F1RCGP レースリポート


第5戦 F1RCGP2010 in Chiba
RC STADIUM SODEGAURA 2010年5月9日(日)


天気:晴れ、気温:30℃、湿度:20%、路面温度:40℃

F1RCGP2010第5戦は場所を九州から関東地方へと移し、千葉県千葉県袖ヶ浦市百目木(どうめき)に店舗、サーキットを構える RC STADIUM SODEGAURAで開催されました。RC STADIUM SODEGAURAサーキットは、F1RCGP2009年度シリーズ第2戦が開催された場所 でもあり、かねてより多くのF-1ファンが集う事でも有名です。広大な敷地にサーキットを3面(グリップオンロード・ドリフトオンロード・ オフロード)有し、近年になってミニッツサーキットも新設。県内はもとより全国でもなかなかここまでサーキット数が充実した 所は少ないです。より多くのRCファンに、様々なジャンルのRCをやらせてあげたいと言うコースオーナーである佐久間氏の趣旨が反映されているのでしょう。
 今回F1RCGPの舞台となるグリップオンロードサーキットは、前回とレイアウトも同じ1周120m、33mのバックストレートを持ち、 路面は中粒の若干バンピーなアスファルト。サーキットの広さは1/10スケールF-1にはベストサイズで、中速から高速型のサーキットです。 環境面では屋外サーキットで周りに大きな建物が無い為、コース上には常に風が吹いている事でも知られています。路面コンディションやその 変化にも気を配りながら、自然との闘いもこのラウンドの大きな醍醐味の1つになっています。

 参加人数は、F-1クラス:14名、F-1グランプリクラス:9チーム15名、合計29名です。若干人数が少ないながらも、 各選手熱の入った好バトルの展開が予想されます。また、時間的な余裕も生まれ、のんびりとレースが出来るので、 多くのドライバー同士、交流が深められることでしょう。
 今大会へは、地元千葉県を代表するRUSH、袖スタ、PRO-SHOP FUTABAチームが今シーズン初参戦。それに、千葉県を拠点にするチームでは 昨シーズンのワールドチャンピオンチームであるFutaba F-1 Racing、TEAM SONIC、Teamトップサーキットが加わるかたち。他県からは、 2009年F-1ワールドチャンピオンドライバー上林選手が所属する、ALEX RACING Winnersが加々山監督も同行の上、アウェイの地に踏み込んで 来る格好。ALEX RACING Winnersがこの地で優勝し、シリーズチャンピオンに王手を掛けるか、それとも地元勢が跳ね返すのか非常に楽しみ な1戦になりそうです。ちなみに袖スタチームは、セカンドドライバーに本岡選手を補強し、車もTRGへと変更。TRG109は地元では非常に 流行っており、セッティングも決まっている様です。また、TRGチームドライバーである竹下氏もよく通うサーキットなので、セッティングにも 多くの方向性が見出せている様です。

プラクティスDay
 前日の練習走行日は、天候も安定して晴れて、ラジコン日和となりました。早くも好タイムを出しているのがALEX RACING Winnersの上林選手、 RUSHの石川選手、佐藤選手のベテラン勢の模様。若手ではTeam 袖スタの松本選手も同じようなラップで周回を重ねています。彼らのチームでは、 フロントウィングに独特の工夫を凝らしており、他社よりフロントグリップを稼げている様です。RC STADIUM SODEGAURAサーキットではリアグリップが 比較的強く、そのままではアンダーステア傾向になるので、フロントフラップを大型化して空力的変化を狙っていると思われます。グランプリクラス はこうして徐々に上がってきた車速に対して、各選手様々なアプローチが見られます。そして、F-1クラスでも540+LiPo化により昨年よりも 若干ではありますがスピードアップが見られます。しかし、グランプリクラスよりもまだ大分穏やかですので、スケール感のあるマシンで 実車の様に接近戦のバトルが長い時間味わう事が出来る様です。特に好調に見えるのが、ウィリアムズのカラーリングの大村選手のマシン。 地元のマイスターとしてじっくり仕上げてきたマシンの挙動は凄く落ち着きを放ち、バンピーな路面をいとも簡単にクリアしています。 それに続くのが、シルバーアロー・マクラーレンカラーの鶴間選手を筆頭にこちらも地元の精鋭の選手たちです。ここのサーキットの地元勢の 選手層の厚さは、凄まじいものがあります。
 タイムはF-1クラスでは速い人で14秒台、F-1グランプリは13秒7付近です。明日になれば路面は更にグリップを増す事でしょう。 2010年第5戦のシーズン折り返しに相応しい好レースを期待し、選手、オフィシャル全員が当日に備えます。

大会当日
 当日も清々しい天気に恵まれ、早朝より多くの選手が来場しました。また、コースサイドには家族連れも見学に来て、小さい子供も興味深々に F-1の走りに見入っています。10年後には日本を代表するドライバーになるかも知れませんね。コースの方は、朝の受付を終えた選手が最後のセットの確認で 練習走行中。予想通り路面グリップも最高潮に達し、各車コーナーリングの車速もアップしています。ここに来て、Futaba F-1 Racingの森田選手も タイムアップしてきている模様。Tech F125を駆る森田選手は、リアに装備したグリップ確保の為のウェイトを外し、コーナーリング時の 回頭性を上げたそうです。F-1グランプリクラスもF-1クラスも、今回のレースではTRG109を使用する選手が多くいます。皆が目標に掲げるのは、 RUSH、袖スタ地元最強チームメンバーの車の動きです。この後続くレース本番では、どのような展開になるなる事でしょう。
 開会式で記念撮影、レース説明も滞りなく終え、いよいよレース開始。日差しも徐々に強くなり、この季節にしては異例の暑さで体感温度も上昇し、 各選手の気持ちも高ぶります。

予選1ラウンド目
 F-1クラス予選1ラウンド目、先ずは蛍光ピンクに鮮やかに塗られたF−1ボディーの中山選手が1ヒート目で快心の走りでトップゴールを 決めます。タイムは16L4'11.780で、ベストが15秒295。14秒台にももうすぐ届きそうでしたが、最初の走行の為やや慎重気味なドライブでした。 中山選手はこのサーキットの常連さんで、走行ラインもサーキットを知り尽くしている感があります。そのタイムを破って来たのは、ウィリアムズ カラーの大村選手と、JMRCAの1/8エンジンレーシングカーでも常に上位に名を連ねる高安選手。大村選手の方がコーナーを丁寧に走行し、無駄のない 走りで暫定トップとなる16L4'03.238、ベストラップは現在唯一の14秒台となる14秒944をマーク。高安選手はFutabaカラーのオレンジ色のボディーで、 やや若さの溢れる走りで暫定2位のタイム、16L4'04.673をマーク。このラウンドで16周をマークしたのは4選手。レッドブルカラーの前田選手 の16L4'13.987までとなります。
 F-1グランプリクラス予選1ラウンド目。こちらもF-1クラスと同じような展開でした。前のヒートで出走のRUSH石川選手が好走を見せ、2番手の ZEN遠藤選手を大きく引き離し、先ずは暫定トップタイムとなる18L4'12.689、ベスト13秒625をマーク。しかし、ヒートが進むに連れてタイムを更新する 選手が多数。最終ヒートでは、ALEX RACING Winnersの上林選手と、袖スタの松本選手が周回毎にトップが入れ替わる大接戦を演じ、最終ラップで僅差の逆転 トップゴールを決めたALEX RACING Winners上林選手が18L4'10.998、ベスト13秒711で、このラウンドトップタイムで暫定ポールポジションを奪取。2番手は 袖スタ松本選手のフェラーリカラーのTRG109、3番手はRUSH石川選手でこちらもTRG109。Fusion FRF010対TRG109の攻勢。一方、他チームでは昨年の ワールドチャンピオンチーム、Futaba F-1 Racingの2選手、森田選手、木村選手が2ヒート目で僅差のタイム争い。これまで木村選手の走りが精彩を欠いて いましたが、この本番に来て上向きになり、森田選手の前でヒートトップゴール。しかし、総合では5位。早くもこのレースのレベルは高いと感じさせる 雰囲気になってきました。

予選2ラウンド目
 F-1クラス予選2ラウンド目は、気温もぐんぐん上がり、モーター・バッテリー等の負荷も大きい中、レッドブルカラーの前田選手が大きくタイムアップ。 ミスのない最後まで攻めの走りを見せ、16L4'02.659、ベスト14秒829で、暫定3番手のタイムにジャンプアップ。自己ベストを11秒328も塗り替える 偉業を達成しました。他にも自己ベストを大きく更新した選手は、ミナルディーからーが鮮明な茂手木選手。前のラウンドでは11周3分リタイヤで14番手 でしたが、今回は非常に堅実な走りが功を奏し、大村選手に続くヒート2番手ゴールとなる15L4'01.383で9番手にジャンプアップ。このラウンドでもトップ を維持したのはウィリアムズの大村選手。16L4'02.287、ベスト14秒782で自己ベストを約0.95秒更新。大村選手の走りは非常にスムースで素晴らしく、誰もが 注目して見ている様でした。
 F-1グランプリクラス予選2ラウンド目。ここでは袖スタの松本選手が驚異的なタイムをマーク。フェラーリのチームカラーに塗られた袖スタ チームは、今回車の仕上がりが素晴らしく、インフィールドのヘアピン手前の路面ギャップも物ともせず走行を重ね、18L4'09.702、ベスト13秒582で 暫定ポールポジションを奪取。グランプリクラスで18周10秒の壁をあっさり破る離れ技を見せ、周りを驚かせました。2番手はRUSH石川 選手で、18L4'10.069、ベスト13秒635。石川選手のマシンの方が若干車速が伸びる反面、跳ねやすい傾向です。この後のラウンドで、どうセッティングを 修正してくるでしょうか。ALEX RACING Winnersの上林選手は、今回相方の横井選手を欠く格好で、マシンのセッティングが捗らないのか、2ラウンド目には タイムを更新できずに終わります。後方では、ZEN橋本選手が安定して17周シングルを刻み、Futaba F-1 Racing森田選手もそれに続き、総合6−7番手争い。 この後タイムを更新するには、両車もう少しプッシュアンダーを打ち消す方向でセットをして行く必要がありそうです。これまでで18周をマークしたのは4選手。 RUSH佐藤選手の18L4'12.444、ベスト13秒794までです。

予選3ラウンド目
 最終予選となるF-1クラス予選第3ラウンド。このラウンドでは、レッドブル前田選手、フェラーリ森選手、蛍光ピンクカラーの中山選手が揃って自己ベスト タイムを僅かに更新してきます。流石にサーキット常連だけに、そのラインはレールの上を走るが如く安定しています。中でもフェラーリの森選手は、スタートしてから1〜2 周目のラップタイムがライバルの選手よりも遅いので、そこさえ上手く走行させれば、決勝ではかなり上位に食い込めるだけのポテンシャルがありそうです。一方、 ポールポジションを見事獲得したのは、前のラウンドから全て完璧の走りを見せている、ウィリアムズの大村選手。第3ラウンドで自己ベストを逃す選手 が多い中、大村選手は着実にタイムを刻み、16L4'01.607、ベスト14秒782の総合トップタイムをマーク。2番手に付けるのがオレンジのカラーの高安選手。 第3ラウンドでは自己ベストを逃すも、ベストは14秒711のトップタイムをマーク。決勝では上手くすればトップを狙える可能性を秘めている感じです。結局 トップ10の選手は全員16周に入り、ボーダータイムはバージンレーシングの石橋選手の出した、16L4'16.254でした。
 F-1グランプリクラス予選3ラウンド目は、路面も仕上がり、タイムも非常に出やすい状況。先ず飛び出したのは、RUSH石川選手。中盤に僅かに ミスをしてロスをしたにも関わらず前ラウンドの袖スタ松本選手の記録を0.484秒上回る、18L4'09.218、ベストは13秒536をマークし、暫定ポール ポジションへと浮上。続くヒートでは再びFutaba F-1 Racing同士の争いで、今度は木村選手が自身初の18周に入れてくる好走を披露。木村選手の マシンは現在チームでテストを重ねているイヤー・レーシングのコンバージョンで、徐々にその性能を引き出している模様。しかしながら、総合では これまで通り6−7番争いのグループの中で、やや低迷しているかたちです。そして、最後の組へと予選は続き、いよいよタイムも白熱してきます。 袖スタ松本選手は1周目から13秒556の驚異的なタイムで走行し、ほぼ99%13秒台に入れての走行で完璧なアタックを見せました。その結果、 18L4'07.748、ベストは13秒509の大会ベストを出し、見事ポールポジションを獲得しました。ALEX RACING Winnersの上林選手は、このラウンドでは ややマシンの挙動が乱れ、下位に低迷。代わってRUSH佐藤選手、ZEN橋本選手と遠藤選手が実力を発揮し、揃って自己ベストをマーク。ZEN橋本選手は 総合でも5番手に浮上し、トップ3圏内が見えてきました。F104ZENコンバージョンはここRC STADIUM SODEGAURAサーキットでも好調。ややアンダーステア 傾向にあるのでコントロール性に優れている様に見受けられます。一方、TRG109はチームは違いますが初の予選1,2位を獲得。ALEX RACING Winners上林 選手のシリーズチャンピオン独走を先ずはこの予選で阻む事に見事成功です。

■予選順位■
F-1クラス
1位大村 誠 3R16L4'01.607
2位高安 理寛2R16L4'02.406
3位前田 大介3R16L4'02.497
4位森 尚之 3R16L4'05.129
5位中山 篤史3R16L4'05.325
6位菅原 一彰2R16L4'06.770
7位鶴間 礼智2R16L4'11.198
8位三浦 竜彦3R16L4'12.610
9位郡山 裕一3R16L4'14.589
10位石橋 佑介3R16L4'16.254
11位茂手木 達也2R15L4'01.383
12位矢田 大基3R15L4'04.596
13位重松 隆一2R15L4'09.328
14位稲 滋明 3R14L4'04.273


F-1グランプリクラス
1位松本 恭一(SOD)3R18L4'07.748
2位石川 衛 (RUS)3R18L4'09.218
3位上林 博 (ALW)1R18L4'10.998
4位佐藤 信幸(RUS)3R18L4'11.403
5位橋本 努 (ZEN)3R18L4'12.049
6位木村 心哉(FUR)3R18L4'12.256
7位森田 栄俊(FUR)3R17L4'00.119
8位遠藤 一樹(ZEN)3R17L4'00.292
9位大山 誠 (PSF)3R17L4'07.112
10位鬼頭 正治(ALE)3R17L4'07.759
11位櫻尾 晋也(SON)1R17L4'07.958
12位三溝 貴夫(TOP)2R17L4'10.640
13位加々山 幸憲(ALE)3R16L4'06.494
14位川地 冠 (SON)3R15L4'03.803
15位本岡 正法(SOD)1R15L4'04.417

決勝に向けて
 決勝ラウンドは各メイン8分間の周回レースです。予選の2倍の時間を走るので、アクシデントは付きものです。予選のデータを ベースに、決勝に向けて各選手マシンセッティングに熱心に取り組んでいます。特に、ALEX RACING Winnersの上林選手はここ数戦表彰台 は逃さないものの、優勝からは遠ざかっています。同チームの加々山監督監修の下、最後の逆転を掛けての決勝への意気込みが非常に良く 伝わってきます。また、Teamトップサーキットの三溝選手もF-1クラスの選手達とセッティングの情報交換を積極的に行っていました。この様に クラスを越えた交流があるのがF1RCGPの大きな特徴の1つです。さあ、いよいよ決勝ラウンドです。各選手実力を思う存分出し切ってもらいたい ものです。

F−1クラス決勝Bメイン
 F-1クラス決勝Bメイン。ポールショットを奪ったのは、ミナルディーカラーの茂手木選手。ややスタートタイミングが遅かったのは、ルノー矢田選手。 決勝前の説明で、フライングには厳しいペナルティーが科せられるので、やや警戒気味のスタートになった様です。3番手を走るのが、オレンジの オートバックスカラーの重松選手。ルノー矢田選手との差は僅か0.5秒の間隔で追います。トップを走る茂手木選手は、リードを徐々に広げ、且つ慎重な 走りで周回を重ねます。後方ではレッドブルカラーの稲選手が、若干リアグリップ不足に苦労しながらも、頑張って走っています。中盤になり、ミナルディー の茂手木選手は稲選手、矢田選手等全車をラップし、快調な走行を続けています。その間、オートバックスカラーの重松選手がルノー矢田選手をインフィールド右の のヘアピンでパス。2位へと浮上します。全体的には非常に綺麗なレースが続いている状況下、見事、茂手木選手がメイントップゴールを果たしました。 2位には中盤凄まじい追い上げを見せた重松選手が入りました。

F−1グランプリクラス決勝Bメイン
 F-1グランプリクラス決勝Bメイン。スタート直後は綺麗に全車隊列を崩さず、流れて行きます。しかし、早速アクシデント。トップを走るTEAM SONIC櫻尾選手が いきなりインフィールドでスピン、それに合わせるように、同チームメイトの川地選手もストレート手前でコースアウト。序盤から早くも荒れた展開に豹変します。 その間、代わってトップに浮上したのはTeam トップサーキットの三溝選手。早くも14秒台に入れて走行を重ね、2位を引き離しに掛かります。2位は、序盤のミスから 上がって来たTEAM SONICのピンク・白のカラーが鮮やかな櫻尾選手。非常に僅差の接戦です。三溝選手のフェラーリと、櫻尾選手のピンクのカラーのマシンは、 10周以上0.3秒差のバトルの後、ストレートエンドで遂に櫻尾選手がトップに浮上。先に行われたアジアカップ2010では三溝選手はAメインに残る実力者。直ぐに 櫻尾選手の背後から再度抜きに掛かろうとしますが、2台が接触。しかし、三溝選手がウェイティングしてクリーンにバトルが再開。見ていてとても清々しい レースです。後半はTEAM SONIC櫻尾選手が安定した走りを維持し、並み居る強豪を抑えて見事F-1グランプリクラスのBメインを征しました。2位はTEAM トップサー キットの三溝選手、3位はAREX RACINGの加々山選手でした。

■決勝順位■
F-1クラスBメイン
1位茂手木 達也31L8'09.721
2位重松 隆一29L8'02.116
3位矢田 大基29L8'08.979
4位稲 滋明 28L8'00.531



F-1グランプリクラスBメイン
1位櫻尾 晋也(SON)33L8'05.954
2位三溝 貴夫(TOP)33L8'08.326
3位加々山 幸憲(ALE)31L8'00.157
4位川地 冠 (SON)31L8'12.566
5位本岡 正法(SOD)D.N.S.

F-1クラスAメイン
 F-1クラス決勝Aメイン。スタートはポールポジションよりウィリアムズの大村選手が素晴らしい タイミングでポールショットを決め、トップをキープ。2位、3位は予選順通りで、オレンジのFutaba カラーの高安選手、レッドブルの前田選手と続きます。前田選手は今回久しぶりのレース参戦と言う事で したが、トップ争いに果敢に絡む大健闘の走り。その前方では、2位を走る高安選手が徐々に トップとの差を詰め、ウィリアムズの大村選手の背後に迫ります。タイムは高安選手の方が0.1〜0.2秒 程速い状態です。大村選手と高安選手との差は、0.3秒も無い非常に僅差での争い。そこに、周回 遅れが入り乱れ、両車上手くそれらを交わしながらの走行と言う、緊迫した場面が暫く続きます。 高安選手は、大村選手の後ろから左右に揺さぶりを度々掛けますが、大村選手のラインは安定したまま、なかなかインが空きません。 その後方0.3秒ではレッドブル前田選手が、漁夫の利を狙うべく淡々と走行。三つ巴の状態で後半へレースは折り返します。 後半戦、先ずはレッドブル前田選手が痛恨のクラッシュで後れを取ります。すると、トップを走るウィリアムズの大村選手、ストレートで周回 後れを交わす時にクラッシュ!高安選手が苦労する事無く、トップへ躍り出ます。しかし、後方からはまだ0.5秒差の中に大村選手、前田選手が 追ってきます。それを振り切る様に、今度は高安選手がメインベストとなる14秒台に入れペースアップをし、最後まで集中力を切らさず 優勝を決めました。2位は惜しくもウィリアムズ大村選手、3位は前田選手が入賞しました。

F-1グランプリクラスAメイン
 F-1グランプリクラス決勝Aメイン。スタート前にAメインメンバーを確認すると、若干1名足りません。調べると、Futaba F-1 Racingの木村 選手だと言う事が発覚。何とコンビニで本を立ち読みしていたと言う事でしたが、10分のディレーで何とか決勝がスタート。F1RCGPの出場選手は皆その様な アクシデントも適当に受け流せるだけの懐の大きさがあり、常に現場は和やかです。
 気を取り直して、レーススタート。スタートまでの間色々とあったグランプリクラスAメインでしたが、スタートは非常に綺麗な列を成して レースが流れて行きます。トップを走行するのはポールポジションからのスタートを着実に決めた袖スタ松本選手。ボディーからはフェラーリで、 インをきっちり守って危なげのない走行。2番手はRUSHの石川選手、3番手はALEX RACING Winnersの上林選手、4番手はRUSH佐藤選手、5番手はZEN橋本選手 と言うオーダー。前方7台、PRO-SHOP FUTABAレイトンハウスカラーの大山選手までが等間隔。トップ走行の袖スタ松本選手がジワリジワリとリードを広げる中、 中団では4位争いが白熱。RUSH佐藤選手、ZEN橋本選手との争いです。この2台はほぼストレートも互角。ZEN橋本選手のF104ZENコンバージョンはリヤ安定型、 RUSH佐藤選手のTRG109はコーナーリング重視のマシンの動きなので、見ていてとても見応えがあります。そして、皆を待たせたFutaba F-1 Racingの木村選手は 駆動系トラブルでリタイヤ。一方、トップ争いは、袖スタ松本選手、RUSH石川選手の2台に絞られた感があり、1.5秒圏内の差で常に走行を重ねています。すると、 ストレート入り口で他車がクラッシュし、それを避け様とした松本選手が若干タイムロス。RUSH石川選手がこれをチャンスに終盤に来て一気にその差を詰め、 0.5秒の差まで詰め寄ります。残り時間は1分30秒程。トップを走行の松本選手は若干パワーダウンしての走行だが、2位のRUSH石川選手はまだパワーに 余力がある様です。2人の差は徐々に詰まり、いよいよ最終ラップに突入。最後にトップでゴールしたのは、最後までトップの座を渡さなかった袖スタの松本 選手。自身初のF1RCGPグランプリクラスの優勝、そして、TRG109を初の優勝に導きました。2位は最終ラップまで熱い走りで見せてくれた、RUSHの石川選手、3位は ALEX RACING Winnersの上林選手でした。そしてその後方では、ZENの2台、橋本選手、遠藤選手が揃って予選より順位を上げて、4位、6位を獲得。チーム総合 力を見せつけました。

■決勝順位■
F-1クラスAメイン
1位高安 理寛33L8'14.481
2位大村 誠 32L8'02.751
3位前田 大介32L8'05.561
4位森 尚之 31L8'05.965
5位菅原 一彰31L8'07.520
6位鶴間 礼智31L8'12.664
7位中山 篤史31L8'12.849
8位三浦 竜彦29L8'09.585
9位郡山 裕一29L8'11.157
10位石橋 佑介14L4'34.739

F-1グランプリクラスAメイン
1位松本 恭一(SOD)36L8'05.725
2位石川 衛 (RUS)36L8'06.027
3位上林 博 (ALW)36L8'13.471
4位橋本 努 (ZEN)35L8'00.037
5位佐藤 信幸(RUS)35L8'01.183
6位遠藤 一樹(ZEN)35L8'07.871
7位森田 栄俊(FUR)35L8'09.305
8位大山 誠 (PSF)33L8'02.211
9位鬼頭 正治(ALE)33L8'07.037
10位木村 心哉(FUR)15L3'47.863

ポディウム表彰・シャンパンファイト
 全ての決勝レースを終え、直後にトップ3までの表彰を行います。F-1クラスでは高安選手が、エンジンカーをメインにするドライバーらしい終始安定した 走行での逆転優勝。F-1グランプリクラスでは、袖スタチームの松本選手が嬉しいクラス初優勝を飾る等、見所いっぱいのレースとなりました。参加者全員が操縦台 前のポディウムの周りに集まり、入賞者を祝福しています。最後のシャンパンファイトでは、決勝前に皆を待たせたFutaba F-1 Racingの木村選手が不意に狙われ、 思わぬシャワーを浴びました。そして最後に優勝した高安選手、松本選手には大きな拍手が贈られ、ポディウム表彰が終わりました。
 F-1グランプリクラスでは、今季ALEX RACING Winners上林選手の2連勝で始まり、Round3以降は優勝者が毎回変わる白熱した展開です。シリーズランキングの 2位争いは誰が浮上しても不思議ではない状況です。今後どの様なレースになるのか、興味が沸く所ですので、皆さん今後も注目して見ていて下さい。

ベストルッキングカー賞
 ベストルッキングカー賞には、矢田選手のルノーR30クビサ仕様が選考されました。黄色の色合い、赤い翼端板の色合い が実車を忠実に再現しています。やはりF-1ラジコンカーはそのスタイルを見ているだけでも飽きさせない、何か大きな魅力が あるのだと思います。ちなみに矢田選手は今回F1RCGP2度目のベストルッカーに輝いたそうです。F1RCGP史に名を刻むのは、 優勝者だけではなく、こうしたマシンのボディーの作り込みに励んだ選手も含まれるのです。

全体表彰・抽選会
 最後は全体表彰式です。今回は天気も良く、コース上に集まってもらい、表彰カードの授与並びに抽選会を行います。 参加者は軽食を摘みながら、リラックスモードで自分の名前が呼ばれるのを待ちます。今回も協賛メーカーより多くの 賞品をご提供頂きました。参加者一人一人にそれを配り、目当ての物を手にした人からは歓喜の声が鳴り響きました。その後、 閉会式が行われ、各実行委員長の挨拶を終えて閉幕となりました。今回は最近になっては比較的少人数でのレースとなりましたが、 内容はこれまで通り濃く、しかも参加者の皆さんにとっては思う存分レースを満喫できる、ゆとりのある時間を共有できたと 思います。また次回も良いレース、雰囲気を見せて頂けるよう主催者一同祈念しております。

F1RCGP大会主要機材データ
 F1RCGP第5戦の大会主要機材データになります。マシン、プロポ、アンプ、F-1グランプリクラスモーター、バッテリーシェアと、参加選手県名、 年齢、男女構成比です。 次回参加される方、遠征される方等は是非参考になさってください。 次回F1RCGP2010 Round6は、5月30日(日)初の埼玉大会 (SpeedWay Pal)です。            皆様のお越しを心よりお待ちしております。

カーシェア
プロポシェア
アンプシェア
モーターシェア
バッテリーシェア
参加選手県名
年齢層
男女比

謝辞
 今回参加された選手の皆様、サーキットをお貸し頂いたサーキットオーナー佐久間様、運営をお手伝い頂いた袖スタクラブの森様を はじめとする各委員長のスタッフの皆様、受付やバンケット準備等にご協力頂きました梅津様、菅原様、本当にありがとうございました。 F1RCGP2010シリーズも半分が終了し、残る後半戦も初心を忘れずに多くの皆様が満足行くレース運営を心がけて行きます。今後とも ご支援ご協力賜りますよう宜しくお願い致します。