天気:晴れ、気温:27℃、湿度:47%、路面温度:29℃
F1RCGP2011シリーズ第11戦は、鳥取県鳥取市川原町にあるKawahara Circuit(河原サーキット)にて行われました。ここKawahara
Circuitは千代川の河川敷にあり、鳥取市が運営するサーキットです。広大な面積の敷地に、ゆとりのあるコース幅でレイアウトされた
サーキットは電動カー、エンジンカー問わず、あらゆるジャンルのマシンが走行可能です。週末や平日の夕方は多くの地元のドライバー
で賑わいを見せる様です。サーキットは1993年に完成、その4年後の1997年に洪水被害によりリニューアルされ、現在に至ります。サー
キットで行われる実質的な運営は、「クラブかわはら」によって行われ、代表を務める荻原氏をはじめ、多くのラジコンファンによって
守られ、誰でも楽しめるレースで初心者にも優しい雰囲気のコミュニティーが成り立っている事が素晴らしいです。
今回大会が行われるサーキットレイアウトは、鉄枠の仕切りで自由にコースレイアウトを変えられるため、F1RCGPオリジナルレイアウ
トになります。全長180m、25mのバックストレートと、20mのショートホームストレートを持つ変則的なレイアウトです。腕に自信のある
ドライバーでも難しいとされるのが、バックストレートエンドからインフィールドに向かうヘアピンの右コーナーでしょう。コース幅も
狭くなり、ラインの自由度が無くなるので、慎重且つスピードを落とさないドライビングが試されます。路面の方は中粒アスファルトで
比較的フラット、グリップも良好です。また、各コーナーは若干バンクの様な起伏があり、マシンが高速でコーナーリングしやすくなっ
ています。F1RCGPシリーズでもこれまで3本の指に入るほどの高速レイアウトとなります。
当日の参加人数は、F-1クラス:25名、F-1グランプリクラス:11チーム14名、合計39名です。今回は残念ながらF-1スケールクラスの
エントリーが無く、F1RCGP公認クラスは2クラスのみの開催です。F-1クラスは子供や家族連れも多く、非常にアットホームな雰囲気。
F-1グランプリクラスは既にワールドチャンピオンにRCmagazine TeamBomber加藤選手が決まっており、やや消化レースムードと思いきや、
白熱のバトルが展開されるなど、グランプリクラスらしい素晴らしいレースになりました。秋晴れの空の下、皆思う存分F-1を満喫した
1日になりました。
プラクティスDay
練習走行日は皆でコース設営から始まります。コースは幾つもパターンから任意に選択できるので、今回はF1RCGPに合わせた新レ
イアウトです。コースの仕切りの鉄枠を移動し、コースサイドにはスポンサーバナーを貼り、徐々に雰囲気が出てきます。設営も一
段落した所で、地元勢や遠征組、各選手入り混じり、早速マシンがコースインしています。最初は埃が多く、グリップしなかった路
面も直ぐにグリップが回復し続々とペースアップして行っている様です。コントロールラインに計測テストの為のラップカウンター
が取り付けられると、各選手、自分のタイムを毎回の様にチェック。セッティングのポイントを1つ1つ変更し、走行フィールと実
際のタイムを丹念に確認しています。鳥取の地元の方に一様に言える事は、ラジコンに取り組む姿勢が非常に真面目で、作業も的確
で丁寧です。将来有望な若いドライバーも多く居るので、F-1チャンピオンドライバーが近い将来必ず育つ事でしょう。そんな中、ラ
ップチャートを見て行くと、グランプリドライバー同士のタイムの応酬が始まっている様です。先ずは新作エキゾテックのHiroFactory
コンバージョンの試作を駆る中谷選手が21秒中盤のタイムをいきなり叩き出し、好調さをアピールしています。このHiroFactory Racing
Familyは、今年4月に発足したチームであるにも関わらず、最近ではめきめきと頭角を現し実力を付けてきているチームの1つです。
マシンの好調さを窺わせるもう1つの要素には、チームメイトの森嶋選手も抜きに出たタイムをマークし、2人揃って素晴らしい走りを
見せています。マシンの特筆する点としては、カーボンパーツを一新し、剛性を全体的にUPさせた事により、ブレーキング時のマシン挙
動が掴みやすく、操作フィールが大幅に改善された事でしょう。エンジンカーからラジコンを始めた中谷選手の好みにマッチし、且つ万
人向けな特性と言えるでしょう。それに対抗するのは、Team Tech F-1の石谷選手。地元鳥取出身のホームサーキットだけに、このグラ
ンプリで一矢報いたい所。タイムの方は同じく21秒中盤で刻んでいます。プラクティスDay終盤にもなると、走行台数もかなり増え、
また、ドライバーのラインが良くなってきた為か、ALEX RACING Winners横井選手が21秒153のスーパーラップを叩き出すと、それに呼応
するかの様にPAPER MOON黒田選手が21秒144のスーパーラップで返します。結局この日の1番時計は黒田選手が奪いコースは闇の中に包ま
れ始めます。屋外サーキットで照明もない久しぶりの環境に、昔を懐かしむと共に、明日のレースの速やかな進行を祈るばかりです。
今回グランプリクラスにニューエントリーのレネシス、クラブ河原、HASEKYOの3チームもグランプリレギュラードライバーに囲まれなが
らも健闘した走りを見せています。特にクラブ河原でタミヤのチャンピオン経験者の荻原選手はパワーソースにハンデキャップを負いなが
らも卓越した操縦テクニックでトップタイムに近い所で走行を重ねています。明日のレースではどこまで仕上げてくるのか、非常に期待し
たい所です。
F-1クラスでは、2009年のTAMIYA掛川グランプリを彷彿とさせる程、高速セットに向いている様です。各選手のマシンは空力パーツを工
夫して盛り込み、いかに抵抗を押えて要所要所でダウンフォースを稼ぐかテストしている様でした。F-1クラスでは1周が24秒にもなる
ロングコース。モーターを酷使してパワー系に依存すれば、何周かは23秒台に入れられますが、後半のパワーダウンが懸念されます。その
辺りの匙加減もレースをマネージメントする上で特に重要なファクターの1つです。明日の天気も良好との予想。ハイスピードコースで皆
思う存分実力を出し切り、国内最終レースの鳥取大会、良いレースを期待したいものです。
大会当日
大会当日は朝靄の中、川面に浮かぶ秋の草花が幻想的な風景を生み出している、そんな自然な豊かなコースの周りには続々とエントラント
が集まり出します。先ずはテントの設営と、ピットテーブル、椅子の準備から始まります。バッテリー充電用の小型発電機は各グループで持
っていて、土手の上に置いて騒音から遠ざけて使っている様子。とは言っても、発電機の台数が増えれば、祭りの屋台村の様な騒音になり、
大会が始まったという実感が出てきます。各車コースインし、最後のセットアップやテストに忙しい中、昨晩パワー系を見直したクラブ河原の
荻野選手、永井選手も好調になってきている様す。やはり百戦錬磨のタミヤ使いは、素早い対応力があり、F1RCGPにも直ぐに馴染める素質を持
っている様子。HiroFactory Racing Family中谷選手、森嶋選手も昨日の後半のラップタイム伸び悩みは嘘のように朝から好調な走り。特に昨晩
に掛けてアンプの設定を見直し、予選でライバルに差をつける作戦の様です。確かにコーナー中の加速力が数パーセント上がっている印象を受け
ます。ALEX RACING及び、ALEX RACING Winnersの日比野選手、横井選手も鋭い加速力でコーナーを駆け抜けています。特に今回の広い高速のレイ
アウトで重要になってくるのが、タイムの安定性。如何に速いラップで揃えられるかが問題なのですが、横井選手は終始安定していて、ライバル
に一歩リードしている感があります。しかしながら、上位陣はタイム差が拮抗していて1ミスで大きく順位が入れ替わる程なので、緊張感溢れる
今後の予選ラウンドを注目して見て行きたい所です。また、今回はF-1スケールクラスはエントリー人数無しの為、開催せず。
同クラスではジョーダン日比野選手が既にワールドチャンイオンを確定してはいるものの、2位争い以下は大きな逆転をはらんだ展開が残さ
れていましたが、これもレースなので仕方ありません。F-1クラスは更に多くの地元ラジコンファンが集まり、ロスマンズ吉牟田選手をはじめ、
グリーン・ホワイト・ブラックカラー国本選手なども好調な走りをアピールしています。
また、今回は現在ラジコンを小休止していると言う、長谷川氏が実況アナウンスに加わって頂く事になりました。メイン計測&放送委員長の山
本氏のアナウンスの補佐的なポジションで、実況や解説を交えながら小気味よく掛け合いが続くので、聞いている方達も非常に気持ち良く放送に
耳を傾けられます。F1RCGPではここまでの体制で完璧にレースを放送した事がないので、非常に印象的で、通り掛かりのギャラリーにもF-1ラジ
コンの楽しさを思う存分アピールできたものと思われます。そんな中、受付、開会式と順調な流れで進行して行きます。大会会長の挨拶、荻野競
技委員長のブリーフィング、そして最後にドライ宣言をした後、いよいよF1RCGP Round11 inn鳥取 Kawahara Circuit大会、予選ラウンドが幕を開
けるのと同時に、皆さんの素晴らしいレースバトルを期待します!
予選1ラウンド目
F-1クラス1ラウンド目。このラウンドでは、1ヒート目に出走のブルー・ホワイトのFETカラー黒田選手がいきなり素晴らしい
走りで他車をリード。10L4'03.103、ベスト23秒770で暫定ポールポジションタイムを記録。2番手は2ヒート目出走のロスマンズ・
ウィリアムズカラー吉牟田広樹選手。トップのタイムは僅かに及ばなかったものの、非常にスムーズなライン取りで、10L4'03.470、
ベスト23秒944を記録します。この2選手のみがベストラップ23秒台をマーク。3番手につけるのは、レッドとホワイトのツート
ンに塗られたトヨタカラー野津選手。10L4'04.657、ベスト24秒156です。トップ10は、ティレル野瀬選手まで、10周の4分8秒
を切らないとAメイン進出は難しそうです。早くも非常にハイレベルな展開を見せています。
F-1グランプリクラス予選1ラウンド目。この頃には路面グリップも落ち着き、思う存分パイスピードバトルが繰り広げられています。
先ずはこのクラスも1ヒート目でPAPER MOON黒田選手が序盤から飛び出し、非常にアグレッシブなコーナーリングでぐんぐん後続を
引き離し、トップゴール。12L4'18.168、ベスト21秒332で、暫定ポールポジションタイムをマーク。2ヒート目はALEX RACING日比野
選手が持ち前の粘り強い走りでトップゴールするも、11L4'01.610、ベスト21秒678止まりで総合5番手。そして、最終ヒートに登場し
たのが、現在ランキング上位を走るALEX RACING Winners横井選手と、地元のトップドライバー、クラブかわはらから参戦の荻原選手
との対決。結果は両者12周に入れるも、ALEX RACING Winners横井選手がベテランの走りで競り勝ち、12L4'19.827、ベスト21秒268
で総合でも2番手のタイムをマーク。クラブかわはら荻原選手はグランプリ初参戦ながら、12L4'21.510、ベスト21秒471で総合3番手。
イエローベースの非常に綺麗なカラーリングのクラブかわはら、チームメイトの永井選手と揃ってのAメインを期待しましょう。
予選2ラウンド目
F-1クラス予選2ラウンド目。1ヒート目では前ラウンド好走を見せたブルー・ホワイトの黒田選手がレース中盤でタイムロス。
代わってトヨタカラー野津選手が前に出て、約1秒差で後方から追い上げるグリーン・ホワイト・ブラックの国本選手を押さえきり、
トップフィニッシュ。野津選手は総合でも2番手に浮上。続く2ヒート目では、ロスマンズ吉牟田広樹選手が終始レースをリードし、
フェラーリ西垣選手を約3秒差で押さえ、10L4'00.924、ベスト23秒591をマーク。このタイムが暫定ポールポジションタイムとなり
ます。3ヒート目では、レイトンハウス佐藤選手が安定した走りでトップゴール。10L4'03.069、ベスト23秒939。この各ヒートトッ
プゴールした選手で総合トップ3を分け合うかたち。4番手には1ラウンドトップの黒田選手がつけ、続く3ラウンドを待ちます。
ちなみに現在トップ10は、ブルーのマシン森田選手。10L4'07.385、ベスト24秒254と言った様子。
F-1グランプリクラス予選2ラウンド目。1ヒート目では、またもPAPER MOON黒田選手がほぼ独走。自身のタイムを1秒428更新し、
12L4'16.740、ベストは何と21秒034をマーク。ライトブルー・ホワイトに塗り分けられた黒田選手のマシンは、ボンバーコンバー
ジョン。立ち上がりのマシン安定性は抜群で、セットアップも非常に決まっている模様。3ヒート目に登場のHiroFactory Racing
Family中谷選手はエキゾテックのニューマシンで素晴らしい戦闘力を見せ、何とトップゴール。総合でもこのラウンド2番手のタイム
となる、12L4'18.035、ベスト21秒223をマーク。この素晴らしく走るコンバージョンマシンは、HRF10Xと名前が付けられ、近々販売
されるとの事。リリースが非常に楽しみです。同ヒートでは、ALEX RACING Winners横井選手が僅差で2番手。12L4'18.045、ベスト
21秒166で総合3番手。そして総合4番手は荻原選手、12L4'19.630。ここまでの4台が12周をマークし、トップ10はクラブかわはら
永井選手の11L4'06.523、ベスト21秒816です。永井選手は2ラウンド目タイムを落としていますので、最終ラウンドで好タイムを出し、
Aメインに確実に進出出来るよう期待しましょう。
予選3ラウンド目
いよいよ最後の予選ラウンド。路面グリップも最高潮に達しているようです。F-1クラスは2ラウンド目の好調をそのままに、
ロスマンズカラーの吉牟田広樹選手が大台の11周に突入し、11L4'23.289、ベスト23秒591をマークし、ポールポジションを決定
しました。2番手はグリーン・ホワイト・ブラックの若きドライバー国本選手。トップとの差は僅か0.187秒。ベストは国本選手の
出した23秒444が最速で、若手らしいアグレッシブな走りで場内を沸かせています。総合3番手はブルー・ホワイト黒田選手が浮上。
先ほどまでのラウンドで暫定2位だったトヨタ野津選手は、自己ベスト更新ならず、何と6番手まで順位を落とす荒々しい展開です。
その中でポールの吉牟田選手は前半と後半のペース配分もきっちり取れて、隙の無い素晴らしい走りを見せていると言えるでしょう。
F-1クランプリクラス予選3ラウンド目。1ヒート目出走のPAPER MOON黒田選手がまたも本領発揮の走り!上位勢ではただ一人抜き
に出た走りで、12L4'14.708、ベストは唯一の20秒台、20秒986をマーク!もう誰も彼を止められないと言った感じで、ポールポジショ
ンを確定させます。2番番手以降はの上位勢はプレッシャーからかタイムが伸び悩み、2番手中谷選手、3番手横井選手、4番手荻原
選手と言った順位はそのまま。最終ラウンドで7番手に浮上したのは、2番手の中谷選手とチームメイトの森嶋選手。この所Aメイン
常連選手になる走りを見せているので決勝での好走にも期待しましょう。8番手はTeamいけと〜ん?の芳之内選手。練習データ量が
豊富なので、決勝では油断できない選手の一人です。9番手はTMサーキットBの島袋選手で、初Aメイン!そして10番手に滑り込んだ
のは荻原選手のチームメイト、クラブかわはら永井選手です!
■予選順位■
F-1クラス
1位 | 吉牟田 広樹 | 3R11L4'23.289
| 2位 | 国本 伸汰郎 | 3R11L4'23.476
| 3位 | 黒田 明 | 3R10L4'00.358
| 4位 | 佐藤 正木 | 3R10L4'01.783
| 5位 | 西垣 隆治 | 3R10L4'02.604
| 6位 | 野津 透 | 2R10L4'02.809
| 7位 | 坂本 豊 | 2R10L4'05.521
| 8位 | 草刈 直仁 | 2R10L4'06.106
| 9位 | 森田 覚 | 3R10L4'06.484
| 10位 | 中村 清太郎 | 2R10L4'06.794
| 11位 | 竹内 祐介 | 2R10L4'07.559
| 12位 | 平岡 和博 | 1R10L4'07.882
| 13位 | 野瀬 裕之 | 3R10L4'08.606
| 14位 | 林 大介 | 3R10L4'09.583
| 15位 | 市場 直樹 | 3R10L4'09.731
| 16位 | 前田 友和 | 3R10L4'10.029
| 17位 | 内田 信之 | 3R10L4'10.536
| 18位 | 山岡 真 | 1R10L4'11.676
| 19位 | 池上 達哉 | 3R10L4'12.443
| 20位 | 福谷 政幸 | 3R10L4'13.098
| 21位 | 市場 光晟 | 2R10L4'14.365
| 22位 | 今田 祐介 | 3R10L4'16.744
| 23位 | 吉牟田 直樹 | 1R10L4'20.407
| 24位 | 角 徹 | 1R10L4'25.434
| 25位 | 石原 泰雄 | 3R 8L4'22.233
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F-1グランプリクラス
1位 | 黒田 尚希 (PAM) | 3R12L4'14.708
| 2位 | 中谷 洋信 (HFR) | 2R12L4'18.035
| 3位 | 横井 章弘 (ALW) | 2R12L4'18.045
| 4位 | 荻原 慧 (CKA) | 2R12L4'19.630
| 5位 | 日比野 達也(ALE) | 2R11L4'00.764
| 6位 | 蟻塚 伸也 (TTF) | 2R11L4'01.663
| 7位 | 森嶋 繁樹 (HFR) | 3R11L4'03.350
| 8位 | 芳之内 剛 (IKE) | 2R11L4'05.047
| 9位 | 島袋 邦夫 (TMB) | 2R11L4'05.572
| 10位 | 永井 和幸 (CKA) | 1R11L4'06.523
| 11位 | 野尻 行信 (TMC) | 1R11L4'06.828
| 12位 | 石谷 康浩 (TTF) | 3R11L4'06.918
| 13位 | 春山 孝一 (REN) | 1R11L4'20.693
| 14位 | 長谷川 進治(HAS) | 2R19L4'08.005
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