天気:曇り(屋内)、気温:27℃、湿度:51%、路面温度:28℃
F1RCGP2009、シーズン後半戦を迎える第6戦目は、群馬県佐波郡玉村町(さわぐん・たまむらまち)にある、CREST SPEED WAYにて行われました。同サーキット
は、1994年オープンの15年目を迎えるサーキットです。オープン当初は屋内アスファルトで、エンジンカーも走っていたコースでしたが、6年目の1999年にカーペット
路面へと改装し、今では改装より10年を迎えます。電動1/12レーシングカーユーザーが大変多く集まる事で、レーシングカーの関東メッカ的存在でもあります。F1RCGP
がこの様な特別な舞台で開催される事は、とても感慨深いものがあります。
コースサイドには、サーキットショップが隣接。タイヤ、ボディーなどの消耗品を中心にラインナップされています。車に関するアドバイス等は、宮田
店長を始め、多くの常連さんが的確に教えてくれるので、初心者でも心配はありません。まだ行った事の無い方は、是非一度足を運んでみては如何でしょうか。
コースは1週間前にレイアウト変更して間もない、1周約110m、30mのバックストレートを持つカーペット路面。カーペットの毛足が短い事と、レイアウト
変更直後でまだ走行ラインが定まっていない事から、路面グリップは本来のカーペットグリップの80%程度の状況でした。
参加人数は、F-1ローカルクラス:8名、F-1クラス:4名、F-1グランプリクラス:5チーム8名、合計20名です。今大会では新しい試みとして、F-1ローカルクラス
を新設。このクラスは、F1RCGP公式クラスではなく、ローカルルールで行われる非公式クラスとして、地元の皆さんにも気楽に参加して頂ける様に企画された
クラスとなります。大会当日は曇り、時折雨の降る天気でしたが、屋内サーキットのメリットを最大限生かせた環境で、各選手雨を気にせずレースに集中する事
ができていた様です。
今大会の見所としては、いまやF1RCGPのトップチームに君臨するAlex Racingの上林選手が、3連勝となるシーズン通算4勝目を挙げ、ワールドチャンピオンに
大手を掛けるか。若しくはシーズン中盤のアップデートで戦闘力を増した他のチーム、ドライバーがそれに待ったを掛けるか。ここが一番の見所でしょう。また、今大会より
新規加入のチームTRGの竹下選手は、TRG109をレース初投入。コンバージョンキットのTRG109は、電動最高峰と名高い1/12レーシングを参考に設計されており、
Tバーに代わるサイドのサイドバーが特徴。今回はチームとして1名のみの参戦でしたが、どの程度の実力を発揮するか、皆の期待を集めました。一方、ZEN橋本選手、八島選手
の安定感抜群のコンビ、Team Tech F-1の田村選手、蟻塚選手の切れ味鋭いコンビも参戦。そして、今回からサードドライバーにDavid選手を起用した
Futaba F-1 Racingは、アップデートを果たしたチームカー、Tech F125BRを駆り、森田選手と共にトップを狙います。
プラクティスDay
コースレイアウトが変更されたと言うことで、各選手先ずはじっくりレイアウトの攻略に時間を掛けている様です。その後、F1RCGP史上初となるカーペット
路面のセット出しに移行します。着々とセットを進めるのは、ZENの橋本選手、タイムも11秒6まで伸ばし、一歩リード。同チームメイトの八島選手も、安定した
コーナーリングを見せ、仕上がりも良好。ポイントリーダーのAlex Racing上林選手は、いまいち本来の走りが出来ていない模様。タイム的には11秒6-8で、
ベストタイムでは他車を引き離せていません。しかし、4分間のトータルタイムではベテランらしい走りで上手く纏めています。路面のせいか、走り出しはアンダー
ステア、その後極度のオーバーステアに苦しむと言う現象が、多くの選手に起きています。この対策に、皆苦慮しているのですが、リア周りのフリクション
のオイル粘度を柔らかくしたり、Tバー等のロールのバネの反発を抑えるのが効果的な様です。
Team Tech F-1と、Futaba F-1 Racingは、同じ車に統一した事で、4人のドライバーでレベルの高いセット運びを構築します。走り始めは12秒すらなかなか
切れなかったのですが、午後になり確実にタイムを伸ばしてきています。また、変わった方向のセットも飛び出し、セットのバリエーションも増えた事で、
あらゆる状況にも対応できるデータも蓄積されてきています。好調なのは、それぞれのエースドライバーである、田村選手、森田選手です。11秒後半のタイムも
連発できている模様。
F-1クラスでは、遥々愛知県から参加の福島選手が安定した走りで順調な仕上がりを見せています。今大会、少ない参加人数ながらも、精力的に
テストをこなしています。F-1クラスの走行を全体的に見渡すと、カーペットのグリップ感と、テクニカルなレイアウトに少し手を焼いている感じでした。
F-1ローカルクラスは、F-1クラスとのダブルエントリーが認められています。レギュレーションはF1RCGPのそれと多く異なりますが、みなそれぞれF-1の走行を
楽しんでいる様でした。
大会当日
いよいよ大会当日。朝の練習走行を終えたドライバーからの情報だと、路面グリップは昨日よりも良好の様です。好タイムを
出すべく、皆徐々に気合いが入ってきています。1周のベストタイムでも、4分間のトータルタイムでも、自己ベストをマークする
選手が続出する事が予想されます。湿度の上がり下がりによって、カーペットのグリップレベルがどこまで変化するか、気になる所
ではありますが、好感触な路面に否応にも皆の期待が膨らみます。
朝のブリーフィングで、競技委員長から大会の流れ、及び注意事項説明の後、第6戦群馬大会の開幕が宣言されました。一番重要なのは、
レースを楽しむ事です!
予選1ラウンド目
F-1ローカルクラス予選1ラウンド目、森田(耕平)選手が18L4:05.448をマークし暫定トップに立ちます。続く2位の山本選手以下は17周のタイムでした。
F-1クラス予選1ラウンド目、福島選手と小泉選手が接近戦のトップ争い。最後はミスの数が少なかった福島選手が2秒のリードを保ち、19L4:10.181でトップゴール。
2位となった福島選手も19L4:12.282をマーク。以下、木田選手、加藤選手は18周でした。
F-1グランプリクラスでは、1ラウンド目からFutaba F-1 Racingの森田選手が好タイムをマークします。タイムは21L4:06.301で、誰もがトップだろうと思っていた
次のヒート、Alex Racingの上林選手が21L4:06.240で、逆転トップ。タイム差はなんと、0.061秒。1ラウンド目から非常に接戦のタイム差に、各選手驚きを隠せません。
3位はTeam Tech F-1の田村選手、4位は同じく蟻塚選手、5位にTRGの竹下選手と言う順。しかしながら、3位以下20周。序盤から路面コンディションが良く、やはり
昨日のプラクティスタイムを上回るペースで各選手走行した模様。ラウンドベストラップは、Futaba F-1 Racing森田選手、11秒538。
予選2ラウンド目
予選2ラウンド目、今朝から路面コンディションは良好のため、このラウンドでもタイムを伸ばす選手が出てくると思われます。
この2ラウンド目にタイムを伸ばせるか否かで、3ラウンド目に攻められる度合いが変わってきます。
まずF-1ローカルクラスですが、こちらは路面グリップが若干上がった為か、ステアリングがシビアになり、予想に反し全体的なタイムが伸び悩んでいます。
森田(耕平)選手はミスが影響し、18L4:12.571止まりの平凡なタイム。変わってこのラウンドで自己ベストマークし、トップに立ったのは、小泉選手。18L4:11.537で
総合でも2位のタイム。また、五十嵐親子もそれぞれ自己ベストを更新。お父さんの五十嵐(博彦)選手が威厳を見せ、17L4:08.827で総合でも4番手のタイムをマーク。
F-1クラスは、福島選手がさらにタイムを更新します。19L4:03.394と、1ラウンド目より約7秒も更新。1周のベストは12秒416。加藤選手もこのラウンドでは、
大健闘。19周には惜しくも届かないものの、18L4:00.795と4番手のタイム。ここまで、このF-1クラスでは1周のベストタイムは全ての選手が12秒中盤で揃っています。
非常にレベルが均衡している事が窺い知れます。
F-1グランプリクラス、予選2ラウンド目。なんと5名の選手が21周をマーク。トップは21L4:05.739で、Team Tech F-1の田村選手!逆転の暫定トップに
躍り出ます。2位はこちらも21周5秒台。21L4:05.867で、Alex Racing上林選手。流石どんな状況でもフロントローを外さない走りを見せます。3位はFutaba F-1 Racingの
David選手。サードドライバーでありながら、かなりのパフォーマンスを披露。タイムは21L4:08.308で総合でも4番手。同チーム、エースドライバーの森田選手は、ミッション
トラブルから途中ストップ。このラウンドはリタイヤとなりました。1周のベストはTeam Tech F-1の田村選手。11秒432と素晴らしいタイム。ZENは橋本選手、八島選手、2台とも
低迷。セッティングの方向性を、もう一度確認しあい、続く最終ラウンドに繋げてほしい所です。
予選3ラウンド目
いよいよ泣いても笑っても最後のラウンド、予選第3ラウンド。お昼休みの練習走行タイムも各選手有効に利用し、万全を期し
最後のアタックに臨みます。
F-1ローカルクラス、森田(耕平)選手が自己ベストを僅かに更新。18L4:04.842で見事最後に素晴らしい走りでポールポジションを獲得。1周ベストは
唯一12秒台。12秒762。2位は小泉選手でここまでが18周。3位は山本選手、惜しくも17L4:00.021、4位はお父さんを抜いた五十嵐(巧)選手、17L4:00.163で、
3位との差は僅か0.142秒差。
F-1クラスは、加藤選手が切れのある走りで、自己ベストを更新。19L4:10.490で、総合2位のタイム。1周のベストも12秒385でかなりの好タイム。しかし、
ここまでF-1クラスをリードしてきた福島選手も、ベテランらしく12秒376のベストラップを出す走行で、隙を見せません。このラウンドでは、自己ベスト
更新ならなかったのですが、2ラウンド目のタイムが有効となり、福島選手が見事ポールポジションを獲得しました。3位は小泉選手、19L4:11.590、4位に
木田選手と言う順。
F-1グランプリクラスは、Alex Racing 上林選手が3連続ポールポジションを目指し、果敢にアタックを開始するが、リアの動きが重く、タイムが伸び悩みます。
このラウンドは20周止まり。この最終ラウンド、特に光った走りを見せたのは、ZENの橋本選手。11秒416の大会ベストラップをマークする快走をしてたのですが、
中盤に来て大きなミス。フロントウィングが破損し、ボディーに中吊り状態でしたが、そのままヒートのトップゴールは死守しました。もし、ミスがなければ
ポールポジションを獲得していた程のハイペースでの走行だっただけに、非常に残念。また、同じくZENの八島選手も好走で自己ベスト。最後のセッティング確認が、良い結果に
結びついた模様。最終ヒートも相変わらずの好調は、Futaba F-1 Racingの森田選手、Team Tech F-1の田村選手。それにFutaba F-1 RacingのDavid選手が続くかたち。
彼らはコーナーリングも非常にスムースで、他車に比べてよく転がる様です。この3台のTech F125BRが、今大会で素晴らしいパフォーマンスを披露。結局、2
ラウンド目にTeam Tech F-1の田村選手が出した記録が有効となり、田村選手が初のポールポジションを獲得。2位はAlex Racingの上林選手、3位はFutaba F-1 Racingの
森田選手です。
■予選順位■
F-1ローカルクラス
1位 | 森田 耕平 | 3R18L4:04.842
| 2位 | 小泉 栄 | 2R18L4:11.537
| 3位 | 山本 幸夫 | 2R17L4:00.021
| 4位 | 五十嵐 巧 | 3R17L4:00.163
| 5位 | 千葉 祐二 | 3R17L4:04.457
| 6位 | 五十嵐 博彦 | 3R17L4:07.987
| 7位 | 西沢 淳 | 3R17L4:13.918
| 8位 | 田端 利一 | 2R16L4:15.126
|
|
|
|
|
F-1クラス
1位 | 福島 徳雄 | 2R19L4:03.394
| 2位 | 加藤 晋 | 3R19L4:10.490
| 3位 | 小泉 栄 | 3R19L4:11.590
| 4位 | 木田 治紀 | 1R18L4:00.538
|
|
|
|
|
F-1グランプリクラス
1位 | 田村 秀樹(TTF) | 2R21L4:05.739
| 2位 | 上林 博 (ALE) | 2R21L4:05.867
| 3位 | 森田 栄俊(FUR) | 1R21L4:06.301
| 4位 | David Tse (FUR) | 2R21L4:08.308
| 5位 | 蟻塚 伸也(TTF) | 2R21L4:09.429
| 6位 | 橋本 努 (ZEN) | 2R21L4:11.021
| 7位 | 八島 定明(ZEN) | 3R21L4:12.120
| 8位 | 竹下 敦史(TRG) | 2R20L4:04.263
|
|