天気:晴れ(屋内)、気温:38℃、湿度:65%、路面温度:35℃
F1RCGP2010第8戦は、福岡県遠賀郡にあるF-1 HOME Circuitで行われました。このF-1 HOME Circuitでの開催は、去年の
F1RCGP2009最終戦以来になり、今回は夏の開催という事で気温や湿度が大分違う環境で行われました。しかも、今年の夏は各地で
猛暑を通り過ぎ、酷暑とも言うべき暑さ。昨年の冬の大会とはマシンセッティングなどに多く変更を加えてくる選手も多く見受け
られました。
F-1 HOME Circuitは、1998年オープンの福岡県内でも最大級の大きさを誇る屋内サーキットの1つです。サーキットショップも
併設され、電動オンロードカー中心の充実した品揃えになっています。ショップの壁にはこれまで来場した多くのエキスパートド
ライバーのボディーが展示してあります。昔から多くのTOPドライバーがここを訪れ、数々の名バトルが展開された事を物語っていま
す。
ショップオーナーは森武利、森利昭のご兄弟で、多くのRC経験を活かし、初心者からエキスパートまで適切なアドバイスが常に受
けられる状態になっています。近年始めた2面あるドリフトカーコースは、オンロードコースに隣接する方が先日リニューアルオ
ープンしたばかり。道路標示やセンターラインも加わり、よりリアリティーのあるシチュエーションでドリフト走行が楽しめる様
になっています。今回F1RCGPのコースは、屋内の一番広い敷地に常設されているアスファルト舗装のオンロードサーキット。コース
1周180m、40mのバックストレートを有し、インフィールドセッションは中速の複合コーナーも設けられており、1/10F-1ラジコンの
走行には丁度良いレイアウト・サイズになっています。ピットエリアは冷暖房も完備され、コース内は暑くてもピットは快適に過
ごせるので、この大会ウィークも含め、いつも多くのラジコンファンで賑わいを見せています。
参加人数は、F-1クラス:20名、F-1グランプリクラス:10チーム14名、合計34名です。昨年に比べ両クラス共に参加人数が増え、
益々盛り上がりを見せる中、グランプリクラスではポイント争いも白熱してきています。現在ドライバーズポイントランキングトッ
プのALEX RACING Winnersの上林選手と、ランキング2位のTeam Bomber加藤選手とのポイント争いが接近し、110pと95pでその差僅か
に15pとなっています。優勝回数は両者同じ。この第8戦は正にランキングトップ交代が起こる可能性がある大変注目すべきレースに
なるでしょう。3位争いはZEN橋本選手、BIG+3 Racing川野選手で、58pと43pでこちらも15p差になっています。コンストラクターズ
タイトル争いは、トップがALEX RACING Winners 137p、2位がTeam Bomber 107p、3位がZEN 72p、4位がFutaba F-1 Racing 45pとなり
上位陣約30p間隔で連なります。
一方、F-1クラスは福岡県を内外よりF-1好きな多くのドライバーが集まり、こちらも目の離せないドライバーが揃っています。九州
地区はF-1人気も熱く、F1RCGPの常連さんも多くいます。F-1クラスのカラーリングにも気持ちの入った物も多く見受けられ、本当に
F-1と言うジャンルを楽しんでいる雰囲気が伝わります。皆暑い中、楽しそうにセットに励み、少しでもタイムアップをしようと意気揚々
としています。主催者側としても、皆の気持ちに応えるべく、レースをより良いものにして行くようにしなくてはならないとプレッシャーを
感じる程でした。
プラクティスDay
前回のナイトレース開催とは違い、今大会は前日から多くの練習走行時間がありました。各選手暑い中、路面のグリップを観察しながら
多くのテストメニューをこなしている様です。先ずグランプリクラスでは予想通りALEX RACING Winners上林選手と、Team Bomber加藤選手
が同じペースで周回を重ねています。また、それに続くのが、Team Tech F-1の蟻塚選手。今回は同僚の田村選手は欠席の為、一人でのセット
アップとなりましたが、思いの他セットは順調に進み、安定感抜群の走行で上位を脅かすほどのタイムを出している模様。その他、暑さ対策
の新デバイスを持ち込んで皆を驚かせたのは、Prochemiの日比野選手。ブラシレスモーターの表面に取り付ける温度センサーを用い、点滅回数
が増えて点灯になるに連れてモーター温度が危険な領域に入ったと分かるリアテールランプで武装し、プラクティスの時からモーターを労わりながら
の走行を続けています。何せこの35度を超える気温域になると、いくら17.5Tのブラシレスモーターと言えどもオーバーヒートで壊してしまう
可能性も有るのです。グランプリクラスは本物のF−1同様に最先端の物で競う真のレースになりつつあります。その他、地元F-1 HOME CIRCUIT、ばかうけ
レーシング・ゴージャス、NEXTER、PRO2.stn、TEAM−48も好調をキープ。遠征組では、四国のトップチームであるBIG+3 Racing
川野選手が鋭い走りを披露しています。
F−1クラスのメンバーでは、久々にラジコン復帰を果たした青野選手が参戦。往年の安定感ある走りは健在で、今大会の復帰戦も注目の
選手の1人に名を連ねます。一方、F−1クラスで好タイムを出しているのは、九州地区のF−1マイスターとも言うべき2選手で、森下選手
と酒井選手。ちなみにF−1クラスで歴代2勝目を挙げているのは、高安理寛選手ただ一人で、今回森下選手はその記録に並ぶべく気合が入っている
模様。酒井選手は言わずと知れたエキスパートドライバーで、こちらも好タイムを連発しF−1グランプリクラスに近いタイムを540で叩き出す実力も
備えています。何れにしても、F−1クラスは限られたパワーソースの下で抜きに出たアドバンテージを確立するには、マシンのコーナーリングの速さや
効率が重視され、合わせて繊細なドライビングも要求されます。何度チャレンジしても奥の深さや魅力に引き込まれるユーザーが多い様です。
大会当日
大会当日も天気は晴れて暑い日が続いています。朝から大会委員長や各スタッフは汗を拭きながら運営にあたっています。同時に参加者も
冷房の効いたピットの外に出れば暑いレーストラックで戦わなければなりません。どちらも体力勝負の消耗戦になりそうです。ドライバーズミーティングでは
大会競技委員長から、熱中症にならないようにとの注意も喚起され、いよいよレースが開幕になります。
予選1ラウンド目
F-1クラス予選1ラウンド目、1ヒート目にシルバーにライトブルーのラインの入ったカラーリングの鞘脇選手が2位以下を突き放し、
19L4'09.830、ベスト12秒730と言う好タイムからスタートします。このタイムは去年の最終戦の2番手のタイム。このタイムをこの暑さの
中いきなり出すと言う事は、本大会でこの後も好タイムが続出する事を物語っています。続くヒートでは、ホワイトを基調にブルー・グリーン・イエロー
のラインで塗り分けられたカラーの酒井選手が並外れた集中力と持ち前のドライビングテクニックで、森下選手とのバトルを勝ち抜き、19L4'02.940、
ベスト12秒540で暫定トップタイムをマーク。森下選手は1.64秒差で19L4'04.580、ベスト12秒590で2番手。続くヒートでは、ホワイトカラーに
Futabaロゴシールが入ったカラーリングの高田(昌幸)選手がベテランらしい危なげのない走りで、3番手タイムの19L4'06.020、ベスト12秒670をマーク。
この時のマルボロマクラーレンカラー平松選手との激しいデッドヒートが行われ、0.73秒差で4位に甘んじた平松選手にも場内から温かい拍手が贈られていました。
F-1グランプリクラス予選1ラウンド目、早くも予選から同じヒートに組み分けされたALEX RACING Winners上林選手、Team Bomber加藤選手は、予選1ヒート目
から火花バチバチの状態です。スタートして出だしの3周付近のタイヤが温まるまでの走行ではTeam Bomber加藤選手がALEX RACING Winners上林選手を
引き離し、トップに浮上。その後、上林選手もペースアップしますが、序盤の遅れを取り戻すまでには至らず、その順位差はそのままの状態。暫定トップ
ゴールはTeam Bomber加藤選手で20L4'02.580、ベスト11秒900、2位はALEX RACING Winners上林選手、20L4'04.840、ベスト11秒940で非常に僅差で後方に
つけます。上林選手はホワイト・レッドで塗り分けられたアレックスカラー。序盤のアンダーステアを克服すれば、タイムアップも期待大です。この大会には
NEWアイテムであるフロントナックルが間に合わず、少々マシンの煮詰めも中途半端では有りますが、チャンピオンの走りは素晴らしいものがあります。3位は
地元F-1 HOME CIRCUITの超エキスパートドライバー吉牟田選手、20L4'06.290、ベスト11秒990でまだまだタイムは伸びるでしょう。このラウンド20周をマークしたのは
BIG+3 Racing川野選手、20L4'11.400までとなります。川野選手は後半ややスピードダウンする傾向になるので、ギヤ比等を見直せば次ラウンドで大きくタイムを
伸ばせると思われます。
予選2ラウンド目
予選2ラウンド目、先ずはマルボロ・マクラーレンカラーの本川選手が、前ヒートより1周UPの記録、18L4'03.450、ベスト13秒010で好タイム
をマーク。本川選手のマシンは、ターボ時代の平たく低いボディーラインなので、見ていても非常に美しく、サーキットに映えます。続くヒートでは、
ブラック・レッド・イエローに塗り分けられた川島選手がラップを19周に入れてきて、19L4'06.300、ベストも12秒中盤まで押し上げ、12秒580。路面も
徐々に上がってきて、コンディションも非常に安定してきています。この2ラウンド目に自己ベストを出す選手が増えそうな予感がします。そして、
最終ヒートでは、ホワイトにブルー・グリーン・イエローラインで塗り分けられた酒井選手が素晴らしい記録を樹立。何と同クラス唯一の20周に入れ、20L4'09.960、ベスト
12秒360で暫定ポールポジションタイムをマークします。酒井選手のマシンはTRG109。インフィールドのターンでは小気味よく良く鋭い立ち上がりを
見せているのが印象的です。一方、2位争いは接戦で、ロスマンズ・ウィリアムズカラー森下選手19L4'02.090、ホワイトカラー高田(昌幸)選手
19L4'02.650で、僅か0.56秒差。若手の森下選手の勢いのある走りが、僅差で高田選手を交わす格好となりました。
F-1グランプリクラス予選2ラウンド目、1ラウンド目で3周でリタイヤとなったPRO2.stn堀田選手がここでは一気にジャンプアップ20L4'11.790、ベスト
12秒150で、総合7番手に。Team Bomber河本選手は、前ラウンドよりもグリップ感のあるマシンの挙動にタイムアップが期待され、自己ベストは更新
しましたが、19周止まりの19L4'00.800、ベスト12秒440で、総合8番手。続く最終ヒートでは、Team Bomber加藤選手が他車を寄せ付けぬ快走を披露し、
20L4'02.200、ベスト11秒860で暫定トップを守ります。Team Bomber F104コンバージョンはシーズン後半戦に来て、素晴らしいコーナリングスピード
を発揮。セットアップもかなり進んでいるので、この勢いはなかなか止まりそうもありません。特にフラット路面のサーキットでは無敵の戦闘力では
ないでしょうか。2番手はALEX RACING Winnersの上林選手、20L4'04.080、ベスト11秒910。3番手はBIG+3 Racing川野選手、20L4'05.090、ベスト11秒990。
ここまででベストラップNo1を出しているのは、地元F-1 HOME CIRCUITの吉牟田選手で、11秒850。現在総合4番手ですので、今後の躍進に期待が掛かります。
予選3ラウンド目
F-1クラス予選3ラウンド目、この最終ラウンドが泣いても笑っても最後の予選ラウンドとなりますので、各選手気合いの入った走りが見れる事でしょう。
先ずF−1クラスでは、トヨタカラーの郡山選手が終始安定した走行を見せ、自己ベストとなる18L4'06.350のヒートトップゴールを果たします。続くヒートでは、
ピンクカラーにホワイトのウィングが鮮やかな、廣田選手も自己ベストとなる19L4'05.980でヒートトップゴール。気温もピーク時よりは若干下がり、ドライバー
のコンディションも良くなっているのか、各ヒートタイムを更新する選手が多いです。注目の最終ヒートは、ホワイトにブルー・グリーン・イエローラインで塗り分
けられた酒井選手、ロスマンズ・ウィリアムズカラー森田選手の猛烈なトップ争いが展開されました。レース中盤まではほぼ互角の争いでしたが、10周目に
酒井選手が周回遅れの処理でタイムロスを期し、森下選手がリードを保ち、そのままトップゴール。森下選手のタイムは20L4'12.410、ベスト12秒370で、2ラウンド目に
酒井選手が出したタイムには2秒450及ばず、総合2番手のタイム。ポールポジションは酒井選手が獲得しました。中盤では、シルバーにライトブルーのラインのカラー鞘脇選手が
総合5位にジャンプアップ。ちなみにこのラウンドの1周ベストタイムは、酒井選手、森下選手共に12秒370の同タイム。決勝ラウンドでは更に熱いバトルが繰り広げられる事でしょう。
F-1グランプリクラス予選3ラウンド目、Team Bomber河本選手が毎ラウンドタイム更新を果たし、ついに20周に突入!20L4'09.610、ベスト12秒320で、総合7番手のタイム。
ハチイチバギーの超スペシャリストのテクニックがこのF-1でも冴えわたって来ています。Team Bomberはマシンも優れていますが、チームワークも素晴らしいものがあります。
このままコンストラクターズタイトルも奪取しそうな勢いを感じさせられます。また、マクラーレンカラーのPRO2.stn小林選手、グリーンのカラーProchemi日比野選手も
このラウンドでタイムを大きく伸ばし、Aメインに滑り込みます。一方トップ争いは、Team Bomber加藤選手、ALEX RACING Winners上林選手の激しいバトルが展開。加藤選手は
前半から11秒台にのせる勢いで快走しますが、上林選手はペースが上がるまで3ラップ程掛かってしまいます。その差が最後まで響き、トップゴールを果たした加藤選手は
ポールポジションタイムとなる20L4'01.040、ベスト11秒880をマークし益々勢いが増してきている様子。このラウンド2位ゴールのNEXTER松永選手は、ここF-1 HOME CIRCUITを
知り尽くしたエキスパートドライバーらしく、上手く左セクションのコーナーリングを纏め、20L4'06.090、ベスト11秒980で総合5番手に浮上。このラウンド1周のベストを
叩き出したのは、Team Tech F-1蟻塚選手、11秒870をマーク。テックのF125は熟成も更に進み、素晴らしいコーナーリング性能を見せています。続く決勝でいかにトップ争いに
食い込めるか注目して見て行きましょう。
■予選順位■
F-1クラス
1位 | 酒井 国和 | 2R20L4'09.960
| 2位 | 森下 龍平 | 3R20L4'12.410
| 3位 | 高田 昌幸 | 2R19L4'02.650
| 4位 | 佐藤 正晴 | 2R19L4'03.900
| 5位 | 鞘脇 裕司 | 3R19L4'04.500
| 6位 | 廣田 郷史 | 3R19L4'05.980
| 7位 | 川島 健吾 | 2R19L4'06.300
| 8位 | 平松 友佳 | 1R19L4'06.750
| 9位 | 中川 忠洋 | 3R19L4'07.430
| 10位 | 岩田 知之 | 3R19L4'09.900
| 11位 | 本川 晋太郎 | 3R19L4'11.830
| 12位 | 高田 誠 | 3R19L4'12.000
| 13位 | 春日 空 | 3R19L4'12.010
| 14位 | 待鳥 勝浩 | 2R19L4'12.120
| 15位 | 荒牧 敦 | 2R18L4'04.990
| 16位 | 白川 勉 | 2R18L4'06.200
| 17位 | 郡山 裕一 | 3R18L4'06.350
| 18位 | 青野 恭二 | 1R18L4'06.430
| 19位 | 福川 光一郎 | 3R18L4'08.740
| 20位 | 朝日 湊 | 1R18L4'12.620
|
|
|
|
|
F-1グランプリクラス
1位 | 加藤 隆史(BOM) | 3R20L4'01.040
| 2位 | 上林 博 (ALW) | 2R20L4'04.080
| 3位 | 川野 貴義(BI3) | 2R20L4'05.090
| 4位 | 吉牟田 博之(FHC) | 2R20L4'05.160
| 5位 | 松永 幸治(NEX) | 3R20L4'06.090
| 6位 | 蟻塚 伸也(TTF) | 2R20L4'06.840
| 7位 | 河本 篤史(BOM) | 3R20L4'09.610
| 8位 | 小林 大雄(PR2) | 3R20L4'10.120
| 9位 | 堀田 幹雄(PR2) | 2R20L4'11.790
| 10位 | 日比野 達也(PRC) | 3R19L4'00.220
| 11位 | 山口 顕太郎(NEX) | 3R19L4'01.790
| 12位 | 下鍋 順一(T48) | 3R19L4'02.870
| 13位 | 松原 浩光(BRG) | 2R19L4'09.800
| 14位 | 大島 浩二(BRG) | 3R18L4'06.170
|
|