F1RCGP レースリポート


第2戦 F1RCGP2011 in Ibaraki
YATABE ARENA 2011年2月6日(日)


天気:曇り(屋内)、気温:13℃、湿度:50%、路面温度:15℃

 F1RCGP2011シリーズ第2戦の舞台となるのは、茨城県つくば市にある谷田部アリーナ室内オンロードサーキットです。 谷田部アリーナは国内最大級のラジコンサーキットとして、1989年にグランドオープン。今年で22周年を迎える大変歴史のある サーキットの1つです。現在は去年から続いている大規模改修工事がクライマックスに入り、以前の施設の姿から大分原形を 留めない格好になっていますが、今年5月〜6月を目処に一大総合ラジコン施設へと変貌する予定になっています。一般向けに 休憩スペースの拡充や、コースを一望できるフロアも用意され、主要コース3面(オンロード・ドリフト・オフロード)を備え 、サーキットショップも20平米と拡大予定。完成した暁には、全国は固より世界各国から大勢の人が来場する事でしょうから、 今から本当に楽しみです。
 今回のレースは、仮設の室内カーペットオンロードコース(1周160m、30mのバックストレートを有する。)での開催となります。 路面は所々カーペットの張り合わせ目や、修復箇所に凹凸があり、完全なフラットではないので、マシンセットもそれに対応し ギャップに強い方向にセットを煮詰めていく必要がありそうです。また、カーペットが痛まない様に、マシンの車高は3mm以上と 言う特別規定が設けられ、その部分でもいつもとは違うマシンバランスが要求されます。なお、今大会はJMRCA1/12レーシングカ ー全日本選手権関東1次予選と共催になります。よって、グリップ剤を使える1/12レーシングカーと、使えないF-1カーが混在す る状況下、路面状況が激しく変化する事が予想されます。路面変化の先読みもトップを狙うには重要な要素となり、いつにも増し て奥の深い要素が満載のラジコンレースとなっています。
 参加人数はF-1クラス:35名、F-1スケールクラス:5名、F-1グランプリクラス:13チーム20名、合計60名です。F-1クラス、 F-1スケールクラスでは、F-1に対して思い入れのある多くのドライバーが集結し、大変見応えのあるレースを展開。一方、F-1 グランプリクラスでは、F-1レースに1年ぶりに参戦するTeam YM広坂正美選手や、RCmagazine TeamBomber足立選手をはじめとす るトップエキスパート、そしてそれを迎え撃つ格好になるTeam Bomberのエースで現役F-1世界チャンピオンの加藤隆史選手、更 にF-1を知り尽くしたトップレギュラードライバー達とのバトルが惜しげもなく展開されます。また、発足2戦目となるF-1スケ ールクラスは徐々にエントリー数も増え、ドライバースキルの様々なメンバーが集まりました。決勝各メイン同ポイント制や、 決勝レース方式が他のクラスと大きく異なるので、誰にでもシリーズチャンピオンになるチャンスがあるのが特徴です。F-1スケ ールクラスのシリーズチャンピオンは速さでは無く、世界で最もF-1ラジコンが好きな人がなれるシステムになっています。
 ここに集まる全てのドライバーが1つのカテゴリーの下で頂点を狙うべく切磋琢磨し、それは見る人を魅了します。その1つ 1つは、速さであり、ボディーカラーリング・造形美であり、仲間とのバトルであり、見知らぬ人とのバトルでもありと、多くの 魅力があります!F-1と言うカテゴリーにRCジャンルやテクニックの壁は無いのです!

プラクティスDay
 前日の練習日は薄曇りの中、気温も低かったのですが、谷田部アリーナは屋内サーキットの為、全く気になりません。朝のオープン時間から 多くの選手が熱心に走行を重ねています。あまりにも走行が多いので、練習時間がカテゴリーによって区切られ、F-1の練習時間になると皆一 斉に走り出す光景が明日のレースを見ているかの様です。ピットは暖房が良く効いており、各選手とてもすごしやすい環境で、加えて特設プレ ハブピットエリアはスタッフの掃除も良く行き届き、常に綺麗で清潔になっています。また、操縦台の奥に設置された女性・子供専用休憩スペー スがある所もコースオーナーの細かい気配りが光ります。この日も多くの家族連れや女性が来ていました。
 コースを見渡すと、先ず目を引く走りを披露していたのは、ALEX RACING Winnersの上林選手、横井選手の両名。熟成の域に達したFRF010コン バージョンは、リアグリップも抜群に、FANTOMモーターの鋭い加速でコーナーを駆け抜けて行きます。開幕戦で好調だった横井選手は、ここ谷田 部でも好調をキープしている様なので、2名揃ってAメイン進出に期待が掛かります。また、歯の痛みに耐えているZEN橋本選手が非常に速いラップ で周回を重ねています。次期製品のテストパーツも好調で、バッテリー縦置きレイアウトのマシンらしい、抜群のコーナーリングスピードの速さを 生かしたF104ZENコンバージョンを駆り、14秒台にタイムを乗せてきます。RCmagazine TeamBomber加藤選手もタイムを14秒台に乗せ、同チームメイ トの足立選手も14秒台に乗せます。コース上は午後に入り、14秒台に入れてくる選手が目立ち始めました。足立選手は卓越した操縦テクニックで、 Bomberコンバージョンを見事に操り、加藤選手のタイムを僅かに超えているとの情報もあります。RCmagazine TeamBomberは開幕戦の出場が都合によ りできなかったからか、この第2戦は非常に気合いが入っている様です。また、F1RCGP2009コンストラクターズワールドチャンピオンチームFutaba F-1 Racing森田選手、David選手も調子が良く、15秒フラット付近にアベレージラップを纏めて仕上がりも上々です。そして、今季初参戦チームから は、Team Mの杉田選手、徳野選手が14秒台に乗せ、今大会一番の台風の目になっています。チーム監督の三溝氏のメカニックも冴えわたり、チーム ワークも万全です。両名揃ってAメインに進出してほしい所です。そして、Team YM広坂選手が去年に引き続き参戦。練習走行にも気合いが入り、北澤 氏の借り物のマシンでありながらも随所にテクニックを見せた走りで、トップチームに迫るタイムを簡単に出している様です。Yokomoドライバーで現 IFMAR世界チャンピオンの松倉直人選手が広坂選手のメカニックとして協力していたのも見逃せないポイントでした。その他、Team Castrol Lotusの土岐 ファミリーも森(しげる)選手をトップドライバーに据え、啓太選手が引き続きセカンドドライバーを務めるチーム体制。マシンは昨年同様F103ノーマ ルバージョン。このタミヤF103ノーマル仕様でもF1RCGPグランプリクラスを戦えると言う事を、このチームは証明してくれています。中京方面からは、 PAPER MOON荒川選手、黒田選手もそれぞれ好調な走りを見せています。二人ともベテランドライバーで、黒田選手は最近では安定して上位に進出してい るエキスパートドライバーの1人です。今大会からはボディーカラーも新しくなり、新鮮な気分でレースに臨めている様です。グランプリクラスはこの 様に非常にチーム数も増え、年々レベルアップして来ている感があり、観客により素晴らしいレースを見せられる様になってきました。F-1レースは実際 にやるも良し、観て楽しんでも良しです。どんどん気軽に会場に足を運んで頂けると主催者としても嬉しい限りです。
 F-1クラスは、F1RCGP2010香港大会でも大活躍を見せたレイトンハウスマーチのボディーカラーがトレードマーク根岸選手、イエロー・グリーンに 塗り分けられたカラーの酒井選手、両名が鋭いコーナーリングワークを見せ好調の様です。タイムは17秒中盤から後半に乗せればF-1クラス上位に名 を連ねる事が出来ます。しかしながら、F-1クラスは楽しむ事が第1のコンセプトのクラスです。タイムよりも仲間との接近戦等のバトルを繰り広げ、 皆一緒になってレースを盛り上げて行ってくれれば各メインで素晴らしいレースが見せられる事でしょう。F-1クラス、F-1スケールクラスはモーター がマブチ540モーター、LiFe6.6Vパワーで各選手殆ど差の出ない中でレースが行われます。コーナーの繋ぎ等のちょっとしたテクニック・セッティング 差が微妙なタイム差になって現れます。よりきめ細やかなスロットルワークやステアリングワークが勝負の鍵となる、極めると大変奥の深いクラスでも あります。
 F-1スケールクラスのマシンはジョーダン・グランプリ、イエローカラーの日比野選手が開幕戦に引き続きハイペースで走行をしています。 タイヤ交換を意識した戦略で、このまま初のシリーズタイトル奪取に向け弾みを付けたい所でしょうか。今年の後半になると、プラクティスDayから タイヤ交換練習をチーム体制で行う選手も出てきそうで、将来が楽しみなクラスになっています。
 明日からはいよいよ大会が始まります。コースサイドにはスタッフ・有志の方総出で夜まで掛かってバナーが全面貼られ、装いも新たに。この第2戦 谷田部ラウンドを征する3選手はいったい誰になるのでしょうか?明日のレースはギャラリーも多く集まりそうです。

大会当日
 大会当日も朝から非常に多くの人が会場に訪れました。ピットは一気に超満員に、そしてレースまでに与えられた最後の練習走行である 朝の走行に向けて、各選手準備に大忙しです。一方、レーススタッフはコントロールタイヤの準備、支給に追われ、何とか受付時間内に配 り終え、ほっと一息。コース上では、昨日よりも多くの台数のマシンが走行中ですが、若干グリップが下がっている模様。タイムはグランプ リクラスで15秒中盤、F-1クラスで17秒後半〜18秒中盤、F-1スケールクラスでは18秒前半と言った所。グランプリクラス新規参入チームの SMOKER滝島選手もイエローとブルーのコントラストが鮮やかなウィリアムズパターンのF-1マシンを武器に健闘を見せる走りをしています。 また、FREEDOM尾崎選手もチームカラーをオレンジベースの斬新なものに変えて、セットも大分進んできた模様。2戦連続Aメイン入りが期待 されます。まだ2011年シーズン序盤であるため、今年のチーム勢力図が明確に描く事ができませんが、この谷田部ラウンドは選手層のレベルが 特に高いので、トップチームの真剣勝負に加えて刺客チーム、メンバーが織り成すスーパーバトルが見所です。このシーズン序盤のちょっとし た順位差が後々効いてこない様に、いつになく各チーム監督の表情は真剣に見えます。今朝のグランプリクラスの練習走行はレースさながらの 接近した走行が随所で見られました。昨日に比べ若干グリップダウンした路面にセットアップを微調整するチームが多かった様です。F-1クラ ス、F-1スケールクラスではスピードがグランプリクラスのマシンに比べ遅いので、差ほど路面差による影響は無いように見えます。練習走行 が終わり、ドライバーズミーティングへと進みます。今回は放送委員長を務める予定の谷田部アリーナ鈴木所長がインフルエンザの為、急遽、 谷田部アリーナスタッフの内山氏が代役として紹介されます。その後、大会会長の挨拶、審判委員長の山下氏より競技に関する細かな説明があ り、F1RCGP2011第2戦谷田部アリーナラウンドの開幕です!コースサイドには観戦者も続々と入場しており、徐々に雰囲気が盛り上がってきま す!
※当日はRCマガジン、RCワールド両誌が取材に駆け付けて下さいました。3月発売号に掲載予定なので、是非皆さんご覧ください。

予選1ラウンド目
 F-1スケールクラス予選1ラウンド目。1周目から18秒台中盤で周って来たのは、ジョーダン・グランプリ日比野選手。イエローの マシンカラーも鮮やかに、タイヤクイックチェンジャーをフロントに装備するユニークなマシン。その日比野選手、2周目には、18秒110の 自己ベストタイムを更新し、更にタイムアップを図るがマシントラブルにより残念ながらリタイヤ。その後、レッドブル・レーシング加藤 (隆史)選手が18秒177で自己ベストを更新するも、日比野選手のタイムを抜くには至らず2番手タイム。その次の周には、スクーデリア・ フェラーリ木村選手が18秒176で、1/100秒加藤(隆史)選手を上回り2番手に浮上。しかし、その直後にあろうことかストレートエンドで 大クラッシュ!マシンを破壊させてしまいます。そして、タイムオーバー間際の4分手前で、加藤(隆史)選手は最終ラップで気合いの 入った走行を見せ、自己ベストを更新する18秒064を叩き出し、レッドブル・レーシング加藤(隆史)がこのラウンドを征し、暫定トッ プタイムとなりました。スケールクラスのタイム争いは非常に接戦で、4位のWilliams F-1加藤(晋)選手までタイム差何と0.336秒! このクラスの車体は他のクラスに比べ若干ナローなレギュレーションなので、コーナーリングのハイサイド対策もセッティングポイント だそうです。
F-1クラス予選1ラウンド目、まずヒート1で暫定トップタイムをマークしたのは、練習走行から好調の酒井選手。ボディーカラーは イエロー・グリーンで塗られたマシン。1周目にはややパイロンに足を取られタイムロスするも、ブラック・エメラルドグリーンのカラ ーの森田(耕平)選手とのバトルを征し、14周まであともう少しと言う所の、13L4'00.264、ベスト18秒191をマーク。皆がミスを重ねる中、 持ち前の精密な走りが光りました。続くヒートでは、ウィリアムズカラーの服部選手、オレンジ・ブラックカラーの江田選手が快走します が、酒井選手のタイムを超えるに至らず。そして、ヒート4組では、レイトンハウスマーチの根岸選手、ブルー・グリーン・ホワイトのジ タンカラー鈴木選手両名が素晴らしい走りを見せ、14周に突入!トップゴールの根岸選手はほぼミスの無い完璧な走りで、14L4'11.978、 ベスト17秒738をマーク。根岸選手のマシンはコーナーリングバランスが良く、路面コンディション変化に上手く合わせてマシンをニュート ラルステアに持ってくるあたりが流石でした。ちなみにこのヒート、ベストタイムで2番時計はフェラーリ宮野選手の17秒771。ゴールタイ ムはヒート3番手でしたが、ラーメンマンのコスプレで皆を和ますパフォーマンス部門ではナンバー1でした。そして、最後のヒート5組 では千葉県を拠点に活躍中のウィリアムズ大村選手が丁寧なライン取りでトップゴールを果たすも、13周止まりでトップタイムは迫れず、 このラウンド暫定トップは、レイトンハウスマーチの根岸選手と言う事になりました。2位のジタンカラー鈴木選手までが14周に突入。 3位酒井選手から、10位ティレル江坂選手までのタイム差は何と僅か4秒312と非常に差が無い状況です。これを見ても、F-1クラスのロー パワーバトル特有の緊張感が伝わってきます。
 F-1グランプリクラス予選1ラウンド目、ヒート1組では早くも現F-1世界チャンピオン、RCmagazine TeamBomber加藤選手が登場。 独特のアグレッシブな走りは健在で、2位ALEX RACING Winners横井選手との差を広げ、16周を軽々と記録、16L4'11.315、ベスト15秒 480。しかし、次のヒートから16周に入れてくる選手が非常に多くなります。先ずヒート2組トップゴールのFutaba F-1 Racing森田選手 が16L4'10.489、ベスト15秒426をマーク。同ヒート2位ゴールのALEX RACING Winners上林選手は16L4'10.503、ベスト15秒387をマーク。 更に同ヒート3位ゴールのZEN橋本選手が16L4'11.149、ベストは上林選手と同じく15秒387と素晴らしいタイムを記録。練習走行時からグ リップの比較的下がったと言われるこの予選ラウンドに入っても、ZENのF104コンバージョンは非常に軽快な動き且つグリップ感のあるロ ールの挙動を生み出しています。もちろん橋本選手のドライビングも巧みの一言に尽きます。続く最終ヒート3組では、RCmagazine TeamBomber 足立選手がチームメイトの加藤選手を超える快走を見せ、16L4'10.217、ベスト15秒458をマーク。終始安定して走行を重ねた足立選手の集中力 は圧巻物で、ベストは控えめながら、アベレージラップでトップに立つベテランドライバーぶりを発揮。暫定トップタイムを奪取します。Team Bomberコンバージョンはカーペット路面でも抜群の戦闘力を見せており、特に旋回中の加速力が他車を上回っている感があります。このラウンド では16周に9位のALEX RACING山下選手までが入り、Aメインボーダーは16周必須と言った所でしょう。また、6位のTeam YM広坂選手までトップ から僅差の2.3秒差。まだまだ上位陣には次のランドで大逆転のチャンスがあるので予断を許さない状況です。

予選2ラウンド目
 合間に1/12スケールのレーシングカーの関東予選等が入り、若干路面が落ちる方向に変化し始めた予選2ラウンド目。F-1スケールクラスでは、 レッドブル・レーシング加藤選手の好調は変わらず、なんと17秒台に突入!17秒967をマークし、ポールポジションを確定しました。加藤 選手のレッドブルはナロートレッドのF104Bomberコンバージョン。コーナーリングのマシン挙動も穏やかで、とても扱いやすそうなマシン 特性が印象的です。2番手は自己ベストを0.093秒更新し、18秒074をマークしたスクーデリア・フェラーリ木村選手。慣れないF-1マシンを ドライブしているせいか、やや安定感が無い走りですがベストはしっかり出しています。3番手は前回の優勝者、ジョーダン・グランプリ 日比野選手。まだ予選と言う事で走りには余裕がある様です。トップから5番手フェラーリ伊藤選手までのタイム差は何と0.586秒!決勝は 50周の長丁場だけに、タイヤ交換までは非常に僅差の接戦が続く事が予想されます。
 F-1クラス予選2ラウンド目。路面グリップも更に落ちて、各選手タイム更新に苦しむ中、ヒート1組ではティレルカラーの飯田選手が 自己ベストを10秒以上更新する快走を披露、13L4'02.717、ベスト18秒410で、ギャラリーの声援も味方に付け、見事総合10番手に滑り込み ます。また、続くヒート3組では、オレンジ・ブラックカラー江田選手も自己タイムを0.368秒更新し、4番グリッドを確定。そして、同ヒ ートの高安選手も自己タイムを3秒629も更新。マシンカラーはオレンジをベースとしたFutabaカラー。彼自身、谷田部を走るのは初めてと言 う事で、徐々にコースにも慣れてきた感があります。ポールポジションは先ほどの第1ラウンドでトップタイムをマークした、レイトンハウス マーチの根岸選手が獲得!2番グリッドにはジタンカラーの鈴木選手、3番グリッドには酒井選手が確定です。実力者同士が上位を占めるので、 決勝ラウンドでは更に激しい接近戦が予想されます。この最終第2ラウンド目にタイムを更新した選手は14選手、40%の選手しかいません。路面 グリップが悪い事がこれを見るだけでも窺い知れる、大変厳しい予選ラウンドになっています。
 F-1グランプリクラス、予選2ラウンド目。こちらも時々刻々と落ちて行く路面グリップに、各選手悪戦苦闘と言った展開が続きます。ヒート 1組のRCmagazine TeamBomber加藤選手はほぼミスの無い走りだったにも関わらず、自己ベスト更新成らず。総合5番グリッドに甘んじる結果に。 同ヒートのALEX RACING Winners横井選手は鋭いラインでインを果敢に攻めますが、後半になり息切れしたのかミスが増え、自己ベストを僅かに0.213秒 更新するに留まり、惜しくも11位。もしペースダウンしなければ、Aメインを確定していただけに、ALEX RACING Winnersチームにとっても大きな 痛手となります。続くヒート3組ではALEX RACING Winners上林選手がベストを15秒326に塗り替え、横井選手の分まで快走しますが、上林選手も中盤の ミスが響きタイム更新成らず、この時点で総合3番グリッドを確定します。その後、RCmagazine TeamBomber足立選手が出走しますが、こちらも記録更新 無し。しかし、他の選手も目立った更新が無いことから、ここでRCmagazine TeamBomber足立選手が第1ラウンド目の結果をもってポールポジションを 獲得しました。全体を通して、F-1クラスに引き続き路面のグリップの落ちと変化が厳しい予選ラウンドとなりました。Team YM広坂選手もパワーソース のセッティングやタイヤ径の調整を都度行っていましたが、いまいちベストなセッティングが決まっていなく苦戦を強いられています。一方、Team Castrol Lotusの土岐選手両名は、揃ってAメイン入りと、この厳しい予選ラウンドの逆境を跳ね返したチームもいます。マシンも先にお伝えした通り、F103ノーマル シャーシです。正に驚異的と言えます。このラウンド、タイム更新の選手は僅か6選手、30%の選手のみと言う結果になります。2回しかない予選に加え、路面 変化の予想も厳しい方向に行ってしまいました。運もしっかり味方に付ける事も、この谷田部ラウンドを戦うには重要な要素だった様です。

■予選順位■
F-1クラス
1位根岸 裕幸 1R14L4'11.978
2位鈴木 和史 1R14L4'14.593
3位酒井 貴之 1R13L4'00.264
4位江田 啓一 2R13L4'00.389
5位宮野 政崇 1R13L4'01.210
6位高安 理寛 2R13L4'01.297
7位森田 耕平 1R13L4'01.319
8位櫻井 博  1R13L4'02.041
9位矢田 大基 1R13L4'02.083
10位飯田 勇一 2R13L4'02.717
11位三輪 幸太 2R13L4'03.292
12位西沢 淳  1R13L4'03.359
13位江坂 雅輝 1R13L4'04.576
14位末吉 正和 1R13L4'06.895
15位石橋 佑介 2R13L4'07.354
16位大村 誠  1R13L4'10.190
17位服部 幸一 1R13L4'10.924
18位長田 昌之 1R13L4'10.995
19位茂手木 達也2R13L4'11.610
20位松島 秀行 1R13L4'11.806
21位重松 隆一 1R13L4'12.232
22位諸橋 泰弘 1R13L4'12.502
23位入口 秀輝 1R13L4'12.968
24位和田 達也 2R13L4'14.080
25位芦崎 和夫 1R13L4'14.176
26位小林 正利 2R13L4'14.249
27位平野 宏一 2R13L4'14.300
28位福島 徳雄 2R13L4'16.012
29位沼田 一覧 2R13L4'16.232
30位高須賀 聖和1R13L4'16.810
31位田崎 信明 2R13L4'18.975
32位元木 克幸 2R12L4'05.664
33位吉田 順一 2R12L4'07.113
34位柳 茂幸  1R10L4'00.167
35位中島 慶喜 1R10L4'07.377

F-1スケールクラス
1位加藤 隆史 2R17.967
2位木村 心哉 2R18.074
3位日比野 達也1R18.110
4位加藤 晋  2R18.280
5位伊藤 成治 2R18.553

F-1グランプリクラス
1位足立 伸之介(BOM) 1R16L4'10.217
2位森田 栄俊 (FUR) 1R16L4'10.489
3位上林 博  (ALW) 1R16L4'10.503
4位橋本 努  (ZEN) 1R16L4'11.149
5位加藤 隆史 (BOM) 1R16L4'11.315
6位広坂 正美 (TYM) 1R16L4'12.517
7位土岐 森  (LTS) 1R16L4'14.083
8位土岐 啓太 (LTS) 1R16L4'14.566
9位山下 盛人 (ALE) 1R16L4'15.380
10位黒田 尚希 (PAM) 1R15L4'00.432
11位横井 章弘 (ALW) 2R15L4'00.847
12位David Tse  (FUR) 1R15L4'01.204
13位徳野 博  (TEM) 2R15L4'03.200
14位荒川 努  (PAM) 1R15L4'03.727
15位日比野 達也(ALE) 2R15L4'05.091
16位尾崎 二郎 (FRE) 1R15L4'06.279
17位福島 徳仁 (FKS) 2R15L4'06.460
18位大山 誠  (PSF) 2R15L4'07.523
19位杉田 朋毅 (TEM) 1R15L4'09.841
20位滝島 邦彦 (SMO) 2R15L4'12.483

決勝に向けて
 予選ラウンドでは予期せぬ計測トラブルが多々あり、予定に対して2時間以上時間が遅れる中、それでも予選を終えた選手は決勝に 向けてしっかり準備をしています。通常であれば既にレースが終わっている時間帯、この先の路面コンディションは誰にも予想できな い状況です。路面温度は予選時から5℃以上下がっているので、それも踏まえたセットアップと、リアグリップ確保が必要でしょう。 また、1/12スケールのレーシングカーの関東予選はこの時点で結果が出て終わっている為、グリップ剤の付いたマシンの走行は この先間に挟む事はありません。考慮しなければいけない事項が多く、マシンバランスをピンポイントで合わせるにも苦労しそ うな事が予想できます。予選ラウンドでは惜しくも6位に低迷したTeam YM広坂選手は、F1RCGP初タイトルに向けて、皆と談笑する中 色々戦略を練っている様子。他のチームドライバーも、空き時間を利用して準備に余念がありません。F-1クラスの選手には少しでも 楽に速く走るべく、ステアリングジャイロを装備する選手も見受けられます。F-1レースはそう言ったエレクトロニックデバイスも 今後必需品となりそうです。
 また、何と言ってもF-1スケールクラスのピット練習もこの決勝までの短い時間に行わなければなりません。今回ピット人員は特に レギュレーションを設けていません。一人のピットクルーでタイヤローテーションを行うチーム、3人で分担して行うチーム、色々あるようです。 これまで絶大な効果を発揮しているジョーダン・グランプリ日比野選手の搭載するクイックチェンジャーに、レッドブル・レーシング 加藤選手率いる数に物を言わせたピットメンバー達がどう挑むか、大変見応えがありそうです。その隣では、スクーデリア・フェラーリ 木村選手が余裕の為か、小躍りを見せています。後で痛い目に合わなければ良いのですが・・・。恒例のスタート前ドライバーズイン タビューも終え、いよいよ決勝が始まります。 

F−1クラス決勝Dメイン
 F-1クラス決勝Dメイン。スタートは素晴らしい加速から、2番グリッドのロータス元木選手が1位を奪います。しかし、1番グリッドからスタートの マルボロ・マクラーレン田崎選手も鋭いステアリングワークで直ぐに1位を奪い返します。2位にはフェラーリ同士の柳選手、吉田選手が激しくバトルを 行っています。そして吉田選手がミスし、上がって来たのはロータスの元木選手、そのまま、フェラーリ柳選手も交わし、元木選手が2位に再浮上。しかし、 ロータス元木選手、焦ったかシケインで大きく転倒しますが、マーシャルの素早いフォローでタイムロスなく復帰します。その間、マルボロ・マクラーレン 田崎選手は2位との差を大分付け、独走状態。差はストレート1本以上の6.8秒差。田崎選手のマシンは、インフィールドの複合コーナーも非常に転がり感 のあるコーナーリングワークを見せ、マシンセットもドライビングも、とても決まっている感じに見えます。そのまま安定した走りで、マルボロ・マクラーレン 田崎選手が見事F−1クラスDメインの優勝を決めました。2位は序盤〜中盤の激しい2位争いを征したロータス元木選手がトップとの差を5.4秒差にまで 詰め、入賞を果たしました。

F−1クラス決勝Cメイン
 F-1クラス決勝Cメイン。ポールショットは1番グリッドからオレンジのオートバックスカラー重松選手。2番手に4番グリッドからジャンプアップの キャメルイエローカラーの和田選手が浮上。3番手にブルー・ホワイトカラーの小林選手が後続を上手く交わし浮上してきます。そして、小林選手が2位の キャメルイエローカラーの和田選手もパスし、2番手に上がってきます。3番手にはイエロー・ホワイトカラー諸橋選手。和田選手は4番手。これらトップ から4位までの4台は0.5〜0.7秒差の間隔で走行中。すると、4番手を走るキャメルカラー和田選手は、インフィールド左セクションで諸橋選手を交わし、 3番手に浮上。トップ争いは、オレンジカラーの重松選手、ブルー・ホワイト小林選手、キャメル和田選手の3名に絞られ、等間隔で走行を重ねます。 中盤になると、スピード・パワーで他車に勝る和田選手が、小林選手をインフィールド左セクション立ち上がりで捕らえ、2番手に。そして、和田選手は トップの重松選手を猛追します。そして、ついに和田選手は重松選手をもパスし、トップに立ちます。キャメルカラーの和田選手、パワーもさることながら、 シケインのラインも非常にスムーズで他車を圧倒しています。2位の重松選手との差を、7秒から10秒にまで開き、独走状態を築きます。そして、終盤 までトップを守り続けた和田選手が、4番グリッドから逆転トップゴールで決勝Cメインを征しました。2位は中盤までトップを走行していたオレンジカラー の重松選手、3位にブルー・ピンク・ホワイトの平野選手が終盤の混戦を抜け出し、入賞しました。

F−1クラス決勝Bメイン
 F-1クラス決勝Bメイン。スタートは各車タイミング良く、綺麗な出だし。トップは1番グリッドからスタートのティレル(PIAA)三輪選手。2番手 ウィリアムズ服部選手、3番手マクラーレン西沢選手、4番手ミナルディー茂手木選手の順で、2番手争いが僅差で続いています。すると、4番手に ストレートエンドのコーナーで上手く前車をパスしたグリーン・ホワイトの末吉選手が上がってきます。2番手争いが混戦の中、トップの三輪選手は 順調に周回を重ね、後続をストレート1本以上引き離しています。ブラックに塗られた三輪選手のティレル(PIAA)は、非常に素晴らしい走りで、コー ナーリング中の失速感も無く、スムーズに駆け抜けて行きます。2番手はウィリアムズ服部選手を軸に、3番手末吉選手、4番手ブルー・ホワイト 石橋選手、5番手西沢選手、各選手が団子状態で連なります。4分に差し掛かる所で、2番手争いが更に白熱。服部選手に末吉選手が後方から揺さぶりを 掛けている状態。そして、ウィリアムズ服部選手はストレートエンドで何とコースマーシャルの足に車体を引っ掛けてしまい、その間、末吉選手が服部選 手を交わし、2位に浮上。トップの三輪選手はその間10秒近い大差を2位に付け、常に安定した走行でラップ処理も丁寧に行ったティレル(PIAA)三輪選手 が8分間のコールを受け、見事Bメイントップゴールを決めました。

F−1グランプリクラス決勝Bメイン
 F-1グランプリクラス決勝Bメイン。素晴らしいスタートダッシュを決めたのは、ALEX RACING Winners横井選手。今回は惜しくもAメインを逃しましたが、 その鬱憤を晴らさんばかりの好スタート。2番手はFutaba F-1 RacingのDavid選手。流石F-1グランプリクラス、非常にスピーディーな展開です。3番手は 3番グリッドからTeam Mの徳野選手。各車上位陣は、アグレッシブにコーナーリングラインを攻めています。トップ争いの横井選手、David選手はコンマ2秒差 の攻防。すると、ストレートエンドで2台が接触する間、3位走行中のTeam M徳野選手がトップに浮上。2位はDavid選手。インフィールドでまたもトップ争いが 接触!徳野選手がコースアウトを期し、Futaba F-1 RacingのDavid選手がウェイティングしている間、ALEX RACING Winners横井選手が再びトップに浮上。 トップ横井選手、2番手David選手、3番手にここでPRO-SHOP FUTABA大山選手が浮上、4番手にTeam M徳野選手と言う順。トップから4番手まで差はコンマ9秒。 すると、インフィールドセクションで、Team M徳野選手が若干曲がるセットの車の特性を利用し、スルスルと2番手にジャンプアップ。トップALEX RACING Winners横井 選手を追います。その差1.5秒。しかし、レースも中盤に差し掛かる所で、ミス!ここで、Futaba F-1 Racing David選手が2番手に上がってきます。トップ争い の横井選手、David選手との差はまだ1秒程。しかし、David選手が小さなミスをする間に、横井選手が徐々にその差を広げに掛かります。レース後半になると、 トップを快走中の横井選手は依然素晴らしい集中力を見せ、ラップも上手く交わし、見事そのままトップゴールを果たしました。2番手はトップのリードを 必要以上に許さずに、常に1.5秒後方を走行し続け、ギャラリーも大いに盛り上げたFutaba F-1 Racing David選手。3位にはFREEDOM尾崎選手がベテランらしい 粘りの走行で、入賞を果たしました。

■決勝順位■
F-1クラスDメイン
1位田崎 信明 24L8'04.567
2位元木 克幸 24L8'09.952
3位柳 茂幸  22L8'00.995
4位吉田 順一 22L8'19.426
5位中島 慶喜 18L8'03.740






F-1クラスCメイン
1位和田 達也 25L8'03.299
2位重松 隆一 25L8'13.646
3位平野 宏一 25L8'15.818
4位芦崎 和夫 25L8'16.592
5位小林 正利 24L8'04.188
6位高須賀 聖和24L8'09.540
7位沼田 一覧 24L8'12.466
8位福島 徳雄 24L8'12.870
9位諸橋 泰弘 24L8'17.602
10位入口 秀輝 23L8'00.414

F-1クラスBメイン
1位三輪 幸太 25L8'03.299
2位末吉 正和 25L8'13.646
3位服部 幸一 25L8'15.818
4位大村 誠  25L8'16.592
5位江坂 雅輝 24L8'04.188
6位石橋 佑介 24L8'09.540
7位松島 秀行 24L8'12.466
8位西沢 淳  24L8'12.870
9位茂手木 達也24L8'17.602
10位長田 昌之 23L8'00.414

F-1グランプリクラスBメイン
1位横井 章弘 (ALW)29L8'06.697
2位David Tse  (FUR)29L8'11.018
3位尾崎 二郎 (FRE)29L8'15.873
4位荒川 努  (PAM)28L8'00.756
5位日比野 達也(ALE)28L8'05.521
6位大山 誠  (PSF)28L8'14.867
7位徳野 博  (TEM)28L8'20.890
8位杉田 朋毅 (TEM)27L8'08.190
9位福島 徳仁 (FKS)27L8'14.064
10位滝島 邦彦 (SMO) 9L3'29.398

F-1スケールクラスAメイン
 F-1スケールクラス決勝Aメイン。決勝前に各選手、そしてピットクルーの紹介がなされ、いよいよレース開始です。ポールポジション のレッドブル・レーシング加藤選手のピットには、足立、松倉、そして高木ピットクルーの3人態勢。2番手のスクーデリア・フェラー リ木村選手は、Team Futabaで固めた森田、高安ピットクルーの2人態勢、3番手のジョーダン・グランプリ日比野選手には、クイック タイヤチェンジャーの秘策があるためか、上林ピットクルーの1人態勢と、各チームで個性があります。ドライバーを含む総合力が試さ れるレースで、この豪華なメンバーが功を奏す事ができるか楽しみな所です。
 スタートは、各選手綺麗に流れて、1コーナーからインフィールドに向かいます。1周目はレッドブル・レーシング加藤選手がトップ。 続いて、2位スクーデリア・フェラーリ木村選手、3位ジョーダン・グランプリ日比野選手、4位スクーデリア・フェラーリ伊藤選手、 5位Williams F-1加藤(晋)選手の順。トップ争いは2位を走っていたスクーデリア・フェラーリ木村選手がインフィールドでトップの 加藤選手のインを奪い、トップへ浮上。トップは木村選手、2位加藤選手、3位日比野選手、この3選手は0.3秒差内の争い。そして、 トップに立ったフェラーリ木村選手、ペース配分を全く無視し、徐々にペースアップ。2位のレッドブル加藤選手との差をじりじりと 引き離しに掛かります。一方、2位争いは、レッドブル加藤選手、日比野選手が依然コンマ2秒差の攻防を続けている状況。ギャラリー からはレッドブル加藤選手に対してペースアップのヤジが飛び交いますが、そんな中、トップのフェラーリ木村選手がぐんぐんペースを 上げ、6秒差以上築く格好。そして、レースも中盤になり、ピットインの指示が木村選手に出て、木村選手がピットイン!と思いきや、 コースを大幅にショートカットする無茶なピットインを試み、下で待機中の森田ピットクルーに注意され、コースに戻されます。何と木 村選手、ドライバーズミーティングで言われたピットロードをおもいっきり勘違い(聞いていなかった)していたようです。この時点で トップ集団のレッドブル加藤選手、ジョーダン日比野選手、フェラーリ木村選手の3選手の差は無くなり、木村選手が再度のピットインを 試みます。そして、最初に木村選手がピットイン!続いて、ジョーダン日比野選手がピットイン!各車続々とピットインです。ここでレッ ドブル加藤選手がピットの混雑を避け、まだピットインしません。そして、満を持してレッドブル加藤選手がピットイン!松倉、足立両 ピットクルーは人海戦術で素早く作業をこなし、トップで加藤選手を見事ピットアウトさせます。2位走行のジョーダン日比野選手との 差は約6秒。素晴らしい手際のよいピット作業でした。後はコース上のドライバー同士の勝負が最後に待っています。このままレッドブル加藤 選手、楽に逃げ切って勝利と思われましたが、思うようにペースが上がらず、ジョーダン日比野選手にジリジリ追い上げられます。下では 加藤選手のピットクルーが2位との差と残りのラップを読み上げ、加藤選手に対してプレッシャーを掛けます。トップ争いの差は3秒に まで縮まり、このまま最後にドラマがあるか?と思われましたが、ジョーダン日比野選手がまさかの電機系トラブルを期し、ここで勝負あり。 50周の周回レースを征したのは、レッドブル・レーシング加藤選手!ピットクルーとの息の合ったコンビネーションが勝因と言えるでしょう。 2位は惜しくも最後トラブルに見舞われた日比野選手、3番手は序盤トップを走行していたフェラーリ木村選手が入賞を果たしました。

F-1クラスAメイン
 F-1クラス決勝Aメイン。スタートは各車綺麗な出だし。トップはポールスタートからレイトンハウスマーチの根岸選手、2番手ジタン カラーの鈴木選手、3番手イエロー・グリーンカラー酒井選手、4番手オレンジ・ブラックカラー江田選手、ここまでが予選グリッド通 りに綺麗に一列の大勢。やがてトップ2台の根岸選手、鈴木選手がやや抜け出し、3番手争いは酒井選手を軸に、江田選手、その後ろに はオレンジ・ホワイトFutabaカラーの高安選手を交え、僅差で続きます。そして、3連シケインでオレンジ・ブラックカラー江田選手が 酒井選手のインに飛び込み、3番手に浮上。徐々にペースを上げてトップ争いの2台に追い付きたい所。トップ争いは、ここで差が大分 詰まり、コンマ1秒差の攻防になっています。トップのレイトンハウス根岸選手、2位を走るジタンカラー鈴木選手、ストレートスピー ドもコーナーリングスピードも殆ど変わらず、正に真剣勝負のサイドバイサイドの争いで、ギャラーリーからも歓声が飛んでいます。見 た目には、鈴木選手の走りの方がアグレッシブで、ストレートエンドの飛び込みもシャープに車を反応させています。根岸選手の方が守 りの走りでラインをがっちりキープと言った印象。そして、およそ2分続いたバトルの末、ストレートエンドのコーナーの飛び込みで、 ジタンカラー鈴木選手が見事に根岸選手のインを差しトップに立ちます。しかし、まだレイトンハウスマーチ根岸選手も諦めていません。 後ろから猛烈にプレッシャーをかけ、鈴木選手の単独ミスをインフィールドで誘い、再び根岸選手がトップに返り咲きます。ここで前の 2台が縺れる間にトップ4台が急接近。3番手にオレンジ・ホワイト高安選手、4番手に江田選手が迫ってきました。ここから更に激しい 4台のトップ争いが始まります。江田選手がフェンスにヒットさせ、先ず戦線離脱。トップ争いは、根岸選手、鈴木選手、高安選手の3名 に絞られます。トップは根岸選手、鈴木選手との差は依然コンマ1秒、その後ろ高安選手が1秒差で漁夫の利を狙っている様子。トップ 争いはこれ以上無い程ヒートアップし、鈴木選手が根岸選手を猛烈にプッシュし、プレッシャーを書けながら3連シケインに突入。2台が ラインを変則的に変える中、サイドバイサイドでトップ争いの2台が軽くヒットする隙を付き、ここで3位走行中だった高安選手が満を持 してトップにジャンプアップ!2番手ジタン鈴木選手、3番手根岸選手と言うオーダーになり、先ほどとトップ3が逆転。すると、高安選 手がコンマ3秒差でリードするも、周回遅れに阻まれラインを塞がれ、その隙に鈴木選手が再びトップに浮上。ここで時計は7分経過、残り 1分弱。鈴木選手、高安選手、根岸選手の順で各車差はコンマ4秒で続く中、残り15秒でトップを走行中の鈴木選手がインフィールドで 痛恨の単独ミス!コースアウトしてしまい、ここで最後に高安選手がトップに立ち、見事この7分以上に渡るトップ争いを制し、稀にみる 熱戦のF-1クラスの優勝を果たしました!2位は終始トップ争いに絡んだレイトンハウスマーチ根岸選手、3位は淡々と安定した走りで走行 を重ねた、ブラック・エメラルドグリーンカラーの森田選手、4位は最後のクラッシュで大きくタイムロスしたジタンカラー鈴木選手が 入りました。惜しくも3位入賞を逃した鈴木選手にも、そのフェアな走りでギャラリーからは大きな拍手が送られました。

F-1グランプリクラスAメイン
 F-1グランプリクラス決勝Aメイン。スタートで素晴らしい出だしを見せたのは、ALEX RACING Winners上林選手、3番グリッド から2位に早くもポジションアップ。しかし、それを上回るスタートダッシュを決めたのは、6番グリッドからTeam YM広坂選手。 レース序盤にコース左セクションで、先ほど2番手に浮上したばかりの上林選手を交わし、2番手にジャンプアップ!トップは ポールポジションスタートの、RCmagazine TeamBomber足立選手、ボディーカラーは、オレンジ・レッド・ホワイトの鮮やかな Bomberカラー。序盤はこの足立選手、広坂選手、上林選手の3台が一歩抜け出してレースをリード。やや後方4番手で追うのが、 ZEN橋本選手。ZENのマシンの調子はかなり良く、十分上位を追撃できる勢いがあります。やがて、トップRCmagazine TeamBomber 足立選手がジリジリ後続との差を広げる中、ALEX RACING Winners上林選手がTeam YM広坂選手の背後にぴたりと付き、右側シケイ ン出口で広坂選手をパス。2番手に上林選手が浮上。その後、すぐに4番手走行中のZEN橋本選手も、広坂選手に迫り、これら3台 非常に僅差で2番手争いのグループが形成されます。ややTeam YM広坂選手、他車に比べスピードが出ていない模様ですが、持ち前の テクニックで果敢に3位を守っています。レースは後半に入り、トップは依然RCmagazine TeamBomber足立選手、マシンのバランスも この決勝に来て更に良くなり、とても楽な挙動で速いラップタイム連発し続けています。この時点で2位との差は4秒以上付け、磐石 の体勢。一方、5分間以上に渡り2位争いを繰り広げていたALEX RACING Winners上林選手を筆頭に、広坂選手、ZEN橋本選手のこの3台 は、ラスト1分を切る所で、Team YM広坂選手の駆動系から異音が!その後、ZEN橋本選手が後ろから猛烈に襲い掛かり、ストレート で橋本選手が広坂選手を交わし、3位へ浮上!駆動系がほぼボロボロの状態でも、Team YM広坂選手は必死に後続を抑え、4位を死守 しようと試みますが、残り30秒を切った所で、RCmagazine TeamBomber加藤選手、PAPER MOON黒田選手にも交わされ、どんどん順位 を下げてしまいました。トップゴールは今回終始見事なレース展開を見せ、ポール・トゥー・ウィンを果たしたRCmagazine TeamBomber 足立選手!嬉しいF1RCGP初優勝となりました。レース後のコメントで、足立選手は昔の広坂選手とのバトルを思い返し、非常に熱く 喜んでいる様子。残るシーズンもこの調子でどんどんレースを盛り上げていって、F-1ワールドチャンピオンに輝いてもらいたい ものです。

ポディウム表彰・シャンパンファイト
 各クラストップ3の選手を集め、ポディウム表彰を行いました。コース裏の工事中のエリアのスペースをかりて、表彰台を設置 して、寒風吹き荒む中、トロフィーの授与と、シャンパンファイトです!今回はF-1スケールクラスで初優勝を飾った加藤選手、そ してF-1クラスでは高安選手の見事な逆転劇、そして、F-1グランプリクラスでRCmagazine TeamBomber足立選手の初優勝と、皆さん にはギャラリーも喜ぶ見せるレースをして頂きました。雨もパラパラ落ち始める中、恒例のシャンパンファイトでは、スケールクラス 3位入賞の木村選手が主役に名乗りを挙げ、他の選手から思いっきり勝利では無く入賞の美酒を浴びるのと同時に、松倉直人ピットク ルーより、最後にバケツで冷水を浴びせられていました。木村選手はこれまでにないダッシュを見せて、松倉ピットクルーを追いかけ ますが追いつかず、暫くうなだれていたのが非常に印象的でした。入賞した各選手、本当におめでとうございました!また、風邪など 引かない様に気をつけましょう!

■決勝順位■
F-1スケールクラスAメイン
1位加藤 隆史 50L16'37.521
2位日比野 達也50L16'55.771
3位木村 心哉 49L16'38.807
4位伊藤 成治 45L16'53.845
5位加藤 晋  36L13'44.904






F-1クラスAメイン
1位高安 理寛 26L8'16.898
2位根岸 裕幸 25L8'00.477
3位森田 耕平 25L8'01.002
4位鈴木 和史 25L8'02.388
5位矢田 大基 25L8'10.235
6位櫻井 博  25L8'12.676
7位江田 啓一 25L8'14.649
8位酒井 貴之 25L8'15.855
9位宮野 政崇 24L8'03.075
10位飯田 勇一 24L8'05.231

F-1グランプリクラスAメイン
1位足立 伸之介(BOM)30L8'09.087
2位上林 博  (ALW)30L8'21.737
3位橋本 努  (ZEN)29L8'01.232
4位加藤 隆史 (BOM)29L8'02.252
5位黒田 尚希 (PAM)29L8'03.060
6位広坂 正美 (TYM)29L8'03.292
7位森田 栄俊 (FUR)29L8'16.318
8位土岐 森  (LTS)29L8'16.916
9位土岐 啓太 (LTS)28L8'04.561
10位山下 盛人 (ALE)28L8'12.833

ベストルッキングカー賞
 ベストルッキングカー賞には、櫻井博選手のウィリアムズFW09が選出されました。グリーン・イエローを基調に丁寧に塗られたカ ラーリングで、ドライバーは何とドラえもん!会場内でも一段と目立っていました。リアウィングの翼端板の先の小ウィングも細か く製作されていました。現行最先端のF-1マシンのカラーリングもとても良いですが、この様に一世代以上前のマシンも趣があって良 いです。また次回も皆さんの素晴らしいボディーを期待しているので、力作をお待ちしています。

全体表彰・抽選会
 時間も大分遅くなりましたが、最後は皆でコースサイドに集まり、全体表彰式へと進んでいきます。大会会長から参加者一人一人に表彰カードが 手渡されます。この表彰カードは、これを以って公式レースリザルトの証として使って頂けるようにしており、全てのカードに順位が総合順位で記 載されています。つまり、Bメイン1位の選手は11位と記載する事で、ラジコン特有のメイン決勝のシステムを知らないご家族、ご友人にも順位決 定が見て分かりやすい様にしています。その後、大会会長より閉会の言葉と、放送委員長より今回遅くまでレースに参加して下さった皆様にお礼の 言葉と、計測トラブルの陳謝が述べられ、遠方より参加の皆様に考慮して、大会は一旦閉幕となりました。そして最後にお楽しみ抽選会が行われまし た。お楽しみ抽選会は、今回大会終了時間が大幅に遅れた事もあり、ある程度運営側で纏めさせて頂きました。抽選会の賞品ボリューム自体は変わら ないので、受け取った皆さんは大変喜んでいる様子。最後に残るはYokomoより提供されたダイレクトドライブのツーリングカーキットです。見事獲得 した選手は、本当に興奮冷めやらぬ様子でした。参加者及び、関係者の皆さん、遅くまでありがとうございました。


F1RCGP大会主要機材データ
 F1RCGP大会データになります。マシン、プロポ、アンプ、バッテリー、F-1グランプリクラスモーターのシェアと、全員の参加選手県名、年齢別、 そして男女比です。 次回参加される方、遠征される方は是非とも参考になさってください。 次回行われる予定のF1RCGP2011 Round3は、3月6日(日)徳島大会 in BIG+3サーキットです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

カーシェア
プロポシェア
アンプシェア
モーターシェア
バッテリーシェア
参加選手県名
年齢層
男女比

謝辞
 本大会に参加された選手の皆様、そしてサーキットをお貸し頂いたサーキットオーナー横堀様、運営をお手伝い頂いた各実行委員長の 皆様、土岐ファミリーの皆様方、及びサーキットスタッフの皆様、多くの協賛品のご協力を頂いたサポートメーカーの皆様、本当にあり がとうございました。お蔭様で無事に本大会を開催する事ができました。まだ残る多くのラウンドも、参加者の皆様に喜んで貰える様に 精一杯頑張る所存ですので、応援を宜しくお願いいたします。
また、雑誌関係でお越しくださった皆様も、遠路遥々の取材本当にありがとうございました。