天気:晴れ時々曇り、気温:34℃、湿度:65%、路面温度:45℃
F1RCGP2011シリーズ第9戦は、岐阜県羽鳥郡岐南町にあるTamTam岐阜店サーキットで行われました。このTamTam岐阜大会で、
真夏の中京3連戦が終わり、シリーズタイトル争いも大体見えてくる頃です。シリーズを戦う選手やチームは正念場でやや緊張し
ながらレースを向かえ、一方のF-1クラスやF-1ローカルクラスの選手はいつものリラックスムードの中、共にレースをそれぞれの
スタイルで上手に楽しんでいる会場の様子が伺えます。
TamTam岐阜店は2001年オープンの今年で10周年を迎える大型ホビーショップです。ショップの隣にあるラジコンサーキットは
2007年オープンで、その当初は電動カー用サーキットとして始まり、やがてエンジンカーも走れる様になり、最近では岐阜界隈で
唯一のエンジンカーの走行可能なサーキットの1つとして賑わっています。ショップの中は、ラジコン製品は基より、プラモデル、
鉄道、エアーガン、その他トイ製品が所狭しと並んでおり、あらゆる物が揃うホビーショップとして多くのお客さんから支持され
ています。玉井店長はじめ、各店員さんもあらゆるジャンルに精通し、元気ある接客で非常に好感の持てる雰囲気です。
F1RCGPが行われる今回のサーキットスペックは、1周130m、路面は細粒アスファルト舗装で、エンジンカーが走るのでレコードラ
イン上には排気ガスによりブラックマークが付いています。ブラックマーク上はオイルが若干乗っており、そこを走ればグリップ
剤を塗らない電動F-1マシンでも比較的グリップ良く走る事が可能です。しかし、ラインを外すとオイルが乗っていない部分になる
ので、グリップ変化(グリップのギャップ)をいつも以上に感じます。レイアウトの特徴としては、インフィールドにある3連シケ
インです。ここは微妙に直進では行けないので、小刻みなステアリングワークが必要とされます。最近主流となるジャイロのゲイン
を強くするとマシンの初期反応が悪くなりシケインを速くクリアする事の妨げになる様です。高速セクションとこのインフィールド
セクションの使い分け、そして現代電子デバイスの使い方等、様々な要因が絡む面白い内容のサーキットです。
参加人数はF-1ローカルクラス:3名、F-1クラス:10名、F-1スケールクラス:3名、F-1グランプリクラス:12チーム19名、合計35
名です。各クラスともF-1に並々ならぬ思いを抱くファンが集まり、それを見るギャラリーも子供から大人まで大勢います。前大会
好成績を収めたALEX RACING Winners横井選手、エースの上林選手のFusion RacingのFRF011Pも早くも2戦目を向かえ一層セットも
煮詰まってきている様子。それに挑むRCmagazine TeamBomber加藤選手、祖父江選手とのバトルは今シーズンのタイトル争いに向けて
非常に重要で見応えある争いになる事でしょう。また、HiroFactory Racing Family中谷選手は初のAメインに残るべく、相方の森嶋
選手と共になかり練習を積み重ねて臨んでいる様子。他にもFUKUSHIMAYA TEAM KIWI福島選手の同様の目標で頑張っています。F-1ロ
ーカルクラス、F-1スケールクラス、F-1クラスでも、皆初参加だったり、自己ベストを目標に置いて頑張っている選手が大勢います。
F1RCGPはそうやって頑張っている選手1人1人が主役なのです!
プラクティスDay
練習日は天候も良く、暑い日になりました。天気予報によると、明日は午後から天気が崩れる可能性もあるとの事。万が一の為に
雨天走行も考慮しておかなければならない状況ですが、皆ドライセットを迷わず煮詰めている様子。ここでALEX RACINGの日比野選手は、
何と事前にウェット路面のセットを出して来ているとの事で、余裕の表情が見られます。日比野選手にとっては地元中京地区の開催、そして
TamTam岐阜は最もHOMEに近い環境であり、いつも以上に気合いを感じます。ALEX RACING Winnersは前ラウンドのツインリンクホングウで1,2
フィニッシュを決め、今回もその勢いをそのままに現地入り。迎え撃つRCmagazine TeamBomberは加藤選手、祖父江選手とのペアで、この大事な
1戦をどう戦うのか非常に注目です。6輪マシン勢では、TEAMサウナの斎藤選手が好調な走りです。ただ、他のマシンに比べ若干重量が重いせ
いか、要のインフィールド3連シケインのマシン挙動に斑がある様です。ここのシケインはPAPER MOON黒田選手が速く、マシンバランスが非常に
良く、ドライビングも毎周安定しています。黒田選手は中京連戦の間、どちらかと言うと苦汁を味わってきただけに、今大会以降の飛躍に期待したい
所です。
この日の路面は朝のうちは雨上がりと言う事もありかなりグリップは低め。午後になると徐々にグリップも良くなり、皆タイムアップしてきている
様です。サーキットの攻略ポイントとしては、やはりレコードライン上のブラックマーク上からマシンをはみ出さないラインを維持する事です。路面
はかなりフラットなのでライン維持は容易いかと思いきや、時折吹く風に翻弄される場面もあります。慎重且つダイナミックな走りが要求されるので、
いつまでも飽きの来ないコースに夜まで練習走行は続いています。運営スタッフのメンバーは夕方から夜にかけて総出でバナー貼り、タイヤマーキン
グにと大忙し。明日の準備を万全に終え、また、天気になる事を願いつつ練習走行日を終えます。
大会当日
大会当日は青空に恵まれ、先ずは一安心です。ゲートオープンのなかり早くから、会場には多くの参加者が集まり待っています。入場をすると
直ぐに各選手ピットの設営と、マシンの準備、バッテリー充電と忙しそうです。受け付けを済ませ、順次朝の練習走行タイムが始まります。コース
上はF-1マシンで混雑し始める中、6輪タイレルの佐藤選手がリアルなボディーを装着してコースインしています。ブルーのタイレルはまるで本物
かと見間違うほどの迫力で走行。他のマシンもストレートからの高速セクション、そしてインフィールドへとスムーズなラインで走行中。路面グリ
ップは朝から好調な様で、各車昨日の最後に出したタイムを朝から塗り替えて行く勢いです。F-1クラスでは初参加となるマルボロ・マクラーレン
カラーが鮮やかな鈴木選手が好調で、F1RCGPでは百戦錬磨のフェラーリ服部選手、WESTカラーの木下選手を始め、PIAAティレル三輪選手のタイムを
上回るタイムが出ている模様。また、F-1ローカルクラスでも初参加の方が多くおり、原選手も慣れないBomberコンバージョンを駆り走行中。F-1グ
ランプリクラスはマシンのスピードが他車に比べ一段とパワーアップしているので、ステアリング操作やスロットルアクセレーションを誤れば、あ
っという間にコースアウトと言う危険性もはらんでいます。そんな中、PAPER MOON黒田選手、ALEX RACING Winners上林選手、そして、RCmagazine TeamBomber
加藤選手が好調をキープ。この後のレースでは、一層激しい見応えのあるバトルが展開される事でしょう!
練習走行後は開会式、記念撮影、ドライバーズミーティングが行われ、競技委員長のTamTam守谷悟氏より競技内容の説明、そして、審判委員長の武藤
徹也氏よりペナルティー等の内容が示されました。放送委員長の山崎和則氏の司会の下、皆に1ラウンドでも楽しんで頂ける様に予選は3ラウンドと言う
アナウンスをして、選手の皆さんにもスムーズな進行にご協力を仰ぎました。F1RCGP中京3連戦の最終戦となるTamTam岐阜大会がいよいよ開幕です!!!
※当日はRCマガジン、RCワールド両誌が取材に駆け付けて下さいました。9月発売号に掲載予定なので、是非皆さん誌面をご覧ください。
予選1ラウンド目
F-1ローカルクラス1ラウンド目。このクラスは4分間のベストラップで争われますが、ブラック・レッド・ホワイトの3色パターンが鮮
やかな長崎選手が早くも3周目にベストラップとなる14秒803で暫定トップタイムをマーク。2番手はザウバーの古田選手で15秒431、3番手
はブルー・オレンジカラーの原選手15秒484と続きます。まだまだ始まったばかりで皆緊張の為かラインもギクシャクしていますので、次のラ
ウンド以降更なるタイムアップがある事でしょう。
F-1スケールクラス予選1ラウンド目。何とこの1ラウンド目は、他の選手の準備が間に合わず、ティレルカラーの重松選手のみの出走にな
ります。重松選手は路面を確認しながら淡々と周回を重ね、14周を走行。6周目の周回で15秒759をマークし、暫定トップタイムとなります。
重松選手にとっても初のトップ。これでもし後半ウェット宣言がされたとしたら、予選はポイント制になるので、初のポールポジションゲットも
夢ではありません!
F-1クラス予選1ラウンド目。1ヒート目では練習からも好調のPIAAティレル三輪選手がレースをリード。WESTカラーの木下政勝選手も追います
が、それを振り切りトップゴール、16L4'11.464、ベスト14秒837をマークして口火を切ります。すると、2ヒート目では、マルボロ・マクラーレン
鈴木選手、フェラーリ加藤選手の高レベルのバトルが展開。お互いに14秒8台のベストラップを出し、しかも安定しています。鈴木選手のマシンは
ロンタムでもお馴染みのマシンで、非常に良く走っています。何と最終的にはこの2台は2/1000秒差で、鈴木選手がトップゴール!暫定ポールポジ
ションとなる16L4'01.326、ベスト14秒838をマーク。このラウンドでは、16周には5台のマシンが入り、この後のラウンドでは上位陣17周も視野に
入ってくる事でしょう。
F-1グランプリクラス予選1ラウンド目。先ずは1ヒート目でRCmagazine TeamBomber加藤選手が独走し、この時点で唯一の19周、19L4'09.672、ベスト
12秒828で早くも暫定ポールポジションかと思いきや、続く2ヒート目でALEX RACING Winners上林選手が更に安定した走りで19L4'08.916、ベスト12秒867
で逆転の暫定ポールポジションをGET!前戦で鮮烈デビューしたFRF011Pもかなり上々の仕上がりの様です。しかし、最終ヒートでPAPER MOONの黒田選手が
スーパーラップ12秒755を叩き出しながらの快走を見せ、19周をマーク。19L4'07.335でこのラウンドの1番時計を出し、暫定ポールポジションを奪い取り
ました。ブルー・ホワイトのPAPER MOONカラー黒田選手のマシンは、要のインフィールド3連シケインが驚異的に速く、ギャラリーもうなる素晴らしいラ
イン取りを披露しています。全体では19周に4番手ALEX RACING Winners横井選手までが入るレベルの高い展開です。
予選2ラウンド目
F-1ローカルクラス予選2ラウンド目。このラウンドでは、ブルー・オレンジのカラー原選手が素晴らしい走りを見せ、14秒468をマーク。
インフィールドのライン取りも攻略しつつあるのか、自己ベストを大きく1秒016も更新です。2番手はブラック・レッド・ホワイトのカラー
長崎選手で、こちらも14秒台に乗せ、大きくタイムアップ。ザウバー古田選手もタイムアップしているものの、15秒台の壁は厚い様で、次の
ラウンドではそれを打破できるように頑張ってもらいたい所です。
F-1スケールクラス予選2ラウンド目は、3者全員揃ってのタイムアタックとなりました。トップタイムを叩き出したのは、ブラウンGP黒田
選手。9ラップ目に14秒855をマーク。ジョーダンGPの日比野選手も3ラップ目にいきなり14秒台、14秒918を出しますが、それからのタイムの
伸びが無く2番手。ティレル重松選手は自己ベストを更新するも、15秒565で3番手につけます。
F-1クラス予選2ラウンド目。これまで若干曇っていましたが、日差しも今日一番強く降り注ぎ、蒸し暑い中行われます。1ヒート目からPIAA
ティレル三輪選手が快走。コーナーをインギリギリまで攻め、16L4'01.342、ベスト14秒759とこの時点で2番手のタイムをマーク。次のヒートでは、
前ラウンドトップのマルボロ・マクラーレン鈴木選手が序盤にミスをして後退し、変わってトップに立ったのはフェラーリ服部選手。ベテランらしい
終始安定したタイムで後半まで走り切り、16L4'00.117、ベスト14秒742をマークし、残手ポールポジションを奪取。同ヒート暫定2番手タイムを出し
たこちらもフェラーリカラーの加藤選手は16L4'01.122、ベストはクラストップの14秒738をマークしています。
F-1グランプリクラス予選2ラウンド目。1ヒート目ではALEX RACING山下選手が自己ベストを大幅に更新し、トップゴール。19L4'11.556、ベスト
13秒019をマーク。これで総合12番手から6番手にジャンプアップ。続くヒートでも、ALEX RACING Winners上林選手、横井選手とALEX勢のトップゴール
が続き、チームの好調さをアピールしています。上林選手は19L4'08.181、ベスト12秒814で2番手です。しかし、このALEXの好調さをも跳ね返す
勢いなのが、PAPER MOONの黒田選手。非常にアグレッシブな走りで、見ている人も興奮させる素晴らしい走りを披露。19L4'07.076、ベスト12秒694
をマークし、暫定ポールポジションをキープ。初のポールポジション目指して、次の最終ヒートも頑張って欲しい所です。
予選3ラウンド目
F-1ローカルクラス予選3ラウンド目。いよいよこれが最後の予選ラウンド。各選手緊張した面持ちでスタートが切られます。このラウンドでも
ブルー・オレンジのカラー原選手の勢いは止まりません。周回数も誰よりも多く周り、決勝を見据えた走りなのか、安定感もUPしています。タイムは
自己ベストを0.077秒更新の、14秒391をマーク。ポールポジションが確定しました。このラウンドでは全員が14秒台に突入。3番手ザウバー古田選手
までコンマ差なので、決勝では接近戦の面白いレースになりそうです。
F-1スケールクラス予選3ラウンド目。このラウンドもティレル重松選手の一人舞台。重松選手はマシンセッティングを特に大きく変えず、ドライビ
ングと気合だけでタイムアップを目指します。そして、ラスト2周目に、15秒505の自己ベストを更新!しかし、総合では2ラウンド目にブラウンGP
黒田選手が出した14秒855がポールポジションタイムとなりました。
F-1クラス予選3ラウンド目。このラウンドでは何と17周に突入する選手が2名!最終ヒートのマルボロ・マクラーレン鈴木選手と、フェラーリ服部
選手です。この2台のバトルは予選1ラウンド目から続いていますが、非常にレベルの高い競り合いです。走り的には安定感の服部選手、アグレッシブな
鈴木選手と言った所です。最終的には、鈴木選手が17L4'12.392、ベスト14秒608で逆転でポールポジションを獲得。2番手服部選手は1秒092及ばず、
17L4'13.484、ベスト14秒641でした。共に初優勝の掛かった2選手。決勝の走りも期待したい所です。
F-1クランプリクラス予選3ラウンド目。RCmagazine TeamBomber加藤選手、祖父江選手が各ヒートトップゴールし、逆転でのポールポジションを狙うも、
前のラウンドまでにPAPER MOON黒田選手の出したタイムに僅かに及ばない状況。19周が一つの目標ラップになりますが、グランプリクラスのスピード域では
コースが比較的狭いので、ミスやラップ後れを交わす際のタイムロスなどが微妙に響き、各車タイムが伸び悩んでいる様子。そんな中、PAPER MOONの黒田選
手が最終ヒート出走し、並み居る強豪を後方に見て快走に次ぐ快走を披露。何とまた自己ベストを更新し、19L4'06.374、ベスト12秒681をマークし、初の
ポールポジションを獲得しました!2番手はALEX RACING Winners上林選手、3番手RCmagazine TeamBomber加藤選手と、それぞれ異なるチームがフロントロー
となる決勝グリッド。決勝でも各車の素晴らしい走りを期待しましょう。
■予選順位■
F-1ローカルクラス
1位 | 原 信行 | 3R14.437
| 2位 | 長崎 一久 | 3R14.690
| 3位 | 古田 克治 | 3R14.940
|
|
|
|
|
F-1スケールクラス
1位 | 黒田 尚希 (BRAW-01) | 2R14.935
| 2位 | 日比野 達也(JOGP-01) | 2R14.954
| 6位 | 重松 隆一 (TYRL-01) | 2R15.565
|
|
|
|
|
F-1クラス
1位 | 鈴木 浩二 | 3R17L4'12.392
| 2位 | 服部 幸一 | 3R17L4'13.484
| 3位 | 加藤 和誠 | 2R16L4'01.122
| 4位 | 三輪 幸太 | 2R16L4'01.342
| 5位 | 木下 啓治 | 2R16L4'02.594
| 6位 | 木下 政勝 | 3R16L4'05.419
| 7位 | 重松 隆一 | 2R16L4'11.333
| 8位 | 佐藤 久史 | 3R16L4'12.850
| 9位 | 成田 竜彦 | 3R16L4'14.175
| 10位 | 梅野 吉則 | 3R15L4'00.336
|
|
F-1グランプリクラス
1位 | 黒田 尚希 (PAM) | 3R19L4'06.374
| 2位 | 上林 博 (ALW) | 2R19L4'08.181
| 3位 | 加藤 隆史 (BOM) | 3R19L4'08.258
| 4位 | 横井 章弘 (ALW) | 3R19L4'09.124
| 5位 | 山下 盛人 (ALE) | 3R19L4'09.631
| 6位 | 祖父江 旭生(BOM) | 2R19L4'10.600
| 7位 | 日比野 達也(ALE) | 3R18L4'00.923
| 8位 | 斉藤 和哉 (TSA) | 3R18L4'01.553
| 9位 | 森嶋 繁樹 (HFR) | 3R18L4'02.760
| 10位 | 福島 徳仁 (FKS) | 3R18L4'02.852
| 11位 | 中谷 洋信 (HFR) | 1R18L4'02.854
| 12位 | 竹島 稔 (PAR) | 2R18L4'04.388
| 13位 | 近藤 美紀男(FAR) | 1R18L4'04.501
| 14位 | 山田 努 (PAR) | 1R18L4'06.701
| 15位 | 蟻塚 伸也 (TTF) | 1R18L4'07.751
| 16位 | 福田 剛 (FAR) | 1R18L4'08.329
| 17位 | 吉田 正樹 (FRE) | 2R17L4'00.442
| 18位 | 森田 彰 (ARC) | 3R17L4'04.837
| 19位 | 荒川 努 (PAM) | 2R17L4'10.086
|
|