F1RCGP レースリポート


F1RCGP2010 in Tokyo
Toyota Technical College Tokyo 2010年10月31日(日)


天気:曇り時々雨、気温:19℃、湿度:80%、路面温度:16℃

 F1RCGP2010第9戦の舞台は、トヨタ東京自動車大学校・学園祭内で行われました。初の東京ラウンドに加え、初の特設会場と言うかつて無い 試みで行われた本ラウンドは、事前の台風直撃の予報を覆す程に熱気溢れる大会となりました。
 会場となるトヨタ東京自動車大学校は、整備士のプロを養成する専門学校です。大学校と言う名称は、4年間の一貫教育が出来るコースを設けた 専門学校に付けられるもので、「技術を磨け、そして人間性も」を教育スローガンに掲げ、最高の技術と、人としての尊敬の念やチームワーク等の 社会性を育める素晴らしい教育の場になっています。毎年多くの卒業生は、トヨタ系を中心とした企業のサービスエンジニアとして全国に巣立って 行きます。そして、そこで一流の技術を培い、世の中にある自動車の安全性が保たれていると言っても過言ではないでしょう。
 学校は1級自動車科、自動車整備科、1級専攻科、研究科の4つに分かれ、国家受検資格をはじめ、様々な資格取得が可能です。学園生活では、 クラブ活動、寮生活も体験できます。また、年間イベントも盛りだくさんなので、学校内外問わず多くの人の交流が生まれます。今回は、そのビッグ イベントの1つでもある学園際にて、学園内のラジコン部やその他関係者の皆さんにご協力を頂き、この様な機会を頂けた事は誠に喜ばしい事と、 先ず心より感謝したいと思います。
 シーズンはクライマックスに入り、F-1グランプリクラスのドライバーズポイント争いは熾烈を極めています。ポイントリーダーはTeam Bomber加藤選手、そして ランキング2位はALEX RACING Winnersの上林選手です。どちらも2010年シリーズ前半から各地で数々のバトルを繰り返してきたエキスパートドライバー であり、この東京ラウンドで勝負が決まるかどうか非常に注目を浴びている状態です。また、3位のランキング争いも注目で、ZEN橋本選手、BIG+3 Racing川野 選手が僅差のポイントで争っています。コンストラクターズの方は、ALEX RACING Winnersが優勢で、Team Bomberが追いかける展開。こちらもTeam Bomberの 逆転の可能性があるかどうか、皆から大注目されています。
 F-1クラスの方は、都内近県はもとより、遠方からの参加も多数あり、東京大会ならではの盛り上がりを見せました。地元のコースのエキスパート ドライバーや、1/8GPレーシングカードライバーまで、ドライバースキルもバリエーション豊かで、観戦するにしても非常に見所満載です。しかも、 コンディションは特設、イコール状態ですのでテクニックを競うのにはもってこいの場であると同時に、今回の様に目まぐるしく変わる天候に 運も左右する面白みもプラスされ、目が離せない展開です。学園祭に訪れた一般観戦者も多く集まり(校長先生まで見に駆けつけてくれました)、雰囲気は一気に盛り上がりを見せました。
 当日の参加人数は、F-1クラス:18名、F-1グランプリクラス:18名(13チーム)、合計36名のエントリー。天候が心配されながらも 当日は多くの参加者にお集まり頂けた事を嬉しく思います。コース特設で木枠のフェンス、マーカーにより学内の先生や学生が用意してくれたオリジナルの 物です。所々台風の影響で吹き込んできた砂や泥がある若干ダスティーな中粒アスファルト舗装になりますので、このコースを攻略するにはコンディションを 読む力も試されると思われます。バックストレートは広く、インフィールドは若干狭くと、メリハリの効いたレイアウトです。このコースで、F−1東京 ナンバーワンを競う事となります。

会場作り・大会当日
 通常であれば前日のプラクティスDayから始まるF1RCGPのイベントですが、今回は様子が違います。前日の練習走行日は当初より予定していなかった ものの、設営や機材準備は現場で行う予定になっていました。しかし、前日は非常に激しい雨風を伴う台風に見舞われ、手つかず状態。そこで、大会 当日には参加者や学校のスタッフが運営委員と一緒になってコース作り、バナー貼り、操縦台・テント・テーブル設営にご協力して頂きました。また、当日は Yokomo、TRG、ZENのイベントブースも設営され、Yokomoではドリフトのデモ走行を披露してくれています。
 設営も完了し、受け付け、練習走行が始まりました。まだコースは濡れており、路面の上には薄ら砂・泥もある中の超低ミュー路面です。 最初にコースインしたTEAM SONIC櫻尾選手は、この路面と格闘しながらも、コースアウトを余儀なくされ、マシンダメージがあった模様。その後、次々と 各選手がコースインし、数分後にはライン上は若干ではありますが路面もクリーンな状態になり、グリップが上がってきました。しかし、F−1クラスの パワーでは丁度良いのですが、グランプリクラスのブラシレス17.5Tのパワーではマシンの挙動もまだまだピーキーな様子。慎重なコースの攻めが必要とされます。 スロットルを握り込めないと言うフラストレーションを抱えながらも、グランプリクラスのポイントをリードするTeam Bomber加藤選手、ALEX RACING Winners上林 選手は卓越した操縦テクニックで、マシンの不安定な挙動を抑え込んでいます。周りの他の選手、ギャラリー達は練習走行中から彼らの走りに注目し、セッティングの 方向性を参考にしていた模様でした。この時点の路面コンディションは、ハーフウェット。ゴムタイヤを装着する選手、コントロールスポンジタイヤを装着する選手の 割合はほぼ半分です。一応この先の天候は雨が降らない事を予想し、タイヤのマーキングと支給を進め、運営委員の機材チェックも整いレースへ向けての準備が完了しました。

 開会式の頃の空は曇り空、雲はまだ厚い層に覆われている感がありますが、路面はドライになりつつあり回復基調と言う事で、森競技委員長のドライ宣言から始まります。 予選のレース方式は4分間のスタッガー方式と変わりませんが、天候が不安定と言う事でポイント方式を採用。3ラウンド中のベスト2ラウンドを採用するたかちとなります。 また、今回は学園祭の関係で16時30分には完全撤収しなければなりません。スムーズなレース進行への協力を皆さんにお願いしました。その後、ベストルッキングカー 賞の選定、レースマナー等の諸注意がなされ、いよいよレースがスタートします。この特設で天候も読みにくい状況の中、各選手どんな走りをしてくれるのでしょうか。 期待と不安を胸に、東京大会は開幕します。

予選1ラウンド目
 F-1クラス予選1ラウンド目、ドライ宣言中と言う事で、皆コントロールドスポンジタイヤでの走行です。先ず1ヒート目でトップを走行したのは、 オレンジ・ホワイトカラーのF-1マシンを駆る古川選手です。まだウェット部分が残る滑りやすい路面にも関わらず、エンジンカーで培った巧みなスロットルワークで 走行を重ね、14L4'16.266、ベスト17秒397の素晴らしい記録をマーク。これはこのラウンドの唯一の14周となります。13周をマークしたのは8名、安選手が13L4'03.504、ベスト 17秒093で2番手タイム。予選中盤にウェットエリアにマシンをスライドさせタイムを落としましたが、トップを狙えるペースで走行していました。その後方は、ホワイト・ レッドラインでカラーリングされたマシン、江田選手が13L4'05.176、ベスト18秒312、フェラーリカラーの伊藤選手、パープル・グリーンで塗り分けられた矢田選手、ピンク・ ブルー・ホワイトカラー石川選手等が続きます。石川選手は去年の千葉・ピットイン大会以来、久しぶりの参戦となります。まだペース配分が掴めていない選手が多いのか、 タイムのばらつきが多い模様。
 F-1グランプリクラス、予選1ラウンド目。こちらも1ヒート目からRUSH石川選手が好タイムをマーク。TRG109を駆る石川選手は、鋭いコーナーリング で後続車を引き離し15周に入れ、15L4'12.685、ベスト16秒084をマーク。15周に入ったのは石川選手を含め、3選手。2位タイムはTeam Bomber加藤選手15L4'16.578、 ベスト16秒130、3位タイムはZEN橋本選手15L4'16.953、ベスト16秒567になります。その後方、4位、5位はTeam Tech F-1の石谷選手、蟻塚選手。TechのF125は路面グリップが 不安定な状況下でも、安定した走行をしていたのが好結果に繋がっている模様。一方、上位に来ると思われていたALEX RACING Winners上林選手は、ヒート直前に祟られた 雨のせいで大幅にタイムを落とし、14L4'16.254、ベスト17秒533で6位の記録。しかし、雨の超スリッピーな路面でのスポンジタイヤ走行を凄まじいテクニックで見事に ゴールし、Fusion FRF010の走行性能を大いにアピール。ギャラリーからもため息が出るほど素晴らしい走りでした。今後のラウンドに期待です。

予選2ラウンド目
 予選2ラウンド目に差し掛かる頃には小雨がぱらつき、路面はウェット状態に変化しました。ここで競技委員長よりウェット宣言がなされ、ゴム系タイヤの 装着が可能になりました。F-1クラス予選2ラウンド目は、1ヒート目出走の古川選手がまたしてもゴムタイヤで自身の記録を大きく2秒147更新し、14L4'14.119、 ベスト17秒328をマーク。このままこのラウンドでもトップタイムをマークし、終わるかと思われましたが、続く2ヒート目でフェラーリカラーの伊藤選手が 終始アグレッシブな走りを見せ、逆転トップタイムとなる14L4'12.366、ベストはここまでで唯一の16秒台、16秒955をマーク。14周はこの2選手のみ入り、13周 の筆頭はホワイト・レッドラインの江田選手、13L4'11.590、ベスト18秒385で、3番手タイムを記録。ウェット路面でどんどんタイムが更新される状況に、各選手 のウェットセッティング能力の高さが窺えます。
 F-1グランプリクラス予選2ラウンド目は雨が降り続いている為、各選手のタイヤからは水しぶきがかなり激しく舞う状況。ここで一気に好タイムを出して トップゴールを果たしたのは、ALEX RACING Winnersの上林選手。先ほどのラウンドで不運の雨によりタイムを落としましたが、今回は別格の走りを見せ、ほぼ ノーミスで攻め続けた結果、ここまでで唯一の16周に突入。16L4'11.126、ベスト15秒346をマーク!流石グランプリクラスのドライバー、1/3の選手がベストラップで 15秒台を出してきています。この雨の状況では安定した走行が難しく、4分間トータルでタイムを纏めるのが非常に難しい模様。2番手タイムは、Prochemi日比野選手で、 淡々と16秒フラット付近のタイムを刻み、15L4'02.808、ベスト15秒693。3番手はALEX RACING Winners横井選手、15L4'05.678、ベスト15秒727と続きます。 安定性重視のセッティングをマシンに施した選手が上位に浮上してくるかたちとなっています。

予選3ラウンド目
 F-1クラス予選3ラウンド目。このラウンドでは、キャメルロータスカラーの和田選手が一気に浮上で2番手タイム。自己タイムを約2周更新し、14L4'05.598、ベスト16秒720を マーク。和田選手のドライバー人形は中島悟。この雨の状況の中、ラインをきっちりトレースした中島の様な素晴らしい走りでした。このラウンドトップは、前ラウンドの タイムを更に更新した、フェラーリ伊藤選手。14L4'02.745、ベストは何と16秒155をマーク。伊藤選手のマシンには、防水加工が施されていないと言う事で、かなりリスキー な状態でしたが、運も味方に付けて完走し、見事ポールポジションを獲得。総合2位はオレンジ・ホワイトカラー古川選手、総合3位はブルー・ホワイトカラー安選手が毎ラウンド 安定した上位ポイントを重ねて獲得するかたちとなりました。
 F-1グランプリクラス予選3ラウンド目。このラウンドで満を持してトップフィニッシュしたのは、Team Bomber加藤選手。オレンジ・ブルー・ホワイトに塗り分けられた加藤選手 のF104ボンバーコンバージョンは雨の中でも猛烈な車速でコーナーを駆け抜け、コースレコードとなる16L4'02.862、ベスト14秒384で見事トータルでもポールポジションを獲得! 総合2位はドライでもウェットでも今回は驚異的に安定した走行を重ねたRUSH石川選手。総合3位にジャンプアップしたのは、このラウンドでグランプリクラス初参戦ながら見事な 攻めで2番手タイムをマークしたTeam Tech F-1石谷選手、16L4'04.803、ベスト14秒895となりました。シリーズポイント逆転を掛けたALEX RACING Winners上林選手は、総合4番手。 やや苦戦したグリッドながら、決勝での勝負強さには定評があるのでまだ勝利へのチャンスは十分あります。ポイントが掛かったグランプリクラスは、この後の決勝ラウンドで どの様なドラマが待ち受けているのでしょうか。非常に楽しみになってきました。

■予選順位■
F-1クラス
合計 R1  R2  R3 
1位伊藤 成治
2
4
1
1
2位古川 賢 
3
1
2
7
3位安 理寛
6
2
11
4
4位江田 啓一
6
3
3
9
5位江坂 雅輝
8
7
5
3
6位和田 達也
10
14
8
2
7位石川 達也
10
6
4
8
8位茂手木 達也
11
8
6
5
9位矢田 大基
12
5
7
10
10位三輪 幸太
16
10
10
6
11位宮野 政崇
21
9
12
14
12位榊原 大雄
22
13
9
16
13位重松 隆一
23
11
16
12
14位後藤 優太
25
18
14
11
15位福島 徳雄
25
12
13
17
16位工藤 幸宏
30
17
18
13
17位石橋 佑介
30
15
15
15
18位井上 知巳
33
16
17
18

F-1グランプリクラス
合計 R1  R2  R3 
1位加藤 隆史 (BOM)
3
2
5
1
2位石川 衛  (RUS)
4
1
4
3
3位石谷 康浩 (TTF)
6
4
6
2
4位上林 博  (ALW)
7
6
1
7
5位蟻塚 伸也 (TTF)
9
5
10
4
6位横井 章弘 (ALW)
11
13
3
8
7位橋本 努  (ZEN)
12
3
15
9
8位日比野 達也(PRC)
15
15
2
13
9位松本 恭一 (SOD)
15
14
9
6
10位菊池 絹佳 (BOM)
17
12
12
5
11位David Tse  (FUR)
18
11
7
12
12位黒田 尚希 (PAM)
18
10
8
15
13位土岐 三冬 (LTS)
20
9
11
17
14位土岐 啓太 (LTS)
21
7
14
14
15位荒川 努  (PAM)
24
8
16
16
16位土岐 森  (KAD)
24
17
13
11
17位櫻尾 晋也 (SON)
28
18
18
10
18位福島 徳仁 (FUK)
33
16
17
18

決勝に向けて
 決勝前の昼休みには学園祭内の出店のフードを食した選手が大勢いた様です。校内の入り口付近には、香ばしく美味しい香が漂い、人が列を成していました。 焼きそばを炒める学生の手付きも慣れたもので、手際良く次々とパックに詰められて行きます。F1RCGPAスタッフも何種類か食べましたが、とても おいしかったです。コースサイドでは、ヨコモのドリフトデモ走行が若杉氏、三嶋氏、鈴木氏のヨコモスタッフで行われ、また、隣ではTRGのデモ車、パーツの 展示がされていおり、多くの人が見に来ていました。コースには、熱心な参加者が路面状況を確認しつつ、セッティング変更を行っています。若干路面の水は 乾き始めており、グリップ的にも難しいコンディションになっている様です。決勝前にモーターを変える選手や、防水チェックをする選手、タイヤのグリップを 何パターンもテストする選手、各自が次に始まる決勝に備えて余念がありません。決勝は荒れるのか、それとも綺麗に流れるのか、特設ならではの不確定要素満載 で面白くなりそうです。



F-1クラス決勝Bメイン
 F-1クラス決勝Bメイン。このBメインでは、ドラえもんに変装した、宮野選手が登場!ギャラリーの皆が大注目のスタートとなりました!スタートはフェラーリ宮野選手が 絶妙な好スタートを切り、他車をリード。2番手はグリーン・ブラックカラーの榊原選手。しかし、アンダーを僅かに出した瞬間に後続に呑まれてしまいます。 トップはフェラーリ宮野選手、インフィールドを過ぎ高速ストレートへと立ち上がった瞬間スピン!直ぐ後ろにまた榊原選手が追う展開の荒れた展開で序盤が始まります。 トップ走行の宮野選手は比較的冷静なドライビングで周回遅れを次々とパス。後続に徐々にさを開いて行きます。一方、3位争いを中団で演じていたロータス福島選手は 電機系のトラブルか、ストップ!惜しくもレースを終えてしまいます。レースも後半戦、トップはドラえもんに扮するフェラーリ宮野選手。より一層アグレッシブさを増した ドライビングになりつつあり、時折特大スピンをして見せています。その瞬間、コントロールラインを過ぎた所で宮野選手のフェラーリがコントロール不能に!こちらも電機系 のトラブルか、白煙を噴きリタイヤとなりました。上位陣が次々と消えていく中で、浮上したのはグリーン・ブラックに塗り分けられた鮮やかなマシン、榊原選手。ここで トップに躍り出ます。しかし、榊原選手は駆動系に何らかのトラブルを抱えているらしく、大きな異音が聞こえます。このままゴールできるかどうかは微妙な状況ですが、 榊原選手は丁寧なスロットルワークで上手く走行を重ねます。2位はライトブルー・ホワイトのDanka Arrows Yamaha A18カラーの石橋選手が16秒999のベストを出して猛追。 大きく差を詰めに掛かってきます。しかし、榊原選手は終始安全走行をキープして、トップゴールを果たしました。

F-1グランプリクラス決勝Bメイン
 F-1グランプリクラス決勝Bメイン。計測トラブルによるリスタートで、PAPER MOON黒田選手、荒川選手、FUKUSHIMAYA TEAM KIWI福島選手、計3名が スタート前からメカトラブルにより走行不能と言う事で、やや寂しいスターティンググリッドとなりました。しかし、レースはそれに反して大いに盛り上がりを見せます。 先ず、スタートは1番グリッドFutaba F-1 Racing David選手が素晴らしい加速を見せ、トップをキープ。その後続は何と土岐ファミリーが三つ巴で追うかたち。先ずは 一家の長であるTeam Castrol Lotus土岐啓太選手が2番手、3番手は同チームメイトの土岐三冬選手、4番手は今大会よりグランプリ初参戦のTeam 漢字ドリル土岐森選手が 非常に僅差で追う展開。すると、そのプレッシャーに焦ったか、Futaba F-1 Racing David選手が複合コーナーでスピンしスタック。Team Castrol Lotus土岐啓太選手が トップに浮上します。この土岐選手もDavid選手も、かつては渋谷トップサーキットでF-1を走行させていたライバル同士。David選手も直ぐ2位で復帰して、トップの啓太選手を 追いかけます。その後方3位は土岐三冬選手。Team Castrol Lotus同士のチームプレーでDavid選手を後方から僅差でプレッシャーを掛けます。そのすぐ後方は1秒無い間隔で Team 漢字ドリル土岐森選手。更には直ぐ後ろ、TEAM SONIC櫻尾選手も追走!この5台は非常に僅差で序盤は展開します。レース中盤になると、トップを走るTeam Castrol Lotus土岐 啓太選手がシケインでコースアウト!変わってトップにジャンプアップしたのは、Team 漢字ドリル土岐森選手!トップは土岐森選手、2秒差でFutaba F-1 Racing David選手、土岐 啓太選手の2位争い。徐々にDavid選手がトップに迫り、なんとTeam漢字ドリル土岐森選手がシケインでミス!David選手が再びトップに浮上!すると次にトップのDavid選手が森選手と同じ シケインでミス!森選手がトップに立ちますが、直ぐストレートエンドでスピン。ここで一家の長である啓太選手がトップにジャンプアップ!もうぐちゃぐちゃの展開ですが、トップ 啓太選手、2位David選手、3位森選手、4位三冬選手、ここまでが非常に僅差!トップの啓太選手はややリードを広げ、楽な展開になりつつあります。誰もが啓太選手のトップゴールに疑いを持たな かったのですが、まさかのストレートで蛇行して内側に刺さってしまうアクシデントに見舞われます。ここでトップに出たのはFutaba F-1 Racing、David選手。David選手のマシンは イヤーレーシングのF103で、鋭いコーナーリングスピードを終始見せています。そして、ようやく8分のコール!!見事このBメイン激戦を征したのは、David選手。各選手のバトルが 非常に見応えがありました!

■決勝順位(Bメイン)■
F-1クラスBメイン
1位榊原 大雄26L8'04.982
2位石橋 佑介26L8'18.029
3位重松 隆一22L8'16.750
4位後藤 優太20L8'08.331
5位宮野 政崇15L4'31.409
6位工藤 幸宏13L8'25.855
7位福島 徳雄 7L2'27.322
8位井上 知巳D.N.S.



F-1グランプリクラスBメイン
1位David Tse  (FUR)29L8'15.623
2位土岐 啓太 (LTS)28L8'06.683
3位土岐 森  (KAD)28L8'09.979
4位土岐 三冬 (LTS)28L8'17.113
5位櫻尾 晋也 (SON)24L8'14.511
6位黒田 尚希 (PAM)D.N.S.
7位荒川 努  (PAM)D.N.S.
8位福島 徳仁 (FUK)D.N.S.



F-1クラス決勝Aメイン
 F-1クラス決勝Aメイン。スタートは、ポールポジションからフェラーリカラーの伊藤選手が良い出だしを見せましたが、スピンをして後続に 呑まれる格好になります。変わってトップに立ったのが、オレンジ・ホワイトに塗り分けられたフタバカラーの古川選手。百戦錬磨の同選手はこの雨の難しい グリップの中でも一際異彩を放つ走行で、レースを序盤からリードするかたち。後方では、ホワイト・レッドラインカラーの江田選手、キャメルロータスカラー和田選手 が激しい2番手争い。お互い低グリップ路面に戸惑っている様子で、焦るほどハーフスピンをして前に進まないと言うじれったい展開が続きます。ここで一気に2番手に上がって 来たのが、ブルー・ホワイトのカラーリングの安選手。しかし、ここまで上がってくる間に他車との接触があって、フロントノーズは折れ掛かっている状態です。これでは 空力が悪く、ダウンフォースグリップが上手く稼げないと思われますが、日頃エンジンカーで培ったドライビングテクニックで見事にコントロールしています。トップ 古川選手は後続をどんどん引き離し、独走状態が続いています。このドライとウェット路面が半々の難しい路面グリップ状況下、各選手本当に上手くコントロールしています。 レースは終盤になると、2位争いはフェラーリ伊藤選手がジャンプアップしてきます。3位はホワイト・マイルドセブンブルーのティレル022を駆る江坂選手。そして、8分のコール! 優勝は終始レースをリードした、古川選手!見事なトップフィニッシュでした。

F-1グランプリクラス決勝Aメイン
 F-1グランプリクラス決勝Aメイン。スタートはポールポジションからTeam Bomber加藤選手が抜群のスタートダッシュを決め、ポールショットを奪います。 後続では、RUSH石川選手、Team Tech F-1石谷選手がサイドバイサイドの接触で後続を巻き込み混乱を見せています。やがて2位に浮上してきたのが、4番グリッド よりスタートのALEX RACING Winners上林選手、流石のステアリングワークで前方で多発したクラッシュを避けながら上位に浮上。3番手、Team Tech F-1イエローの カラーの石谷選手。ポイントリーダー争いの、加藤選手、上林選手達に互角に追走しています。すると、2位を走るALEX RACING Winners上林選手がストレートでラインを変え、 最終コーナーでTeam Bomber加藤選手を捕らえに掛かりますが、2台が大きく接触!代わってトップに浮上したのが、Team Tech F-1石谷選手!石谷選手は鳥取よりTechの3rd ドライバーとしての初参戦ながら、物凄いパフォーマンスを披露。しかし、直ぐシケインでリズムを崩し、ハーフスピンを期し、3番手に後退。ここで漁夫の利を得たのが ALEX RACING Winners上林選手。一気にトップに浮上!2位Team Tech F-1石谷選手、3位は中団からジャンプアップRUSH石川選手、4位Team Bomber加藤選手の展開。しかし、 更に後続も隙間なく付いてきているので、まだまだ油断ができない状態です。Team Bomber加藤選手はマシンにややダメージがあるのか、ペースダウン。そこをすかさず インを刺して4番手に浮上したのはZEN橋本選手です。トップは上林選手。2位とは1.5秒程のリードを保ったままの走行。やがて周回遅れが出てくると、上林選手はその中の 渋滞に引っ掛かってしまう状況になってしまいます。2位はRUSH石川選手で、既に真後ろまで迫ってきます。トップ、2位との差は約0.2秒しかありません。非常に緊縛した 展開になってきました。すると、周回遅れを交わそうと高速でストレートに出た瞬間、内側のフェンスにヒット!直ぐリスタートしますがここで何とリア部分から白煙が・・・。 ALEX RACING Winners上林選手、モーターブローにより、痛恨のリタイヤを期します。代わってトップに浮上したのは、RUSH石川選手。その3秒後方にTeam Tech F-1石谷選手の順。 3位は粘りの走行でZEN橋本選手がジャンプアップ。ZENのF104コンバージョンはこの荒れた路面のレース展開でも非常に安定した走行を披露しています。そして、そのまま の大勢で、8分が経過。優勝はRUSH石川選手、自身初となる優勝で、ベストも14秒763と言うこのヒートダントツのタイムと言う見事な勝利を果たしました。ポールスタートの Team Bomber加藤選手は中盤からペースダウンを余儀なくされ4位。シリーズタイトルを争う二人は、共に有効ポイントを獲得する事無く、第9戦を終える事となり、チャンピオン決定戦は 第10戦香港大会へと持ち越しになりました。

ポディウム表彰・シャンパンファイト
 F1RCGP上位入賞者の栄誉を称えて、恒例のシャンパンファイトが行われます。その前に、各クラストップ3を集め、盾の授与が行われました。 記念撮影では、この厳しいレースを終えた選手の晴れ晴れとした笑顔の表情が印象的でした。その後、いよいよシャンパンファイト! ギャラリーが多く見守る中、先陣を切ったのがF−1クラス優勝を決めた古川選手。続けてF-1グランプリクラスでルーキー出場で大活躍を見せた Team Tech F-1の石谷選手等が応戦。レース中ナーバスだったストレスを発散させるかの如く、皆さん肌寒さも忘れて大いにファイトしていました! 初優勝を飾ったRUSH石川選手を始め、上位入賞された皆さん、本当におめでとうございました。

■決勝順位(Aメイン)■
F-1クラスAメイン
1位古川 賢 29L8'10.466
2位伊藤 成治27L8'03.181
3位江坂 雅輝26L8'01.247
4位江田 啓一26L8'07.012
5位和田 達也25L8'06.755
6位三輪 幸太25L8'12.550
7位茂手木 達也25L8'15.749
8位矢田 大基25L8'20.306
9位安 理寛24L8'12.748
10位石川 達也2L0'52.140

F-1グランプリクラスAメイン
1位石川 衛  (RUS)32L8'10.886
2位石谷 康浩 (TTF)31L8'06.713
3位橋本 努  (ZEN)31L8'13.907
4位加藤 隆史 (BOM)30L8'05.386
5位日比野 達也(PRC)30L8'11.822
6位横井 章弘 (ALW)29L8'00.707
7位菊池 絹佳 (BOM)29L8'10.531
8位蟻塚 伸也 (TTF)28L8'07.840
9位松本 恭一 (SOD)28L8'09.687
10位上林 博  (ALW)17L4'24.208

ベストルッキングカー賞
 ベストルッキングカー賞に見事選出されたのは、F-1グランプリクラスに出場の土岐啓太選手のロータス107でした。グランプリクラスの出場者から 選ばれるのは初で、速さと共にカラーリングにも拘りを見せるラジコンへの情熱が窺えます。特に注目すべき点は、ドライバー人形(ジョニーハーバート)の細かい塗装です。 時間をかけてじっくり塗り込まれた匠の技には誰もが感動を覚えるほどです。
 土岐選手はかつてのF-1ラジコンのメッカである、渋谷トップサーキットやタミヤ青山グランプリでも同カラーで活躍し、数々の栄光を手にした選手。 今ではご家族で楽しいRCライフを送っているとの事です。ちなみに今回参加されたご家族は全員がロータスカラーでした。 (ベストルッキングカー賞は、実際に走る車のボディーが対象です。飾りだけで持ち込んだだけのものは、対象外になります。)

全体表彰・抽選会
 トップ3表彰、シャンパンファイトの後は、全体表彰、抽選会へと進んでいきます。今回は学園祭の中での開催という事で、終わりの時間は 厳守しなければなりません。皆さんの協力のお陰でスムーズに進行し、表彰カードと一緒に各協賛メーカーより送られた景品を参加者一人一人 に手渡しました。今回の景品もバリエーションに富む様々な物が多数用意されました。手にした参加者は、仲間同士で見せあいながら、一喜一憂 している所が印象的でした。スポンサー各位におきましては、いつも多くの協賛品をありがとうございました。
 抽選が終わり、閉会式では大会会長、競技委員長の挨拶を行い、今回多大なご協力を頂いたトヨタ東京自動車大学校、大野木先生、樋口先生を はじめとする学生の皆さんにお礼すると共に、参加された皆さんのお陰で無事にF1RCGP2010第9戦東京大会を終えられた事を感謝の言葉を述べ、閉幕となりました。 関係者の皆さま、本当にお疲れ様でした。

F1RCGP大会主要機材データ
 F1RCGP2010 Round9東京大会の大会主要機材データになります。出場された方も、今後予定の方も、次回の参加の際の参考にしてみては如何でしょうか。 次回はいよいよ2010シーズン最終戦、第10戦の香港大会が11月27日−28日の2日間に渡り開催されます。F1RCGP初の海外大会となり、日本人 以外の多くの外国選手が出場します。ここで、F-1アジアチャンピオン、F-1ワールドチャンピオン、コンストラクターズチャンピオンが決定するので、 是非注目して頂ければと思います。なお、ツアーの日程は11月26日−29日になります。ツアー外の参加者で、エントリー希望者はお早めにエントリー の方をよろしくお願いいたします。

カーシェア
プロポシェア
アンプシェア
モーターシェア
バッテリーシェア
参加選手県名
年齢層
男女比

謝辞
 本大会にご参加頂いた選手の皆様、大会運営をして頂いた各実行委員を引き受けて下さった袖スタRCクラブの森様、天野様、篠田様を始めとする スタッフの皆様、そして、開催にあたり多大なご協力を頂いたトヨタ東京自動車大学校、大野木様、樋口様、生徒様、また、多くの協賛品を頂いた スポンサー各社様、車検をお手伝い頂いたTRG下屋様、写真撮影の吉村様及びタイヤマーキングをお手伝い頂いた土岐様、その他多くの関係者の皆様に、 心から感謝の意を表します。 本当にありがとうございました。お陰さまで無事に大会を終了する事が出来ました。また、当日はRCマガジン、RCワールドの取材スタッフ皆様、遠路遥々 取材に駆けつけてくださり、ありがとうございました。残るシリーズは最終戦のみ。最後まで気を引き締めて、皆様に楽しんで頂けるレースにすべく 活動を続けて行きたいと思っていますので、今後とも宜しくお願い致します。