天気:晴れ、気温:30℃、湿度:20%、路面温度:40℃
F1RCGP2010第5戦は場所を九州から関東地方へと移し、千葉県千葉県袖ヶ浦市百目木(どうめき)に店舗、サーキットを構える
RC STADIUM SODEGAURAで開催されました。RC STADIUM SODEGAURAサーキットは、F1RCGP2009年度シリーズ第2戦が開催された場所
でもあり、かねてより多くのF-1ファンが集う事でも有名です。広大な敷地にサーキットを3面(グリップオンロード・ドリフトオンロード・
オフロード)有し、近年になってミニッツサーキットも新設。県内はもとより全国でもなかなかここまでサーキット数が充実した
所は少ないです。より多くのRCファンに、様々なジャンルのRCをやらせてあげたいと言うコースオーナーである佐久間氏の趣旨が反映されているのでしょう。
今回F1RCGPの舞台となるグリップオンロードサーキットは、前回とレイアウトも同じ1周120m、33mのバックストレートを持ち、
路面は中粒の若干バンピーなアスファルト。サーキットの広さは1/10スケールF-1にはベストサイズで、中速から高速型のサーキットです。
環境面では屋外サーキットで周りに大きな建物が無い為、コース上には常に風が吹いている事でも知られています。路面コンディションやその
変化にも気を配りながら、自然との闘いもこのラウンドの大きな醍醐味の1つになっています。
参加人数は、F-1クラス:14名、F-1グランプリクラス:9チーム15名、合計29名です。若干人数が少ないながらも、
各選手熱の入った好バトルの展開が予想されます。また、時間的な余裕も生まれ、のんびりとレースが出来るので、
多くのドライバー同士、交流が深められることでしょう。
今大会へは、地元千葉県を代表するRUSH、袖スタ、PRO-SHOP FUTABAチームが今シーズン初参戦。それに、千葉県を拠点にするチームでは
昨シーズンのワールドチャンピオンチームであるFutaba F-1 Racing、TEAM SONIC、Teamトップサーキットが加わるかたち。他県からは、
2009年F-1ワールドチャンピオンドライバー上林選手が所属する、ALEX RACING Winnersが加々山監督も同行の上、アウェイの地に踏み込んで
来る格好。ALEX RACING Winnersがこの地で優勝し、シリーズチャンピオンに王手を掛けるか、それとも地元勢が跳ね返すのか非常に楽しみ
な1戦になりそうです。ちなみに袖スタチームは、セカンドドライバーに本岡選手を補強し、車もTRGへと変更。TRG109は地元では非常に
流行っており、セッティングも決まっている様です。また、TRGチームドライバーである竹下氏もよく通うサーキットなので、セッティングにも
多くの方向性が見出せている様です。
プラクティスDay
前日の練習走行日は、天候も安定して晴れて、ラジコン日和となりました。早くも好タイムを出しているのがALEX RACING Winnersの上林選手、
RUSHの石川選手、佐藤選手のベテラン勢の模様。若手ではTeam 袖スタの松本選手も同じようなラップで周回を重ねています。彼らのチームでは、
フロントウィングに独特の工夫を凝らしており、他社よりフロントグリップを稼げている様です。RC STADIUM SODEGAURAサーキットではリアグリップが
比較的強く、そのままではアンダーステア傾向になるので、フロントフラップを大型化して空力的変化を狙っていると思われます。グランプリクラス
はこうして徐々に上がってきた車速に対して、各選手様々なアプローチが見られます。そして、F-1クラスでも540+LiPo化により昨年よりも
若干ではありますがスピードアップが見られます。しかし、グランプリクラスよりもまだ大分穏やかですので、スケール感のあるマシンで
実車の様に接近戦のバトルが長い時間味わう事が出来る様です。特に好調に見えるのが、ウィリアムズのカラーリングの大村選手のマシン。
地元のマイスターとしてじっくり仕上げてきたマシンの挙動は凄く落ち着きを放ち、バンピーな路面をいとも簡単にクリアしています。
それに続くのが、シルバーアロー・マクラーレンカラーの鶴間選手を筆頭にこちらも地元の精鋭の選手たちです。ここのサーキットの地元勢の
選手層の厚さは、凄まじいものがあります。
タイムはF-1クラスでは速い人で14秒台、F-1グランプリは13秒7付近です。明日になれば路面は更にグリップを増す事でしょう。
2010年第5戦のシーズン折り返しに相応しい好レースを期待し、選手、オフィシャル全員が当日に備えます。
大会当日
当日も清々しい天気に恵まれ、早朝より多くの選手が来場しました。また、コースサイドには家族連れも見学に来て、小さい子供も興味深々に
F-1の走りに見入っています。10年後には日本を代表するドライバーになるかも知れませんね。コースの方は、朝の受付を終えた選手が最後のセットの確認で
練習走行中。予想通り路面グリップも最高潮に達し、各車コーナーリングの車速もアップしています。ここに来て、Futaba F-1 Racingの森田選手も
タイムアップしてきている模様。Tech F125を駆る森田選手は、リアに装備したグリップ確保の為のウェイトを外し、コーナーリング時の
回頭性を上げたそうです。F-1グランプリクラスもF-1クラスも、今回のレースではTRG109を使用する選手が多くいます。皆が目標に掲げるのは、
RUSH、袖スタ地元最強チームメンバーの車の動きです。この後続くレース本番では、どのような展開になるなる事でしょう。
開会式で記念撮影、レース説明も滞りなく終え、いよいよレース開始。日差しも徐々に強くなり、この季節にしては異例の暑さで体感温度も上昇し、
各選手の気持ちも高ぶります。
予選1ラウンド目
F-1クラス予選1ラウンド目、先ずは蛍光ピンクに鮮やかに塗られたF−1ボディーの中山選手が1ヒート目で快心の走りでトップゴールを
決めます。タイムは16L4'11.780で、ベストが15秒295。14秒台にももうすぐ届きそうでしたが、最初の走行の為やや慎重気味なドライブでした。
中山選手はこのサーキットの常連さんで、走行ラインもサーキットを知り尽くしている感があります。そのタイムを破って来たのは、ウィリアムズ
カラーの大村選手と、JMRCAの1/8エンジンレーシングカーでも常に上位に名を連ねる高安選手。大村選手の方がコーナーを丁寧に走行し、無駄のない
走りで暫定トップとなる16L4'03.238、ベストラップは現在唯一の14秒台となる14秒944をマーク。高安選手はFutabaカラーのオレンジ色のボディーで、
やや若さの溢れる走りで暫定2位のタイム、16L4'04.673をマーク。このラウンドで16周をマークしたのは4選手。レッドブルカラーの前田選手
の16L4'13.987までとなります。
F-1グランプリクラス予選1ラウンド目。こちらもF-1クラスと同じような展開でした。前のヒートで出走のRUSH石川選手が好走を見せ、2番手の
ZEN遠藤選手を大きく引き離し、先ずは暫定トップタイムとなる18L4'12.689、ベスト13秒625をマーク。しかし、ヒートが進むに連れてタイムを更新する
選手が多数。最終ヒートでは、ALEX RACING Winnersの上林選手と、袖スタの松本選手が周回毎にトップが入れ替わる大接戦を演じ、最終ラップで僅差の逆転
トップゴールを決めたALEX RACING Winners上林選手が18L4'10.998、ベスト13秒711で、このラウンドトップタイムで暫定ポールポジションを奪取。2番手は
袖スタ松本選手のフェラーリカラーのTRG109、3番手はRUSH石川選手でこちらもTRG109。Fusion FRF010対TRG109の攻勢。一方、他チームでは昨年の
ワールドチャンピオンチーム、Futaba F-1 Racingの2選手、森田選手、木村選手が2ヒート目で僅差のタイム争い。これまで木村選手の走りが精彩を欠いて
いましたが、この本番に来て上向きになり、森田選手の前でヒートトップゴール。しかし、総合では5位。早くもこのレースのレベルは高いと感じさせる
雰囲気になってきました。
予選2ラウンド目
F-1クラス予選2ラウンド目は、気温もぐんぐん上がり、モーター・バッテリー等の負荷も大きい中、レッドブルカラーの前田選手が大きくタイムアップ。
ミスのない最後まで攻めの走りを見せ、16L4'02.659、ベスト14秒829で、暫定3番手のタイムにジャンプアップ。自己ベストを11秒328も塗り替える
偉業を達成しました。他にも自己ベストを大きく更新した選手は、ミナルディーからーが鮮明な茂手木選手。前のラウンドでは11周3分リタイヤで14番手
でしたが、今回は非常に堅実な走りが功を奏し、大村選手に続くヒート2番手ゴールとなる15L4'01.383で9番手にジャンプアップ。このラウンドでもトップ
を維持したのはウィリアムズの大村選手。16L4'02.287、ベスト14秒782で自己ベストを約0.95秒更新。大村選手の走りは非常にスムースで素晴らしく、誰もが
注目して見ている様でした。
F-1グランプリクラス予選2ラウンド目。ここでは袖スタの松本選手が驚異的なタイムをマーク。フェラーリのチームカラーに塗られた袖スタ
チームは、今回車の仕上がりが素晴らしく、インフィールドのヘアピン手前の路面ギャップも物ともせず走行を重ね、18L4'09.702、ベスト13秒582で
暫定ポールポジションを奪取。グランプリクラスで18周10秒の壁をあっさり破る離れ技を見せ、周りを驚かせました。2番手はRUSH石川
選手で、18L4'10.069、ベスト13秒635。石川選手のマシンの方が若干車速が伸びる反面、跳ねやすい傾向です。この後のラウンドで、どうセッティングを
修正してくるでしょうか。ALEX RACING Winnersの上林選手は、今回相方の横井選手を欠く格好で、マシンのセッティングが捗らないのか、2ラウンド目には
タイムを更新できずに終わります。後方では、ZEN橋本選手が安定して17周シングルを刻み、Futaba F-1 Racing森田選手もそれに続き、総合6−7番手争い。
この後タイムを更新するには、両車もう少しプッシュアンダーを打ち消す方向でセットをして行く必要がありそうです。これまでで18周をマークしたのは4選手。
RUSH佐藤選手の18L4'12.444、ベスト13秒794までです。
予選3ラウンド目
最終予選となるF-1クラス予選第3ラウンド。このラウンドでは、レッドブル前田選手、フェラーリ森選手、蛍光ピンクカラーの中山選手が揃って自己ベスト
タイムを僅かに更新してきます。流石にサーキット常連だけに、そのラインはレールの上を走るが如く安定しています。中でもフェラーリの森選手は、スタートしてから1〜2
周目のラップタイムがライバルの選手よりも遅いので、そこさえ上手く走行させれば、決勝ではかなり上位に食い込めるだけのポテンシャルがありそうです。一方、
ポールポジションを見事獲得したのは、前のラウンドから全て完璧の走りを見せている、ウィリアムズの大村選手。第3ラウンドで自己ベストを逃す選手
が多い中、大村選手は着実にタイムを刻み、16L4'01.607、ベスト14秒782の総合トップタイムをマーク。2番手に付けるのがオレンジのカラーの高安選手。
第3ラウンドでは自己ベストを逃すも、ベストは14秒711のトップタイムをマーク。決勝では上手くすればトップを狙える可能性を秘めている感じです。結局
トップ10の選手は全員16周に入り、ボーダータイムはバージンレーシングの石橋選手の出した、16L4'16.254でした。
F-1グランプリクラス予選3ラウンド目は、路面も仕上がり、タイムも非常に出やすい状況。先ず飛び出したのは、RUSH石川選手。中盤に僅かに
ミスをしてロスをしたにも関わらず前ラウンドの袖スタ松本選手の記録を0.484秒上回る、18L4'09.218、ベストは13秒536をマークし、暫定ポール
ポジションへと浮上。続くヒートでは再びFutaba F-1 Racing同士の争いで、今度は木村選手が自身初の18周に入れてくる好走を披露。木村選手の
マシンは現在チームでテストを重ねているイヤー・レーシングのコンバージョンで、徐々にその性能を引き出している模様。しかしながら、総合では
これまで通り6−7番争いのグループの中で、やや低迷しているかたちです。そして、最後の組へと予選は続き、いよいよタイムも白熱してきます。
袖スタ松本選手は1周目から13秒556の驚異的なタイムで走行し、ほぼ99%13秒台に入れての走行で完璧なアタックを見せました。その結果、
18L4'07.748、ベストは13秒509の大会ベストを出し、見事ポールポジションを獲得しました。ALEX RACING Winnersの上林選手は、このラウンドでは
ややマシンの挙動が乱れ、下位に低迷。代わってRUSH佐藤選手、ZEN橋本選手と遠藤選手が実力を発揮し、揃って自己ベストをマーク。ZEN橋本選手は
総合でも5番手に浮上し、トップ3圏内が見えてきました。F104ZENコンバージョンはここRC STADIUM SODEGAURAサーキットでも好調。ややアンダーステア
傾向にあるのでコントロール性に優れている様に見受けられます。一方、TRG109はチームは違いますが初の予選1,2位を獲得。ALEX RACING Winners上林
選手のシリーズチャンピオン独走を先ずはこの予選で阻む事に見事成功です。
■予選順位■
F-1クラス
1位 | 大村 誠 | 3R16L4'01.607
| 2位 | 高安 理寛 | 2R16L4'02.406
| 3位 | 前田 大介 | 3R16L4'02.497
| 4位 | 森 尚之 | 3R16L4'05.129
| 5位 | 中山 篤史 | 3R16L4'05.325
| 6位 | 菅原 一彰 | 2R16L4'06.770
| 7位 | 鶴間 礼智 | 2R16L4'11.198
| 8位 | 三浦 竜彦 | 3R16L4'12.610
| 9位 | 郡山 裕一 | 3R16L4'14.589
| 10位 | 石橋 佑介 | 3R16L4'16.254
| 11位 | 茂手木 達也 | 2R15L4'01.383
| 12位 | 矢田 大基 | 3R15L4'04.596
| 13位 | 重松 隆一 | 2R15L4'09.328
| 14位 | 稲 滋明 | 3R14L4'04.273
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F-1グランプリクラス
1位 | 松本 恭一(SOD) | 3R18L4'07.748
| 2位 | 石川 衛 (RUS) | 3R18L4'09.218
| 3位 | 上林 博 (ALW) | 1R18L4'10.998
| 4位 | 佐藤 信幸(RUS) | 3R18L4'11.403
| 5位 | 橋本 努 (ZEN) | 3R18L4'12.049
| 6位 | 木村 心哉(FUR) | 3R18L4'12.256
| 7位 | 森田 栄俊(FUR) | 3R17L4'00.119
| 8位 | 遠藤 一樹(ZEN) | 3R17L4'00.292
| 9位 | 大山 誠 (PSF) | 3R17L4'07.112
| 10位 | 鬼頭 正治(ALE) | 3R17L4'07.759
| 11位 | 櫻尾 晋也(SON) | 1R17L4'07.958
| 12位 | 三溝 貴夫(TOP) | 2R17L4'10.640
| 13位 | 加々山 幸憲(ALE) | 3R16L4'06.494
| 14位 | 川地 冠 (SON) | 3R15L4'03.803
| 15位 | 本岡 正法(SOD) | 1R15L4'04.417
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