークしたものの、4分シングルタイムはこの2名
だけです。1ラウンド目、好タイムをマークした高安選手は、スポンジタイヤの選択ミスで4L4:11.496の最下位に沈みます。この時点でF-1クラス
ポイントトップは菅原選手。2位:樋口選手、3位:高橋選手と続きます。
F-1グランプリクラスはJMRCAオフロードチャンピオンTeam Futaba F-1 Racing 木村選手が奮起します。路面が非常にスリッピーな中、安定した
走行を披露。2位に10秒近い差を築き、7L4:24.571とラウンドトップタイムを記録。2位はRUSH 石川選手が粘り、7L4:33.197。7周には4名が
入りました。また、水溜りの影響で、メカトラブルも数名現れました。上位を快走中に惜しくもストップと言うシーンも見受けられました。
この時点でF-1グランプリクラスポイントトップはRUSH石川選手。2位:Team番長 三浦選手、3位:袖スタ 松本選手と続きます。
予選3ラウンド目
路面状況は相変わらず低い位置で安定。ポイント争いは混沌とした様相。3ラウンド目、非常に注目のラウンドとなりました。
F-1クラス、1ヒート目トップゴールで天野選手が切り抜けます。6L4:22.825と言う好タイム。しかし、2ヒート目に
高橋選手、ゴムタイヤにようやく替えて来た高安選手がそのタイムを上回り、6L4:15.918、6L4:20.203を記録。この第3ラウンドは
高橋選手が制しますが、最終ポイント集計により、菅原選手がポールポジションを獲得!
F-1グランプリクラスは、Team番長の活躍が光りました。1ヒート目、由留木選手がトップゴール6L4:20.439、2ヒート目、三浦選手も
トップゴール6L4:01.256と、7周目に迫る勢い。このラウンドは三浦選手が制し、RUSH石川選手はまたも2番手。総合ポイントでは、
安定した速さが際立った、RUSH石川選手がポールポジションを獲得!2大会連続ポールとなります。一方、同チームメイトのRUSH佐藤選手は
不運が重なり、12位とまさかのBメイン落ち。コンストラクターズタイトルを掛け、ポールのRUSHの1選手対、Team 番長2選手、この対決が
この後の決勝レース、非常に楽しみな状況です。
■予選順位■
F-1クラス
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F-1グランプリクラス
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