天気:晴れ(屋内)、気温:21℃、湿度:45%、路面温度:21℃
F1RCGP2009、第4戦目は場所を近畿に移し、奈良県大和高田市勝目(かじめ)のRCスタジアム セイキで開催されました。
ここRCスタジアム セイキは、Intellectジャパンが所有する、バッテリーメーカーとしては国内唯一のテストコース。より良い
バッテリーを作るために、日々テストドライバーによってテストランが行われているそうです。
オープンは2008年4月と言うこともあり、装いもまだ新しく、清潔感のあるサーキットです。サーキットは3面備え、アスファルト
路面のグリップ走行用サーキット、ドリフト用にカーペット路面のサーキット、ミニッツ専用サーキットです。施設は一般向けにも
開放されており、スタッフもオープン当初から変わらず親切丁寧にアドバイスしてくれます。F1RCGP第4戦で1周年を迎え、記念す
べき大会となりました。
本大会の舞台となるのは、1階のオンロードサーキット。、1周130m、25mのバックストレートを持ち、路面は細粒のフラットアスファルト。
サーキットの広さは1/10スケールF-1にはベストサイズですが、コース幅が狭めなので、非常にテクニカルなサーキットと言えます。
参加人数は、F-1クラス:24名、F-1グランプリクラス:8チーム13名、合計37名です。今大会で特に会場を沸かせたのは、関西ラウンドから
新規加入のチーム、及びドライバーの方々でした。CENTRAL RC所属の佐橋選手は、言わずと知れた兄弟揃ってJMRCAの全日本チャンピオン。Team Tech
F-1からは、電動カーのエキスパートである田村選手を筆頭に、ベテラン蟻塚選手とのコンビ。四国勢としては、BIG+3 Racing・
川野選手と青野選手、Team いけと〜ん?・芳之内選手と川西選手等、四国を代表するトップドライバーが名を連ねます。
また、前半戦を既にポイントでリードする、Alex Racingの上林選手、同チームTestドライバーの横井選手、PRO2.stnの
堀田選手、Futaba F-1 Racingの木村選手や、ZENの橋本選手も加わり、新チームを迎え撃つ格好となりました。F-1グランプリクラスは
このようにラジコンのジャンルを超え、真のトップドライバーを決めるに相応しいメンバーが集います。
F-1クラスは、地元勢を中心に、今回は他県からも多くの参加がありました。地域ナンバーワンを決めるレースであるにも関わらず、終始
和やかな雰囲気でレースが進行しました。スタジアムの常連さんである澤本選手を筆頭に、笑いと興奮の溢れるバトルを演じていました。
この様な選手が多い環境が、このサーキットの特徴です。
プラクティスDay
桜が見頃を迎えた週末、好天に恵まれたRCスタジアムセイキの周りには、多くの花見客で賑わいを見せると共に、ここRCスタジアム
セイキにも多くのF-1ファンが集いました。
練習走行では、早くもCENTRAL RCの佐橋裕也選手、忠彦選手が兄弟で走り合っています。エンジンカーで鍛えられたスロットルワークを
武器に、巧みにマシンを操っています。二人ともほぼ互角のドライビングテクニックであるため、僅かなセッティングの違いを確認するには
とても良いチームメイト同士のバトル。TRG&ZENパーツ満載のマシンセッティングは順調に煮詰まり、1周14秒前半から13秒にも入る
ペースで周回を重ねています。
また本大会では、ニューマシンやニューパーツのテスト風景が多く散見されました。誰もが注目していたのは、Team Tech F-1のF125です。
田村選手等Team Tech F-1のメンバーが出来て間もないマシンを手に、淡々とテストメニューをこなしているシーンが随所に見られます。
そして、シェイクダウンから間もなく、佐橋選手に迫るタイムを出していたところに、F125の戦闘能力の高さを窺わせました。なお、BIG+3チームの
使用マシンはTech-TF108。こちらも好調の様子。一方、ZEN橋本選手も
いろいろな試作パーツをテスト中と言うことで、煮詰まり次第で今後のリリースが楽しみな所です。この様にレースと言う舞台は、製品のアピール
と同時に、あらゆる試作パーツの実験の場に利用されています。
F-1グランプリクラス、プラクティスDayの1番時計を出したのは、Alex Racing上林選手でした。Alex RacingのZENで武装したF103は、
仕上がりも完璧で、13秒中盤のベストラップ。AlexのTestドライバー横井選手もテストメニューを陰ながらフォロー。チーム力の高さにも定評が
あるので、トータルで素晴らしいパフォーマンスを発揮しています。チームとしてはレギュラードライバー1名だけでの参戦となる、
PRO2.stn堀田選手、Futaba F-1 Racing木村選手は、ややセッティングに苦しみ、低迷しています。また、四国の名門いけと〜ん?は、
時間が無い中のギリギリの日程でレースに参戦の為か、ややペースが上がらずにいます。
F-1クラスは、澤本選手、池西選手が好タイムを出して走行しており、仕上がりの良さを感じさせる走りでした。タイムは14秒後半付近で
纏められる感じです。540モーターでテクニカルコースを走行させると言う事で、後半の熱ダレを気にする選手が多く、対策に苦慮していました。
決勝8分走行も早くから想定し、熱対策をクリアできるかが勝負の鍵となるでしょう。今回はインドアサーキットの開催であり、路面グリップも比較的安定
しています。この練習日の調子は本番まで継続されることが予想されるので、事前練習の重要性が高くなります。
大会当日
当日は晴れ。インドアコースは天気の影響は直接受けませんが、湿度が低く、乾燥した雰囲気になります。スポンジタイヤ
の場合、若干の湿度があると良いとされているので、練習日のゴールデンタイムから比べると、若干のグリップ低下が考えられます。
各選手、モーター調整、アンプ調整で無駄な立ち上がりのパワーを出さない様にしていました。そして、今大会からフロント・
コントロールタイヤが1種類(ZEN Z9103 HIラバースポンジ)に限定されました。これで前後のバランスはアンダーステアに働くので、
コントロール性がアップする反面、以前にも増してタイム差の無い接近した争いになると思われます。朝の練習走行は若干ローグリップでは
ありましたが、大きな問題もなく終了。ブリーフィングでは競技委員長から、コース幅が狭い故のライン上のマナーが各選手に伝えられ、
いよいよ予選レースのスタートです。
※当日はラジコン誌3社、RCマガジン、RCワールド、RCスポーツ(順不同)が朝から取材に駆け付けて下さいました。参加選手
にとっては、紙面を飾るためにもひしひしと気合いが入って来ることでしょう。
予選1ラウンド目
F-1クラス予選1ラウンド目、ヒートが進むに連れてタイムは上がっていく展開。1ヒート目の阿部選手のタイム、16L4:14.120を
口火に、どんどんタイムが更新されていきます。2ヒート目にロスマンズカラーの西口選手が16L4:09.210のシングル突入も束の間、3ヒート目の
尾崎選手が更に16L4:07.820、また更に最終ヒートの澤本選手が16L4:03.010に加え、ここで唯一の14秒台、14秒770を記録。暫定ポール
ポジション澤本選手のマシンンはグリーンのマルボロカラーのマクラーレン。2位の尾崎選手は、フェラーリ。3位の西口選手までが16周シングル
のタイムでした。
F-1グランプリクラス、予選1ラウンド目を征したのは、Alex Racing 上林選手。タイムは唯一の18周となる18L4:14.400、ベストラップも13秒570。
走りは非常に安定しており、余裕すらある様に見えます。同ヒートでは、ZEN橋本選手、Futaba F-1 Racing木村選手も肉薄。特に木村選手は、
前日の不調が嘘のように、安定した走りを披露。ベストタイムも13秒940に入れてきます。最終ヒートでは、CENTRAL RC 佐橋裕也選手と、
佐橋忠彦選手のハイペースのランデブー走行。(しかも、ボディーカラーは実車ブラウンGPをモチーフにしています。)それにTeam Tech F-1の
田村選手が追う格好。田村選手は若干セットを外したのか、ペースが上がらず徐々に後退する中、佐橋裕也選手も中盤にきて若干ミス。佐橋忠彦選手
が集中力を保ち最後まで走り切り、暫定2位と言う結果になりました。ちなみに忠彦選手のベストラップは13秒990。F-1グランプリクラス1ラウンド目
では、9位のTeam Tech F-1蟻塚選手までが17周をマーク。
予選2ラウンド目
予選2ラウンド目、インドアサーキットだけにコンディションは、依然としてほぼ一定。若干湿度が増し、路面は徐々に上がる(タイムの出る)傾向となりました。
F-1クラスでは、1ヒート目からスーパーラップが出ます。フットワークカラーの池西選手が14秒台に早くも入り、14秒840。しかしながら、若干のクラッシュ
があった為、最後まで上手く纏められずに16L4:09.320。この時点での4番手。続くヒートでも、西口選手、尾崎選手が自己ベストを2〜5秒更新して
ゴールしますが、1ラウンド目の澤本選手のタイムまでは更新できず。逆に最終ヒートの澤本選手は、2ラウンド目でも他車を圧倒する走りを見せ、
16L4:00.670と、17周に迫る勢い。ベストラップは14秒670。この時点でF-1グランプリクラス10位相当のタイムを、マブチ540モーターで出してしまいます。
F-1グランプリクラスは、Alex Racing 上林選手が依然好調をキープ。アベレージラップを上げてきて、18L4:11.530と、3秒程自己タイムを更新。
同じくFutaba F-1 Racing木村選手、ZEN 橋本選手も健闘しますが1〜2秒しかタイム更新されません。代わって、最終ヒートのCENTRAL RC 佐橋裕也選手が
素晴らしい走りをし、今大会2人目となる18周に入れてきました。記録は18L4:14.050、ベストラップは13秒790。同じベストラップで、佐橋忠彦選手も快走していましたが、
クラッシュにより惜しくも17周止まりとなりました。その後方では、4秒自己ベストを更新し、Team Tech F-1 の田村選手が不気味に続きます。徐々に新車F125の
セッティングも出てきたのでしょう。チームメイトの蟻塚選手も順位を1つあげ、8位に浮上してきました。
予選3ラウンド目
最終予選3ラウンド目は、昼休みを挟み行われました。昼の練習走行では、各選手が精力的に最後のセッティング変更や微調整
に励んでいました。やはり、最終予選ラウンドが勝負所と見ている選手が多いです。
F-1クラスでは、ロスマンズカラーの西口選手がその練習の甲斐あって、16L4:01.320と、自己ベストを大きく更新。ポールタイムには及びませんが、その差は1秒も無く、
決勝へ向けて澤本選手にプレッシャーをかけるには十分です。また、マクラーレンカラーの山本選手も、トータルは纏められませんでしたが、ベストラップは
14秒630と、F-1クラスのベストをマーク。最終ヒートの澤本選手は、この時点でほぼポールポジションに王手を掛け、更なる自己ベスト更新である17周に入れる
べく、果敢に攻めますが、ショートカットによるピットスルー・ペナルティーを受け、このラウンドでは14位に沈みます。しかし、2ラウンド目に出した
タイムが有効になり澤本選手のポールポジションが確定しました。
F-1グランプリクラスは、Alex Racing 上林選手が3回連続の18周に入れる偉業を達成。ベストではないものの、18L4:13.480をマーク。
後方ではZEN 橋本選手も快走。自己ベストの17L4:06.850をマーク。最終ヒートは、CENTRAL RC勢の大逆転に期待が掛かりましたが、
佐橋忠彦選手が早々のリタイヤ。ここでクレバーな走りでタイムを更新してきたのは、Team Tech F-1の田村選手、ラウンドを追う毎に
セッティングが煮詰まり、車の動きも良くなってきています。17L4:04.450でこのラウンドで堂々の2番手のタイムです。続いてAlex Racing Test
ドライバーとしてサードドライバーでエントリーの横井選手。佐橋裕也選手を交わし大健闘で、このラウンド4番手タイム。総合では、終始他車を
圧倒したAlex Racingの上林選手のポールポジションが確定しました。自身初のポールポジションです。
■予選順位■
F-1クラス
1位 | 澤本 貴弘 | 2R16L4:00.670
| 2位 | 西口 竜二 | 3R16L4:01.320
| 3位 | 山本 旭 | 3R16L4:02.760
| 4位 | 尾崎 二郎 | 2R16L4:05.910
| 5位 | 池西 威彦 | 3R16L4:06.190
| 6位 | 古家 伸一 | 2R16L4:06.770
| 7位 | 佐武 良昭 | 2R16L4:07.710
| 8位 | 宇野 聖史 | 3R16L4:08.030
| 9位 | 阿部 裕之 | 2R16L4:08.270
| 10位 | 冨田 洸平 | 2R16L4:08.550
| 11位 | 西村 賢 | 2R16L4:08.810
| 12位 | 原 伸夫 | 2R16L4:10.250
| 13位 | 小谷 宣公 | 2R16L4:10.330
| 14位 | 伊吹 広之 | 3R16L4:10.390
| 15位 | 富山 洋光 | 3R16L4:11.320
| 16位 | 植田 和夫 | 3R16L4:14.120
| 17位 | 堺 和久 | 3R16L4:14.400
| 18位 | 山路 貴久 | 3R15L4:03.610
| 19位 | 修家 智史 | 3R15L4:06.100
| 20位 | 藤原 輝寿 | 3R15L4:06.130
| 21位 | 松野 健三 | 3R15L4:15.800
| 22位 | 楠木 朝歳 | 2R13L4:02.770
| 23位 | 磯部 靖哲 | 3R13L4:03.870
| 24位 | 堤 早苗 | 1R12L4:08.740
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F-1グランプリクラス
1位 | 上林 博 (ALE) | 2R18L4:11.530
| 2位 | 佐橋 裕也(CER) | 2R18L4:14.050
| 3位 | 佐橋 忠彦(CER) | 1R17L4:01.790
| 4位 | 木村 心哉(FUR) | 2R17L4:02.400
| 5位 | 田村 秀樹(TTF) | 3R17L4:04.450
| 6位 | 橋本 努 (ZEN) | 3R17L4:06.850
| 7位 | 横井 章弘(ALE) | 3R17L4:07.190
| 8位 | 川野 貴義(BI3) | 3R17L4:08.950
| 9位 | 蟻塚 伸也(TTF) | 3R17L4:12.600
| 10位 | 芳之内 剛(IKE) | 2R16L4:02.930
| 11位 | 堀田 幹雄(PR2) | 2R16L4:04.600
| 12位 | 川西 紀明(IKE) | 1R16L4:05.600
| 13位 | 青野 恭二(BI3) | 3R16L4:13.720
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