天気:晴れ、気温:13℃、湿度:66%、路面温度:12℃
F1RCGP2009第9戦は、九州の大分県、久住RCサーキットパークで行われました。F1RCGP2009年シリーズの
終盤戦に差し掛かり、ここを皮切りに九州ラウンドが9戦、10戦と2戦続きます。ポイントランキング争いでは、
残る2戦で上位グループに大きな変化があるものと思われます。
本大会の舞台となる久住RCサーキットパークは、1996年11月にオープン。1周250m、50mのバックストレートを有し、
路面は中粒のアスファルト舗装。エンジンカー、電動カー両方に対応した、大分県を代表するサーキットとして知
られています。このサーキットの特徴は、鑢の様な表面の変わったアスファルトです。その為か、比較的どんな状況でも、
屋外コースとは思えない程のグリップ感を安定して得られます。走行ラインは通常であれば黒いブラックラインで
染まって来る所、黒ではなく、白くなってくるのも特徴の1つです。また、コース上には改修の後の継ぎ目などがあり、
比較的バンプがあるので、操縦ライン取りにもテクニックが要求されます。コースオーナーは森一憲氏、運営はenRoute
九州RC-MODELsの溝部弘之氏が担当。二人とも気さくな人柄で、レースのムードは終始和やかに進んでいきました。
当日の参加人数は、F-1ローカルクラス:4名、F-1クラス:12名、F-1グランプリクラス:3チーム5名、合計21名です。
他の大会に比べれば少な目のエントリーとなりましたが、久住高原の綺麗な空気、自然も手伝い、参加者の皆さんは
のんびりとした雰囲気で1日中レースを満喫できた事と思います。F-1グランプリクラスには、北九州で
活動するPRO2.stn、NEXTER、四国で活動するTeamいけと〜ん?が参戦。NEXTERはシリーズ第1戦以来の久しぶりの
参戦です。チーム編成、チームカラーの両方を新たに、来シーズンも睨んだ内容でレースに臨んできました。一方、PRO2.stn
は、第1戦の優勝者、小林選手が久々の参戦。堀田選手と2人揃って、優勝候補チームとして注目されます。また、四国
より遥々参戦のTeamいけと〜ん?芳之内選手は、自身、チーム、共に初ポイントを得るべく、意気揚々の参戦です。
F-1クラスは、九州周辺の熱いF-1ファンが多数参戦。皆それぞれに自慢の美しいボディーを装着して、リアルな
レースを展開しました。F-1ローカルクラスの方も、今回は30T+リポOKと言うハイスピードのレギュレーションの為、
迫力のあるレースを見せてくれました。
コンストラクターズ、ドライバーズ等のポイント争いでは、トップチームのFutaba F-1 Racing、トップドライバー
のAlex Racingの上林選手が参戦を見合わせる中、2位以下の順位に大きな変化を及ぼす可能性が高まりつつあります。
8位までポイント獲得のチャンスがあるのですが、これが意外にもハードルが高い様子。今回の様な少ない参加人数
のレースを上手く活かして、効率よくポイントを取るのも1つのアイデアであり、戦略だと思います。最終戦まで、
ランキング中位グループのポイント変動にも今後注目です。
プラクティスDay
前日より地元勢を中心に、精力的に各選手がセットアップに励んでいます。F-1ローカルクラス参戦の溝部選手は、
リポバッテリーのパワーを発揮して、19秒中盤から後半で周回を重ねています。リアウィングを大きくしてトラク
ションを稼ぐ手法がこのコースのポイントの様です。溝部選手のマシンは、フェラーリ。こちらのリアウィングも
可能な限り翼端板を広く取り、ダウンフォースを効かせようと言う意図が見えます。一方、PRO2.stnの2台は、
コース上で2台揃ってのランデブー走行が続きます。お互い一緒に走り、コースのポイントポイントで速さの確認を行って
いる様です。マシンの仕上がりは、堀田選手の方が良いのか、シケインの切り返しの反応が良く見えます。小林選手は
それに続くかたちですが、大きいコーナーでのトラクションは抜群の様です。Teamいけと〜ん芳之内選手、NEXTERの
松永、山口、両選手は同じようなペースでの周回。山口選手は慣れないコースではありますが、果敢にコーナーを
攻めているのが印象的でした。F-1グランプリクラスは、リポの使用は認められていません。しかし、さすがこの
クラスはエキスパートが多い為か、F-1ローカルクラスにも匹敵するタイム、19秒台での周回です。最後に、F-1クラス
のマシンに目を配ると、実車を忠実に再現しているリアルF-1が多い事に気付かされます。マクラーレン、フェラーリ、
ホンダ、ザウバー系が多い様子。
夕方に掛けて路面グリップも上昇しつつ、徐々に各車のペースが上がってきます。初めてこのコースを訪れる選手も、
コースには慣れた模様。他のコースに比べて高めの縁石(ゼブラゾーン)だけに最低限注意して走れば、まずまずのタイム
が出るはずです。明日のレースはコースを知り尽くした選手達による、ハイレベルな展開が大いに予想されます。
大会当日
大会当日、朝露が路面を潤し、静まり返るコース。昨日は風が若干強かったのですが、今日は穏やかに変わっています。
空は秋晴れ、日差しが眩しい状態ですが、時折、雲がそれを遮り、明暗の激しいシチュエーションです。
朝の練習走行タイムは昨日と同じく、皆調子よく走っています。バックストレート進入の時に、縁石に足を引っ掛けると、
マシンは忽ちコースアウトして芝生に直行します。朝の段階で、数名の選手が餌食になっていました。コースには攻めると
危険な箇所が随所に点在しています。如何にそこを無難に攻められるかが、このコース攻略の最大のポイントとなるでしょう。
本大会の競技委員長、溝部氏より大会の進行内容の説明、ドライ宣言、レースの注意事項をドライバーズミーティング
でお話し頂き、ベストルッキングカー賞の発表、審判委員長よりペナルティー時のルール説明等、順次予定のプログラム
が進んでいきます。その後、暫しのインターバルを取り、F1RCGP第9戦 in 久住RCサーキットパーク、いよいいよレース
スタートです。
予選1ラウンド目
F-1ローカルクラス予選1ラウンド目、溝部選手が出だしから快速を見せ、19秒台に乗せて走行します。
その後ろでは、阿南選手が追いかけるかたち。ベストラップの方は、阿南選手の方が速く、19秒688をマーク。
しかし、安定性に欠き、シケインでミスが目立ちます。両者は共にフェラーリカラー。トップゴールは、溝部選手で、
12L4:02.648、ベスト19秒799と言う記録。2位は約5秒遅れて阿南選手。12L4:07.664。
F-1クラス予選1ラウンド目、大島選手が1ヒート目で好タイムをマーク。12L4:16.672でトップゴール。ベストは
20秒482と、F-1ローカルクラスに比べて0.8秒程ペースが違いますが、マブチ540モーターと言う事を考えれば素晴
らしい記録。2ヒート目は、フェラーリの玉城選手が12L4:13.132と、大島選手を上回る記録で走行。ライン取りが
とても綺麗で、終始安定した素晴らしい走行でした。ベストは20秒772と、このラウンド4番手の記録ですが、それだけ
アベレージタイムが揃っていたのでしょう。結局このラウンド、1位:玉城選手、2位:大島選手、3位:本川選手、
4位:廣田選手。ここまでが12周をマークした選手。11周の筆頭は、4番手の幸選手。11L4:06.973。
F-1グランプリクラス、予選1ラウンド目。PRO2.stnの小林、堀田選手の2選手が、頭1つリード。お互い、19秒台
中盤をマークして走行。小林選手が19秒433、堀田選手が19秒466。続いて、それに割って入ってきたのは、Teamいけ
と〜ん?の芳之内選手。ベスト20秒629ながら、安定した走行で、堀田選手のミスを突き、2位に浮上。終わってみれば、
PRO2.stn小林選手がトップゴールで、12L4:04.349、2位がTeamいけと〜ん?の芳之内選手で12L4:10.922、3位が
PRO2.stn堀田選手12L4:14.254。全車5台共12周の記録を打ち立てました。PRO2.stnの車は、TECH F125、TAMIYA F103で
分かれています。F125を駆る小林選手がインフィールドでフットワーク良く動いており、F103を駆る堀田選手は
高速コーナーで安定した動きを見せます。両車速い所が違うので、間隔が付かず離れずの面白い展開を、この予選ラウンド
から早くも見せています。
予選2ラウンド目
予選2ラウンド目、コース上は若干日差しが多く照りつけ、風も吹き始めました。状況的にはタイムが出にくい
ものと予想されます。
まずF-1ローカルクラス予選2ラウンド目、溝部選手が1周目から20秒前半のタイムで飛び出すも、2周目で
クラッシュ。代わってトップに浮上したのは阿南選手。殆どのラップを19秒台に乗せてきて、溝部選手を引き離しに
掛かります。しかし、溝部選手も負けてはおらず、19秒556のクラスベストタイムをマークし、猛追。阿南、溝部選手
らによる2台のフェラーリ争いは、最終ラップまで縺れ込みますが、溝部選手が最終ラップに痛恨のクラッシュを期し、
阿南選手がトップゴール。12L4:01.332と、暫定トップタイムとなりました。ホンダ・アースカラーの朝日選手は、
このラウンド2位ゴール。12L4:13.501で総合では3番手に浮上。小野沢選手も0.393秒タイムアップでラウンド
3位となる12L4:18.854をマーク。
F-1クラス予選2ラウンド目、フェラーリの玉城選手は20秒716で予選1ラウンド目よりベストは勝るのですが、
後半のタイムの安定性に欠き、12L4:15.317で自己タイム更新ならず。一方、マクラーレン本川選手が好調。実車を
彷彿させるワイドなライン取りで、安定したラップタイムを刻み、自己ベストを約1.5秒更新。このラウンド2位で
ゴールとなりました。また、前ラウンド、マシントラブルにより0周リタイヤの西川選手は、このラウンドでは
9L4:33.546で完走を果たしました。
F-1グランプリクラス、予選2ラウンド目。このラウンドは、素晴らしい記録を各選手打ち立てます。先ずは
PRO2.stnの小林選手がこの時点で唯一の13周、13L4:19.459、ベスト19秒682で、トップゴール。自己ベストを
4.5秒程UPさせています。また、その後方では、2位に同じくPRO2.stnの堀田選手、12L4:02.483、ベスト19秒557で
続きます。堀田選手の方が途中ペースが速く、トップに立って走行していましたが、後半11周目のクラッシュでタイム
を落とし、惜しい2位となりました。タイムはそれでも前のラウンドより、何と11秒771もUP。3位はNEXTERの松永選手、
マシンのセッティングを変えてきたのか、コーナー途中での跳ねも収まり、12L4:06.433、ベスト20秒214。自己
ベストを8秒841UPさせています。一方、山口選手、芳之内選手は、スピードが若干遅いながら、自己ベストを上げる
健闘を見せました。特にNEXTER山口選手は、12秒924のタイムUP!
ラウンドが始まる前は、路面コンディション等の悪化を懸念し、タイムが出にくいと危惧されましたが、各選手
気合の入った走りで自己ベスト更新が多数出る、素晴らしいラウンドとなりました。続く最終ラウンドは更なる
タイムアップを狙って欲しいものです。
予選3ラウンド目
予選最終となる3ラウンド目、先ずはF-1ローカルクラス。スタートの出だしでは、溝部選手が前に
でますが、中盤から阿南選手が逆転。19秒488のベストを出しながらの走行。そのまま、今大会二人目の
大台となる13周、13L4:19.655でゴールし、ポールポジションを獲得しました。
F-1クラス予選3ラウンド目。このクラスの最終ラウンドでは、思わぬタイムが続出します。最初のヒートで、
マクラーレン本川選手が、自己ベスト&クラスベストとなる12L4:11.960を出すと、続くヒートで玉城選手が全くの
同タイムを出します。結局、セカンドベストで玉城選手の2ラウンド目のタイムが採用され、フェラーリ玉城選手が
ポールポジションを獲得。ベストは玉城選手の20秒423がクラストップ。いよいよF-1クラスでも20秒前半に突入か。
後方では、9番グリッドを獲得した井上選手の3ラウンド目のタイムは、2ラウンド目と全く同じタイム。12L4:09.197を
マーク。結果的に1/1000秒まで同タイムが2名も居る、緊迫した展開となりました。
F-1グランプリクラス、予選3ラウンド目。序盤からハイペースで各車周回を重ね、前方では、PRO2.stn小林選手、
堀田選手の争い。終盤お互いインフィールドのヘアピンコーナーでミスをするが、タイムロスの少なかった小林選手が
僅かにトップゴール。タイムを2秒程更新し、13L4:17.488でポールポジションを獲得。ベストは19秒355で大会ベスト。2位は堀田選手
で三人目の13周ホルダーとなる、13L4:17.749をマーク。ベストは19秒469。ポール小林選手との差は僅か0.261秒。3位はTeamいけと〜ん?
の芳之内選手。自己ベストを7秒689も更新し、3番グリッドに滑り込む事に成功。4位、5位は、NEXTERの2選手。松永選手、
山口選手です。ベストラップでは決して前車に引けを取っていないので、決勝でのジャンプアップに期待です。
■予選順位■
F-1ローカルクラス
1位 | 阿南 吉伸 | 3R13L4:19.655
| 2位 | 溝部 弘之 | 3R12L4:00.639
| 3位 | 朝日 湊 | 2R12L4:13.501
| 4位 | 小野沢 晃 | 3R12L4:17.579
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F-1クラス
1位 | 玉城 弘貴 | 3R12L4:11.960
| 2位 | 本川 晋太郎 | 3R12L4:11.960
| 3位 | 待鳥 勝浩 | 3R12L4:14.116
| 4位 | 大島 浩二 | 3R12L4:16.560
| 5位 | 廣田 郷史 | 1R12L4:21.166
| 6位 | 幸 孝文 | 3R11L4:03.283
| 7位 | 松原 浩光 | 2R11L4:04.859
| 8位 | 児玉 修一 | 3R11L4:07.456
| 9位 | 井上 愛史 | 3R11L4:09.197
| 10位 | 朝日 湊 | 3R11L4:09.414
| 11位 | 西川 宏 | 3R11L4:14.986
| 12位 | 堤 早苗 | 3R11L4:17.601
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F-1グランプリクラス
1位 | 小林 大雄(PR2) | 3R13L4:17.488
| 2位 | 堀田 幹雄(PR2) | 3R13L4:17.749
| 3位 | 芳之内 剛(IKE) | 3R12L4:03.233
| 4位 | 松永 幸治(NEX) | 3R12L4:05.652
| 5位 | 山口 顕太郎(NEX) | 2R12L4:12.037
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