F1RCGP レースリポート


第7戦 F1RCGP2010 in Iwate
Mizusawa Radicon Circuit 2010年6月20日(日)


天気:曇り時々雨、気温:27℃、湿度:72%、路面温度:26℃

 F1RCGP2010第7戦はシリーズ初の東北ラウンド岩手大会です。梅雨時期とあって気候はどんよりと不安定ではありますが、岩手県奥州市水沢区にある 水沢ラジコンサーキットを舞台に、梅雨空も跳ね飛ばす程の熱いバトルが展開されました。水沢ラジコンサーキットは、水沢ラジコンが運営する、屋内オンロード ハイグリップサーキットです。水沢ラジコンは1978年創業で今年で32年目を迎える歴史あるショップで、当初は同じ水沢区の森下に店舗を構え、1986年に飛行場を オープン。その後2000年に同区車堂に移転、そして2003年現在の佐倉河に新装開店し今に至ります。現在のショップはまだ7年目で、木の香りが漂う新しい雰囲気を残す中、 従業員は岩城ファミリー2世代4名(忠郎さん、代子さん、忠幸さん、智美さん)で営業しています。得意ジャンルはラジコン全般。車等の地上物から、飛行機や ヘリの空物まで幅広く精通しているスタッフが、お客さんに対して優しく丁寧にアドバイスしてくれます。また、サービスの一環としてラジコンでの空撮も行っている様です。 実機空撮よりも遥かに手軽にできるラジコンによる空撮を、一度皆さんも依頼してみては如何でしょうか。
 サーキットの方は、元牛舎だった場所を改築し、ドーム型の屋内オンロードサーキットになっています。コース全長は120m、25mのバックストレートを持ち、 路面は細粒のフラットアスファルト。普段はグリップ剤を使い、1/12やツーリングカーが走り込んでいるサーキットだけに、グリップはF1RCGP史上最強のグリップで、 F-1でもハイサイド(ハンドルを切るとコーナーGで車が横転する事)する場面が多数見受けられます。この素晴らしいグリップ環境の下、他には類を見ない ハイスピードコーナーリングバトルが展開される事でしょう。

 参加人数は、F-1クラス:25名、F-1グランプリクラス:5チーム6名、合計31名です。今回はF-1グランプリクラスの参加人数が若干少ないながらも、 レベルは超ハイレベル。グランプリクラスらしい見る者を魅了する素晴らしいバトルが繰り広げられました。特にシリーズポイントで独走中のALEX RACING Winners上林 選手を追いかけるTeam Bomber加藤選手が、この岩手ラウンドで勝利を収めて後半戦のポイント差を縮めるかに期待が掛かりました。また、今回よりシリーズ初参戦に名乗りを 上げた水沢ラジコンのクラブチームが、グランプリクラスのレギュラードライバーにどう立ち向かうかにも注目です。前に開催されたラジコンマガジン企画のサーキット 破りでは、このクラブチームのドライバーが優勝したとの情報も入っています。チーム監督の岩城氏監修の下、2台態勢で臨む同チームは、作戦面でも有利に働きそうです。 一方、F-1クラスに関しても、レベルはグランプリクラスに負けていません。F-1を愛する多くの粒揃いのメンバーが県内外より集まり、僅差の大バトルが各所で展開され ました。モーターなどのパワーソースを規制する事で、手軽に僅差のハイレベル走行が楽しめるのもF-1の大きな魅力。皆その楽しさを十二分に楽しんでいる様です。

プラクティスDay
 前日の練習走行日の空は薄曇り。しかし、全天候型の屋内サーキットには雨の心配は無用。多くのエントラントが早朝より駆けつけ、練習走行を開始しています。 路面を見て先ず思うのは、表面の光沢です。グリップ剤が表面に付着しており、グリップレベルは常に最高です。遠征組にとっては、先ずそのグリップ力に驚いている 模様。いつものタイヤ径やセッティングでは、マシンはクイックなハンドリングを示し、気を許すと簡単にハイサイドしてしまう状況です。多くの参加者はタイヤ セッターでタイヤ径を落とす事から始めている様です。(注:F1RCGPではタイヤセッターを持っていない選手でもタイヤ径調整をして頂ける様に、タイヤセッター の貸し借りを促しています。タイヤセッター無しでもお気軽にご参加ください。また、その際は大会会長までお気軽にご相談ください。)地元の選手達はこの状況にも非常に 慣れており、一番ハイサイドしやすいストレートエンドのコーナーでも勢い良く駆け抜けていきます。話を伺うと、先ずセオリーとしてはフロントナックルをオフセットタイプに変え、 コーナーリング初期の反応を緩和する、次に車高は2〜3mmに調整して重心をできるだけ下げるのがポイントの様です。また、フロントスプリングを固くして弱アンダー ステアが出るようにするのも手とか。コースサイドでは様々なセット変更の情報交換が行われ、徐々に各選手の走りも安定してきて好タイムが出始めています。
 グランプリクラスではTeam Bomber加藤選手、ZEN橋本選手、TEAM SONIC櫻尾選手、Futaba F-1 Racing木村選手、そして地元の水沢ラジコンの鴨沢選手、青木選手 全員が揃い、9秒前半から中盤のタイムをコンスタントにマーク。中でも好調なのは、やはり水沢ラジコンの鴨沢選手、青木選手、Team Bomber加藤選手の3選手。9秒の 限りなく前半のタイムをマークしており、上位陣では8秒台までも狙っている様子。Team Bomberのマシン、Bomberコンバージョンは皆が手こずるスーパーハイグリップ 路面にかなりマッチしている様で、素晴らしいコーナーリングスピードと加速性能を発揮。コースサイドのギャラリーの視線も釘付け状態で、早くも多くの注目を浴びています。 そして、水沢ラジコンのチームはF103TRGコンバージョンを使用。慣れ親しんだコースレイアウトを限りなくミスの少ない安定した走行で常に走行していたのが印象 的でした。F-1クラスでも地元選手がやはり好調な様子。タイム的には10秒前半の選手が多く、中には9秒台に乗せてくる選手がいる感じです。各選手のタイム差は無く、 明日はいつになく接戦になりそうな予感がします。

大会当日
 大会当日は千葉県や他の遠征組も集まり、朝から大賑わい。最近のF1RCGPには遠征選手が増え、主催者側といたしましても大変嬉しい限りです。 各選手受け付けを行い、コントロールタイヤが支給されると、直ぐにタイヤサンディングが始まりました。昨日の練習で得たベストセットのタイヤ径に すべく、皆真剣な面持ちで径調整を行います。その後、レース前に最後のフリー走行時間が各選手に与えられます。昨日のセットの確認をしたり、今日が 初めての走行の選手もいたり、皆の目的は様々。操縦台は常にほぼ満席状態で、自分の立ち位置を確保するのも一苦労と言った感じです。F-1クラスの 選手では、及川選手、後藤選手が好調を見せ、グランプリクラスの車にも匹敵するコーナーリングスピードで走行を重ねています。F-1グランプリクラス の選手は、各選手まだ様子見の走行が続く中、Team Bomber加藤選手が好調をキープ。優勝に期待が掛かります。一方、JMRCA電動オフロード全日本選手権 優勝経験者のFutaba F-1 Racing木村選手は、マシンのハイサイドを克服できずにやや不調の走行が続きます。レーススタートまでにセットを決めて挽回でき るか心配される所です。練習走行の後は、記念撮影・ドライバーズミーティングが行われ、いよいよF1RCGP2010第7戦、レースがスタートします。

予選1ラウンド目
 F-1クラス予選1ラウンド目、イエロー・ブルー・パープルに綺麗に塗り分けられたカラーの駿河選手が23周を早々とマーク。23L4'02.315、ベスト10秒351で 標準的タイムを記録し、皆の目標タイムになります。ヒートが進み、多くの選手が23周を記録して行きますが、何回かのミスによりタイムロスをしてしまい、23周の 壁がをなかなか越える事ができません。1周10秒前半でタイムを刻めば24周も見えてくる所ですので、ベストタイムだけで見ればチャンスは多くの選手にあります。4ヒート 目にはホワイト・レッドのオートバックスカラー三浦選手が最初の9秒台である、9秒951をマークしますが、23L4'09.277の記録。しかし、ベストタイムが徐々に出 始めた事で「ミスやアクシデントさえなければ」と言う期待が高まりつつありました。そんな中、5ヒート目に蛍光レッドカラーの及川選手がいきなり25周と言う他を 圧倒するタイム、25L4'07.221、ベスト9秒705で暫定ポールポジションを獲得。2位はホワイト・オレンジ・グリーンの広坂正美カラーを模した千葉(昌裕)選手が23L4'00.502、3位は ホワイトのカラーの後藤選手が23L4'00.614で続きます。ちなみにこの時点で23周をマークした選手は、16位のホワイト一色のカラー熊谷選手の23L4'16.689、ベスト 10秒280までになります。
 F-1グランプリクラス予選1ラウンド目。1ヒート目で先ずはZEN橋本選手が25周のタイムをマーク。記録は25L4'03.930、ベスト9秒365。橋本選手のZENコンバー ジョンは基本性能が非常に高く、どの様な状況下でも操縦性に優れる印象です。特に難しいとされるストレートエンドの高速コーナーでも抜群の安定感で走行を しています。しかし、続くヒートでは、Team Bomber、水沢ラジコンのメンバーが更に上を行くタイムで、ZEN橋本記録を更新します。Team Bomber加藤選手は 非常にパワフルな走りで26周をマーク。26L4'05.314、ベスト9秒220で、暫定ポールポジションを獲得。Gスタイルのパワー系で纏められたマシンは、他のマシンを 凌ぐパワーを発揮している模様。続く水沢ラジコンの鴨沢選手もヨコモ系のパワーユニットを武器に、ミス無い走行を重ね、26L4'07.207、ベスト9秒273をマーク。 3位も水沢ラジコンの青木選手が続き、惜しくも26周には届かない25L4'00.044、ベスト9秒364をマーク。この上位3台は走行ラインも無駄が無く、マシンのセットも 大分煮詰まっている様子。3台の差はまだ僅差なので、この後の予選からも激しい争いになる事は間違いないでしょう。

予選2ラウンド目
 F-1クラス予選2ラウンド目、1ラウンド目に25周と言う驚異的タイムを出した注目の蛍光レッドカラーの及川選手は、14周目に痛恨のクラッシュによるタイムロスを して、24周止まりの記録。しかしベストは0.045秒更新し、9秒660をマーク。このラウンドで一番の快走を見せたのは、ホワイト・オレンジ・グリーンで塗り分けられたカラーの 千葉(昌裕)選手。ベテランらしい危な気の無い走行を重ね、24L4'07.813、ベストも9秒台に迫る10秒071をマーク。他にも、ウィリアムズルノー阿部(充芳)選手が自身のタイム を大きく更新し、24L4'08.270、ベスト10秒043と8位から3位にジャンプアップを達成。ここまでで25周は及川選手ただ一人、24周は5位のホワイトカラー後藤選手まで、 23周は17位のブルー・ホワイトカラーのBMW千葉(伸太郎)選手までがマーク。
 F-1グランプリクラス予選2ラウンド目。路面は一段とグリップが上がり、各選手ステアリングワークに苦戦を強いられる中、Team Bomber加藤選手が自身のタイムを 4秒626も更新し、26L4'00.688、ベスト9秒075をマーク。ポールポジション獲得に向けて盤石の展開を見せます。それを追う水沢ラジコンの鴨沢選手は中盤と後半に 若干のクラッシュがあり、タイム更新ならず、それでも26周には入れて26L4'08.984、ベスト9秒189をマーク。まだポールポジション奪取に向けて可能性を残しています。 同チームメイトの青木選手はベストは1ラウンド目と同じ9秒364を出しますが、1周目と中盤でのミスが響きタイム更新ならず。一方、Futaba F-1 Racing木村選手は、出走不能で 遭えなくリタイヤとなります。この水沢ラジコンサーキットはコース幅も狭く、テクニカルなコース。周回遅れのパスもタイムアップの鍵を握ります。しかし、2ラウンド目 を終え、徐々に周りのペースが分かって来たのか、周回遅れ等のクラッシュも少なくなる一方、単独ミスが目立ち始めます。それだけ各選手がアグレッシブにサーキットを 攻めているのでしょう。

予選3ラウンド目
 いよいよ最後の予選となるF-1クラス予選3ラウンド目。この前に空の天候が激変し、屋外では大雨が降っています。サーキットの屋根からは大きな雨音が轟き、屋内の 湿度が急上昇。1〜2ラウンドに比べ路面変化が激しいラウンドになる事が予想されます。先ずは最初のヒートではルノーを駆る矢田選手が攻めの走りで自己ベストを 大きく更新。22周に突入し、22L4'08.567、ベスト10秒391で19位に浮上。トップ3の争いは、及川選手、後藤選手、千葉(昌裕)選手がそれぞれこの3ラウンド目にタイムを更新 し、蛍光レッドカラーの及川選手は25L4'07.151、ベスト9秒680でポールポジションを獲得!2位はホワイトカラーの後藤選手で、25L4'09.608、ベストは及川選手よりも 速い9秒621をマークして5位から2位へジャンプアップ。3位はホワイト・オレンジ・グリーンカラー千葉(昌裕)選手、24L4'07.575、ベスト10秒080。4位は阿部(毅)選手で、ミスのない 走りで大きく順位を上げ、24L4'09.029、ベスト9秒967で14位から4位へジャンプアップ。24周には8位のオレンジ・ホワイトのファイヤーパターンの佐藤(康夫)選手 までが入り、非常にレベルの高い予選ラウンドが最後に繰り広げられました。路面の方も湿度上昇による不安もありましたが、タイムには影響ない様で一安心です。
 F-1グランプリクラス予選3ラウンド目は、ZEN橋本選手が唯一タイムを更新し、25L4'02.904、ベスト9秒393をマーク。同選手はお昼の練習走行では入念に走り込み、ZENのF104 コンバージョンをセットアップしていた成果がここにきて発揮された様です。しかし残念ながら順位は4位で変わらず。その他の選手はこのラウンドで誰もタイム更新ならず。しかし、Team Bomber加藤選手は このラウンドで大会最速ラップの8秒933をマーク!これは1/12レーシングにも匹敵するタイムで、Team Bomber F104コンバージョンの底知れぬパフォーマンスを感じさせられました。 水沢ラジコンの鴨沢選手、青木選手は若干ミスが多かった為、僅かにタイム更新ならず。タイムはそれぞれ26L4'00.762、25L4'01.719。それにしてもベネトンカラーで統一された 同チームのマシンはF1RCGP初挑戦にして大健闘の走りです。この後の決勝ラウンドでもTeam Bomber加藤選手に迫れるように頑張ってもらいたいものです。 Team Bomber加藤選手は第4戦福岡Nexter Circuit大会以来今季2度目のポールポジションで、このパッシングし難い水沢ラジコンサーキットにおいては、フロントローの 貴重なグリッドで、優勝に向けて万全の態勢を確立しています。

■予選順位■
F-1クラス
1位及川 靖志3R25L4'07.151
2位後藤 信也3R25L4'09.608
3位千葉 昌裕3R24L4'07.575
4位阿部 充芳2R24L4'08.270
5位阿部 毅 3R24L4'09.029
6位三浦 浩幸2R24L4'09.417
7位庄司 良弘3R24L4'09.829
8位佐藤 康夫3R24L4'10.304
9位駿河 孝一2R23L4'00.996
10位末吉 正和3R23L4'01.176
11位山本 政和2R23L4'01.929
12位佐々木 悠2R23L4'01.965
13位大村 誠 2R23L4'02.220
14位佐藤 正浩2R23L4'02.458
15位熊谷 勲司2R23L4'06.637
16位伊藤 孝喜1R23L4'08.317
17位千葉 伸太郎1R23L4'10.034
18位山川 敏宏2R22L4'07.315
19位矢田 大基3R22L4'08.567
20位石橋 佑介2R22L4'10.826
21位宮野 政崇1R22L4'11.217
22位岩渕 泉 2R21L4'03.808
23位重松 隆一3R20L4'10.597
24位渡辺 敦 2R19L4'04.549
25位菊池 博文3R 8L1'36.633

F-1グランプリクラス
1位加藤 隆史(BOM)2R26L4'00.688
2位鴨沢 一成(MIZ)1R26L4'07.207
3位青木 智 (MIZ)1R25L4'00.044
4位橋本 努 (ZEN)3R25L4'02.904
5位櫻尾 晋也(SON)1R25L4'07.083
6位木村 心哉(FUR)1R21L3'54.609









決勝に向けて
 外の状況は大雨から小雨に、そして、雲も次第に薄くなり日差しも見えるようになってきました。サーキットの中は徐々に湿度も下がり始めています。 各選手、最後の1回の走行である決勝ラウンドに備え、マシン整備に余念がありません。オフィシャルの方では、選手の総合結果の集計で大忙し。そして、 決勝に備えての撮影機材の準備の方もしなくてはなりません。今回はラジコンマガジンの取材も入り、地元選手にとっても雑誌に載るチャンスが多くある事 でしょう。マシン整備のポイントとしては、モーターメンテ・交換や、デフ等のグリスアップが主な作業の様です。地元選手は手慣れた様子で作業を続け、 あっという間に整備を完了させています。F-1グランプリクラスに参戦のFutaba F-1 Racing木村選手は、今大会未だ完走できず、マシンの整備よりも修理の方が 多い様子。昨年のワールドチャンピオンチームの一員として決勝では更に頑張ってもらいたいところ。TEAM SONIC櫻尾選手は今回千葉県からの遠征の甲斐があり、チームとしても、 自身としても初のAメイン入りを果たし、ポイントをゲットする事に成功。この後の決勝ラウンドでは、そのポイントをいかに高ポイントにするか狙っている模様。 Team Bomber加藤選手は見事ポールポジションを獲得し、余裕の表情を見せていますが、サーキット破りで地元に返り討ちにあった苦い経験もあり、油断はしていない 様に見えます。 ピットではマシン整備もしっかり完了させ、水沢ラジコンの鴨沢選手、青木選手の両名と様子を探り合っています。この後の決勝ラウンド、各選手のマシンも最高の コンディションで、素晴らしいバトルを見せてくれる事間違いなしです。

F−1クラス決勝Cメイン
 F-1クラス決勝Cメイン。このメインでは1番グリッドからスタートのフェラーリ宮野選手が本物のレーサーに扮し登場。会場がどっと盛り上がる中でスタートが 切られました。先ずスタートは1番グリッドからフェラーリ宮野選手、続いて3番グリッドからオートバックスカラーの重松選手がロケットスタートを切り2位に 付けますが、インフィールドに入り直ぐにオーバースピードでコースアウト。代わってホワイト・ブルーで塗り分けられたカラーの岩渕選手が2位に浮上します。 その後、フェラーリ宮野選手のインの隙にすかさず飛び込み、岩渕選手がトップに立ちます。岩渕選手は一時トップを独走状態。2位に半周以上の差を築きます。 しかし、1コーナーでハイサイドにより転倒。マーシャルに助けられる間に、後続に少し差を詰められますが、トップで復帰。その後また徐々に後続を引き離しに掛かる ホワイト・ブルーカラーの岩渕選手。しかし、若干走りに斑が出始め、周回遅れのパス時に大きくクラッシュする場面も出てきました。すると、ストレートエンドで岩渕 選手が痛恨のクラッシュの間、フェラーリ宮野選手が満を持してトップに再浮上!宮野選手はレーシングスーツ、フルフェイスのヘルメットをかぶっているにも関わらず、 11秒台の安定したラップで走行を重ね、見事岩渕選手の猛追も跳ねのけトップゴール!嬉しいCメイン優勝を飾りました。2位には岩渕選手、3位にはオートバックス カラーの重松選手が入賞です。

F−1クラス決勝Bメイン
 F-1クラス決勝Bメイン。スタートは各車素晴らしく綺麗な列を成してのスタートとなります。トップは1番グリッドスタートのイエロー・ホワイトに塗り分けられたカラー 山本選手、2番手はレッドのカラー佐々木選手、3番手はウィリアムズ大村選手と、予選順通りの滑り出し。各車等間隔で隊列を作る中、1コーナーでトップグループが接触。 レッドカラー佐々木選手がトップに抜け出し、2番手は大村選手に変わります。3番手は先ほどまでトップの山本選手、4番手にはレイトンハウスカラーの佐藤選手が付けます。 本当に各車コンマ差の数珠繋ぎでレースは進行。ワンミスが命取りの緊迫した距離感です。その後、ウィリアムズ大村選手が、インフィールののラップ処理に手こずる佐々木選手 の隙を上手く交わし、トップへ浮上。しかしまたトップ走行の大村選手は同じように周回遅れのパスタイミングの隙を、レッドカラー佐々木選手にパスされ、佐々木選手が再びトップへ。このトップ2台 の争いは暫く続きますが、1コーナー手前で佐々木選手がミス。ウィリアムズ大村選手がトップへ返り咲きます。大村選手は前をよく見た落ち着いた走りで、冷静に周回遅れを パス。リードを保ち徐々に2位との差を広げに掛かります。そして、そのまま最後まで2位との差を4秒程に保ち、リードを守り抜いたウィリアムズ大村選手がBメイン トップでチェッカーを受けました。2位はレッドカラーの佐々木選手、3位はイエロー・ホワイトカラーの山本選手でした。後方では、5位に7番グリッドからスタートのBMW 千葉(伸太郎)選手がジャンプアップを果たします。

■決勝順位■
F-1クラスCメイン
1位宮野 政崇41L8'06.539
2位岩渕 泉 40L8'02.510
3位重松 隆一39L8'09.462
4位菊池 博文34L8'07.339
5位渡辺 敦 30L7'18.069

F-1クラスBメイン
1位大村 誠 44L8'01.748
2位佐々木 悠44L8'05.533
3位山本 政和44L8'09.015
4位佐藤 正浩43L8'04.569
5位千葉 伸太郎42L8'00.250
6位伊藤 孝喜42L8'06.130
7位熊谷 勲司41L8'02.330
8位山川 敏宏39L8'09.474
9位矢田 大基38L8'02.915
10位石橋 佑介 6L2'46.513

F-1クラスAメイン
 F-1クラス決勝Aメイン。スタートは決勝Aメインらしく、スピード感ある綺麗なスタート。後続でややクラッシュがあったものの、トップ集団には 影響なく、1位は蛍光レッドカラーの及川選手、2位はホワイトカラーの後藤選手、3位はホワイト・オレンジ・グリーンカラーの千葉(昌裕)選手と予選通りの順で 走行して行きます。やがてトップ争いは及川選手、後藤選手がコンマ差の接近戦へ。3位争いは若干間隔を開けて千葉選手とウィリアムズカラーの阿部(充芳)選手の 争いになります。トップを走る蛍光レッドカラーの及川選手のマシンは非常に滑らかなラインで走行。車のセットもドライビングテクニックもかなり決まっている 感じです。しかし、インフィールドで大きく転倒している周回遅れを交わすのにラインを乱し、操縦台下へクラッシュ!ここでホワイトカラー後藤選手が トップへ浮上!2位は直ぐ後ろにクラッシュから復帰した及川選手と続きます。トップ走行の後藤選手は、2位の及川選手の激しいチャージを巧みなブロックラインで カバー。やがてこの2台の攻防は激しさを増して行きます。蛍光レッドカラー及川選手はコーナーの入り口毎に後藤選手のインにノーズを滑り込ませようとし、後藤選手は それをさせじと左右に揺さぶり、更には周回遅れとも交錯し、非常に際どいラインの走行が続きます。残り時間4分で、まだトップの攻防は続きます。 3位を走る千葉選手が周回遅れになる中、まだトップ争いのハイペースの攻防は続いています。それにしてもトップ走行中のホワイトカラー後藤選手は及川選手の 猛烈プッシュのプレッシャーを良く抑えています。そして、残り30秒、6分近く続く接近戦のバトルの末、ついに及川選手が後藤選手のリアにヒットしてしまい、 及川選手がクラッシュ!ここで勝負ありで、後藤選手がこの長いバトルを征し、F−1クラスAメイン優勝を飾りました。 2位は終始フェアなバトルをしてくれた及川選手。主催者側としても本当にありがとうと、お疲れさまと言いたくなる素晴らしいレースでした。3位はホワイト・オレンジ・ グリーンカラー千葉(昌裕)選手で、4位のオレンジのファイヤーパターン佐藤選手の追撃を振り切っての入賞です。

F-1グランプリクラスAメイン
 F-1グランプリクラス決勝Aメイン。スタート前のオープニングファンファーレの後、いよいよレースがスタート。流石グランプリクラスのAメインのスタートでは、 17.5Tモーターのハイパワーな駆動にも全くフラ付く事無く、見事なまでに綺麗な1線を描いています。トップはTeam Bomber加藤選手、カラーはオレンジ・ブルー・ ホワイトを基調にしたBomberカラー。 2位は水沢ラジコンの鴨沢選手、3位も水沢ラジコンの青木選手と続きます。水沢ラジコンのカラーはベネトンカラーを基調にしており、大変目立つカラーリング。 2位の鴨沢選手はマシンのクイックなハンドリングを利用して、一時は加藤選手の直ぐ後ろをぴたりとマークし続けましたが、徐々にその差は開いて行きます。 この時点のベストラップはトップTeam Bomber加藤選手が9秒183、2位の鴨沢選手が9秒280。僅か0.1秒しかベストで違わない大接戦。先にややミスが目立ち始めた 鴨沢選手は、単独2位の走行になり、3位の青木選手が徐々に差を詰めてきます。ここでFutaba F-1 Racing木村選手がマシンを破損させ残念ながらリタイヤ。 トップの加藤選手は相変わらずの速いペースを保ちながら、周回遅れを次々とパス。加藤選手のTeam BomberコンバージョンのF104は、とても滑らかなフットワーク で走行。他車はややクイックな反応を示すのに比べ、Team Bomberのマシンは、このスーパーハイグリップ路面の水沢ラジコンサーキットでは操縦性に優れた素晴らしい 特性がある様に感じます。そして、その後もTeam Bomber加藤選手は一度も首位の座を明け渡す事無く、2位に大差を付け優勝を果たしました!これで2010年シーズン ポイントランキングでは、トップのALEX RACING Winners上林選手との差を15ポイントまで詰め、残る後半3戦のドライバーズ・ワールドチャンピオン争いは益々 分からなくなりました。2位、3位は水沢ラジコンの鴨沢選手、青木選手が入り、同チームは揃って35ポイントの高得点をマーク。一気に初出場チームがコンストラクターズ 争い6位の座に躍り出ます。 シーズンポイント争いはどんどん激化し、非常に見応えのある内容になってきています。是非今後もこの争いに注目です!

■決勝順位■
F-1クラスAメイン
1位後藤 信也47L8'06.512
2位及川 靖志46L8'01.604
3位千葉 昌裕45L8'03.162
4位佐藤 康夫45L8'04.289
5位三浦 浩幸45L8'05.521
6位阿部 充芳45L8'05.655
7位庄司 良弘45L8'07.904
8位阿部 毅 44L8'10.294
9位末吉 正和42L8'12.017
10位駿河 孝一31L5'44.282

F-1グランプリクラスAメイン
1位加藤 隆史(BOM)51L8'07.424
2位鴨沢 一成(MIZ)49L8'08.068
3位青木 智 (MIZ)49L8'08.280
4位橋本 努 (ZEN)48L8'01.690
5位櫻尾 晋也(SON)45L8'08.940
6位木村 心哉(FUR) 8L1'43.802




ポディウム表彰・シャンパンファイト
 全ての決勝レースを終え、最後にポディウム表彰(トップ3表彰)が行われます。今回のレースは全般的にレベルも高く、僅差で非常に見応えの あるレースになりました。F-1クラスでは6分以上に及ぶバトルを征した、ホワイトカラーの後藤選手、F-1グランプリクラスは終始トップをリードした Team Bomber加藤選手に優勝トロフィーが贈られました。そして最後に各クラス2位、3位の選手も含めて6名によるシャンパンファイト。最後のファイトの 犠牲者はやはり、F-1クラスで素晴らしい走行を見せてくれた後藤選手。服がシャンパンでびしょ濡れになりつつ、皆から大きな拍手が贈られました。また、 F-1グランプリクラスで2,3位フィニッシュの水沢ラジコンのメンバーにも大きな拍手が贈られました。

ベストルッキングカー賞
 ベストルッキングカー賞には、今回初めてオレンジのファイヤーパターンのオリジナルカラー、佐藤(康夫)選手に決定しました。ボディーは ZEN L79タイプを使用し、オールド感を演出。カラーリングはオレンジをベースに、 レッド、ブルーのアクセントで丁寧に塗り分けられていました。デカールのJPSとの違和感も無く、とても美しい仕上がりに皆感動していました。

全体表彰・抽選会
 最後は全体表彰式です。参加者全員に名刺大の表彰カードを配り、レースの健闘が称えられました。その後、 軽食を囲みながら、大抽選会へと進んでいきます。 今回も協賛メーカーより多くの景品をご提供頂きました。本当に有り難い想いで参加選手にそれらを配り、 貰った皆さんも満足げな表情を浮かべています。その後、閉会式では大会各委員長の挨拶、水沢ラジコンオーナーである 岩城氏より好評を頂き、無事閉幕となりました。本当に今回は東北地区で開催が出来た事を、F1RCGPスタッフ一同有難く思います。

F1RCGP大会主要機材データ
 F1RCGP第7戦の大会主要機材データになります。マシン、プロポ、アンプ、F-1グランプリクラスモーター、バッテリーシェアと、参加選手県名、 年齢、男女構成比です。 次回参加される方、遠征される方等は是非参考になさってください。 次回F1RCGP2010 Round8は、8月29日(日)福岡大会 (F−1ホームサーキット)です。去年の最終戦も行った施設も充実した素晴らしいサーキットです。 皆様のお越しを心よりお待ちしております。

カーシェア
プロポシェア
アンプシェア
モーターシェア
バッテリーシェア
参加選手県名
年齢層
男女比

謝辞
 今回参加された選手の皆様、サーキットをお貸し頂いた水沢ラジコンサーキット岩城様、運営をお手伝い頂いた水沢ラジコンクラブ常連様の末吉様を はじめとする各委員長及び副委員長のスタッフの皆様、抽選会のプレゼンターをして頂いた、山川氏の奥様、本当にありがとうございました。そして、 遠征組の皆様及びラジコンマガジン取材陣の皆様、遠路遥々駆けつけて下さりありがとうございました。 F1RCGP2010シリーズは残る3戦となり、最終戦は海外戦も予定しております。最後まで皆様に楽しんでもらえるような運営に努めて行く所存ですので、 今後ともご支援ご協力賜りますよう宜しくお願い致します。