F1RCGP レースリポート


第9戦 F1RCGP2013 in Yamaguchi
Joren's Speed Way 2013年9月29日(日)


天気:曇り時々晴れ(屋外)、気温:28℃、湿度:63%、路面温度:28℃

 F1RCGP2013 Round9 in Yamaguchiが、夏の終わりの9月末、山口県下松市にサーキットを構えるJoren's Speed Wayで開催されました。 山口県での開催はF1RCGP初となり、地元をはじめとするこのイベントを心待ちにしていた多くのエントラントを集め、盛大に大会が行われ ました。
 Joren's Speed Wayは、内田時雄氏がオーナーの山口県を代表するサーキットです。オープンは1993年、その後、2006年にリニューアル オープンし、メインとなるオンロードサーキットとショップ脇にあるミニオフロードサーキットの2面のサーキットを持つ今のかたちとな っています。サーキットの隣にはショップと、憩いのスペースとなるウッドハウスの小さなラウンジが併設され、サーキットとショップの 両方をご夫婦で運営管理されています。内田氏の気さくな人柄もあって常連のファンも多く、初心者、家族連れをはじめ、エキスパートや コアなRCファンまで魅了するお店の雰囲気となっています。ショップの方もキット、プロポ、バッテリー、充電器、周辺パーツなど所狭し と在庫され、中にはJoren'sスペシャルパーツ(F-1用フロントスプリング等)も取り揃えています。まだ訪れていない皆さんも是非一度足 を運んでみては如何でしょうか。
 F1RCGPの舞台となるのは、メインのハイグリップオンロードサーキット、Joren's Speed Wayになります。1周160mで、高速セッションと テクニカルセッションのバランスが非常に良く取れたサーキットレイアウトになります。中でも最大の特徴は、高速セッションに設けられ たバンク。ここでのライン取りでかなりタイムが違うようで、各選手色々なライン取りを試しながら走行しているシーンが見受けられました。 また、路面の所々にあるギャップを踏むと、大きくマシンがジャンプして跳んでいくので、ギャップを微妙に外しながらライントレースする 事もポイントとなります。
 レースウィークは雨の予報が懸念されましたが、天候も何とかもってくれて、各選手久しぶりに外コースで気持ち良くレースを満喫できた 様です。練習走行の合間には、内田店長が用意したピザが選手・関係者に振舞われ、非常にアットホームな雰囲気でレースをバックアップし てくれました。レース当日の参加人数は、F-1クラス:18名、F-1スケールクラス:6名、F-1グランプリクラス:5チーム7名、合計31名です。 今回はF-1クラスの参加選手が多く、F-1グランプリクラスはやや少ない印象で、ポイントのチャンスが大きくなっています。ポイントリーダ ーは現在PAPER MOONの黒田選手ですが、このラウンドで大きくランキングの様子が変わることでしょう。

プラクティスDay
 小雨が降り注ぐ中、前日から練習走行がスタートしています。路面はハーフウェットで、ゴムタイヤをテストしている選手が多くいます。 明日も雨がぱらつく予定ですので、マシンの防水対策をはじめ、リアのウェットタイヤのチョイスと、あらあゆる路面状況を想定してのセ ットを進めている様です。F-1クラスは山本選手のザウバーが走り出し、続いてフェラーリ長畑選手、ティレル重松選手も走行を開始。徐々 に路面も乾きだし、ラップタイムも徐々に上がってきている模様。F-1スケールクラスは、タイレル芳之内選手が好調の様で、15秒中盤のタ イムを早くもマークしています。続くのはベネトンの中谷選手で、4輪マシンのHRF10Xを駆り、6輪マシンに迫るインフィールドの旋回特性 を披露している様です。中谷選手はHiroFactory Racing Familyのグランプリマシンに、アップデートしたシャーシのHRF10Xを投入し、こち らもかなり好調の様子。シャーシ剛性をネジ位置で変えられるユニークな構成に仕上げられています。他のグランプリクラスの選手では、 ポイント争い上位に位置するBIG+3 Racing川野選手、いけと〜ん?の芳之内選手も好調です。そして、ヤングドライバーでは、Team SORAの 春日空選手、HRFジュニア木下選手も参戦予定ですので白熱した争いが予想されます。また、地元山口でHiroFactory Racing Familyサード ドライバーでエントリーの小野選手も地の利を生かしてどう食い込んで行くか、非常に見応えのあるレースになる事でしょう。
 練習走行の終わりは小雨が再び降り始め、サーキットはハーフウェット状態になりました。ZENのZFC-012を駆るBIG+3 Racingの川野選手は ウェットタイヤのテストに最後までトライし、ウェットセットも大分煮詰まってきたようです。その後、運営スタッフ、選手総出でコースサ イド、ドライバーズスタンド前のバナー貼りを行い、明日のレースに向けて万全の準備が整いました。選手も一緒になって運営の手伝いをし てくれるF1RCGPならではの光景が地方のサーキットに行っても見られる事は、本当に喜ばしい限りです。明日のレースは天気予報に反して晴 れてくれる事を期待しましょう!

大会当日
 大会当日は何と日差しが降り注ぐ朝となり、雲も少なく晴れています。路面はまだハーフウェットですが、徐々にウェットエリアも少なく なり、確実にドライで走れそうです。各選手、朝の受付を済ませ、ドライのコントロールスポンジタイヤに履き替えて練習走行が開始されま す。最初は各車グリップレベルが悪く、テールスライドさせながらの走行でしたが、しばらくするとレコードラインが完全にドライになり、 タイムアップする選手が増えてきました。F-1クラスではベネトンルノーの松浦選手、ロスマンズウィリアムズ朝池選手ら地元勢が好ラップを たたきます。また遠征組では、北九州から参加のピンク・ホワイトカラー松尾選手、グリーン・ホワイト・イエローカラー斧田選手もタイムを 上げてきている模様。F-1スケールクラスは千葉県から参加の、トロロッソカラーの茂手木選手もコースに慣れ、徐々にタイムアップしてきて いる様子。スケールクラスのトップタイムを出しているメンバーでは、タイレル芳之内選手が依然好調をキープ。ベネトン中谷選手よりもコン マ1、2秒速いラップタイムを重ねている様子。グランプリクラスでは、昨日の練習走行日で日没以降までセッティングに励んだBIG+3 Racing 川野選手、人一倍のテストの量を誇るTeam いけと〜ん?芳之内選手が好調な走りだし。一方、HiroFactory Racing Family中谷選手は昨日から テストしているニューシャーシがだいぶ煮詰まり、他を圧倒するポテンシャルを披露。走行中は終始非常にトラクションが高く、インフィール ドで確実に速い仕上がりになってきています。各選手雨も想定しての準備だっただけに、この晴れのドライコンディションでレースを戦える事 に非常に興奮している模様。朝のレース前最後の練習走行時間は、操縦台はドライバーで犇めき合っていました。
 その後、写真撮影、ベストルッキングカー賞選定を終え、ドライバーズミーティングへと進みます。競技委員長の内田氏の挨拶、レース説明 を終え、次に大会会長の北澤より挨拶。F1RCGPが山口県で初開催となる事で、今後も山口県並びに近県のF-1ラジコンの発展が益々進めばと大会 関係者各人が願っています。放送委員長の清水氏のマイクの下、いよいよ予選へとレースは進んでい行きます。運営側はF1RCGP初開催とは思えな い程手際が良く、非常にスムーズな進行だったのが印象的でした。

予選1ラウンド目
 F-1クラス予選1ラウンド目。1ヒート目ではロスマンズウィリアムズの朝池選手が序盤から抜け出し、安定した走りでトップをリード。特に 朝池選手のドライビングはバンクが速く、ライン取りが他車よりも優れていました。14L4'05.690、ベスト17秒220をだし、総合4番手のタイムを マーク。2ヒート目は、ルノーの松浦選手が16秒台を出しての快走。松浦選手も地元らしくバンクのライン取りが完璧です。14L4'00.640、ベス ト16秒740で総合3番手のタイムをマーク。そして、予選最終組の3ヒート目は、スタート前にフェラーリ長畑選手がタイヤ脱落のアクシデント等 ありましたが、そのフェラーリ長畑選手とフォースインディアVJM01を駆る内田選手のトップ争い。後半になると内田選手がペースを上げ、唯一の 15周目に突入、15L4'17.740、ベスト16秒950で、総合暫定ポールタイムをマーク。総合2位は、フェラーリ長畑選手で、14L4'00.400、ベストは16 秒940です。
 F-1スケールクラス予選1ラウンド目。1周目でベネトンの中谷選手がストレートエンドでジャンプし、クラッシュするアクシデントがありまし たが、その後無事に復帰。その後、ベネトン中谷選手はベストラップを15秒台に乗せてきて、15秒860でこのラウンドトップタイムをマーク。シャ シーのセットアップがスケールクラスでもかなり決まっている模様。2番手タイムは、タイレル芳之内選手で、15秒940のタイムをマーク。3番手 は千葉県より参戦のトロロッソ茂手木選手、17秒860です。4番手は名古屋より参戦のティレル重松選手、5番手は今回よりスケールクラスデビュー のマルシア松尾玲奈選手、6番手は四国より参戦のタイレル磯部選手と言うオーダー。タイムアタックで争われるスケールクラスはこの後のラウン ドで順位がまた大きく変わる事でしょう。
 F-1グランプリクラス予選1ラウンド目。スタート前にHRFジュニア木下真実選手がバンクで壁にヒットしてマシンにダメージを負うトラブルが発 生。レース中も各所でクラッシュ音があり、グランプリクラスの激しいパワーに対してコースがいかにテクニカルである事が窺い知れます。そんな 中、HiroFactory Racing Family中谷選手がレースをリードし、2位争いはBIG+3 Racing川野選手、Teamいけと〜ん?芳之内選手の争いでしたが、川 野選手が2位ゴール。中谷選手は16L4'06.520、ベスト15秒050、川野選手は16L4'12.480、ベスト15秒220をマーク。16Lを刻んだのは、3位ゴールの 芳之内選手まで、記録は16L4'15.040、ベスト15秒260でした。HRFジュニア木下選手はスタート前のトラブルにより、レース中残念ながらサーボセー バーのトラブルによりリタイヤとなっています。

予選2ラウンド目
 F-1クラス予選2ラウンド目。1ヒート目はやはりロスマンズ朝池選手が好走を見せ、自己記録を3秒960更新し、14L4'01.730、ベスト16秒990をマーク。 2ヒート目はルノー松浦選手がまたレースをリードする展開。その後も松浦選手がアグレッシブな走りでレースを大きくリード。15L4'13.800、ベスト 16秒590で総合暫定ポールタイムをマーク。このヒート2位争いは、ティレル重松選手とウィリアムズルノーの犬丸選手で、犬丸選手が14L4'14.740で2位 フィニッシュを果たし、総合暫定10番手に滑り込みます。3ヒート目は、序盤にフォースインディア内田選手がやや安定感に欠く走行で、トップから脱落。 代わってフェラーリの長畑選手がラインを詰めた非常に素晴らしい走りでトップに立ち、逆転でトップゴールを決めます。長畑選手は14L4'14.130、ベスト 16秒790で総合2番手タイムとなります。
 F-1スケールクラス予選2ラウンド目。このラウンドは各選手が非常にアグレッシブにコーナーとバンクを攻めています。マルシアの松尾選手はそんな中、 インフィールドの高速シケインで大クラッシュ!その間に、ベネトンの中谷選手がトップタイムでリード。しかし、タイレル芳之内選手が負けじとコーナー を果敢に攻めて、15秒610のベストラップを出し、暫定ポールポジションのタイムとなります。しかし、その後芳之内選手はコーナーを攻めすぎてインフィー ルドで大クラッシュし、フロントサスアームを破損してしまいます。他は、タイレルの磯部選手がこのラウンド16秒690を出し、総合3番手にジャンプアップ。 磯部選手は徐々にコースにもなれ、タイムアップしてきているので次のラウンドにも期待しましょう。
 F-1グランプリクラス予選2ラウンド目。日差しも出てきて路面温度が若干上昇し、各選手タイムアップが期待できそうです。1ヒート目はHRFジュニア木下 選手がまたしても練習走行時にクラッシュするアクシデント。リヤシャフト破損によりあえなくリタイヤとなります。このヒートはその分気合が入ったのか、 HiroFactory Racing Family中谷選手がトップゴール。16L4'06.540、ベスト15秒210で前のラウンドのタイムには少し及びませんでしたが暫定ポールは守ります。 2位はBIG+3 Racing川野選手で、16L4'10.140、ベスト15秒200。3番手はTeam SORAの春日空選手が若い走りでコースを攻め、ほぼミスなく走り切り、16L4'13. 730、ベストは大会2位タイムとなる15秒190のタイムを叩きだします。続くラウンドの走りにも期待ですね。

予選3ラウンド目
 F-1クラス予選3ラウンド目。1ヒート目は全体的に各選手クラッシュも無く落ち着いた展開の中、ロスマンズ・ウィリアムズの朝池選手が危なげの 無い走りでトップでゴール。朝池選手は14L4'01.230、ベスト16秒860で総合5位から4位へ浮上します。2ヒート目はこれまでリタイヤが続いた、シル バー・ブラックのキャラクターカラーの林選手が満を持して登場。しかし、1周目に電波トラブルか、クラッシュにより残念ながらリタイヤとなります。 このヒートトップは、ルノーカラーの松浦選手。非常にアグレッシブな走りでコーナーを攻め、レース終盤にも自己ベストラップを塗り替える好走を見せ、 15L4'11.690、ベスト16秒460でポールポジションを獲得です。最終日ヒートは、フォースインディア内田選手、フェラーリ長畑選手とのバトルが非常に見 応えのあるものになり、最後は粘り勝ちで内田選手がトップゴールするも、15L4'13.600、ベスト16秒720で松浦選手のタイムには及ばず、総合2番手が確 定されます。総合3番手はフェラーリの長畑選手が入ります。
 F-1スケールクラス予選3ラウンド目。スタート前にトロロッソの茂手木選手がクラッシュによるフロントウィング破損、重松選手がミッショントラブ ルに騒ぐ中、各選手にトラブルが続出。そんな中、タイレル芳之内選手、ベネトン中谷選手が好走を見せ、最終的にはタイレル芳之内選手が自己ベストを 大きく更新する15秒350を叩きだし、ポールポジションを獲得!2位は15秒730でベネトン中谷選手が入ります。この2台は決勝でもギャラリーを魅了する 激しいバトルを展開してくれる事でしょう。
 F-1グランプリクラス予選3ラウンド目。今回はスタート前のクラッシュも無く、各選手無事にスタートが切れます。序盤からHiroFactory Racing Family 中谷選手がかなりハイペースで走行を重ねます。ベストラップは15秒040に上げて、安定した走りでミスなく最後まで走り、16L4'03.540でポールポジション を決めました。2番手はBIG+3 Racingの川野選手vsTeamいけと〜ん?芳之内選手のバトル。各車ベストを更新する勢いでしたが、中谷選手よりも安定感に欠く 走行です。総合2位を確定したのは川野選手で、16L4'07.950、ベストは大会ベストの14秒960。決勝では優勝を狙える可能性が見えてきた模様。一方、やっと このラウンドで無事にスタートを切れたHRFジュニア木下選手でしたが、マシンバランスが若干おかしい様子。途中クラッシュもあり、思うようにタイムを上 げられず苦戦を強いられている模様。総合3番手にはそんな中、ベテランらしい走りを見せたTeamいけと〜ん?の芳之内選手が浮上してきました。今回は6輪 のアドバンテージが息を潜めていますが、決勝で爆発させることができるか、注目です。

■予選順位■
F-1クラス
1位松浦 由征 3R15L4'11.690
2位内田 時雄 3R15L4'13.600
3位長畑 宏幸 3R15L4'14.110
4位朝池 健一 3R14L4'01.230
5位斧田 直樹 2R14L4'01.260
6位米岡 悟  3R14L4'02.970
7位茂手木 達也3R14L4'07.530
8位玉井 慎仁 2R14L4'10.580
9位犬丸 公平 3R14L4'12.900
10位磯部 靖哲 2R14L4'13.430
11位山本 剛志 3R14L4'15.030
12位鳴神 裕文 3R14L4'15.080
13位山崎 雅義 3R14L4'15.420
14位重松 隆一 1R14L4'17.120
15位松尾 玲奈 3R13L4'00.030
16位松尾 宏忠 3R13L4'01.260
17位岩田 正道 1R13L4'07.680
18位林 隆之  D.N.S.

F-1スケールクラス
1位芳之内 剛 (TYRL-02)3R15.350
2位中谷 洋信 (BENE-01)3R15.730
3位磯部 靖哲 (TYRL-04)2R16.690
4位重松 隆一 (TYRL-01)2R17.520
5位茂手木 達也(TORO-01)3R17.600
6位松尾 玲奈 (MARU-03)2R17.750

F-1グランプリクラス
1位中谷 洋信 (HRF) 3R16L4'03.540
2位川野 貴義 (BI3) 3R16L4'07.950
3位芳之内 剛 (IKE) 3R16L4'11.040
4位春日 空  (SOR) 2R16L4'13.730
5位小野 和典 (HRF) 3R16L4'24.750
6位木下 真実 (HRJ) 3R15L4'01.650
7位春日 亮介 (SOR) 3R15L4'09.720

決勝に向けて
 初のF1RCGP開催とは思えないほどのスムーズなレース進行で予選が終わり、後は決勝を待つのみとなります。その前に、ランチタ イムは内田氏が丹精込めてこしらえたオリジナルカレー。何と赤ワインを数本使って数日間じっくりと煮込んだカレーで、今回は各 選手、遠征組も含めて皆から大好評でした。そんな中、予選ラウンドを終えて調子の良かった選手、今一波に乗り切れんかった選手 等はそれぞれの思惑の下、セッティングを最後に煮詰めに掛かります。ここJoren's Speed Wayは、バンクを含めた高速セッションと インフィールドのテクニカルセッションの2つがあり、双方のメリハリが非常に激しくついています。セッティングもその両方で、ど ちら寄りにするかで大きくマシンの特性が変わってくるのが特徴です。今の所は、ストレートの途中にあるギャップでどうしてもマシ ンスピードを落とさざるを得ないので、高速セッションは捨て、インフィールドを重視したセッティングに持っていくのがセオリーと なっている様です。しかし、高速バンクの縦Gに対応すべく、ピッチングダンパーを固めに選択するのは大体の選手が行っていた手法 でした。各選手、最後の最後までセッティングを煮詰め、満足の行く結果を決勝ラウンドに出してもらいたいものです。コースサイド ではYou Streamで全世界にこのイベントの様子が公開されています。レースオーガナイザーも、お昼のカレーの腹ごしらえの後、簡単 な決勝への打ち合わせ後、選手インタビューから決勝レースが始まって行きます。多くの選手が決勝に向けての前向きな豊富を語り、 テンションを上げてレースに臨んでいる様子が窺い知れます。ともあれ、結果も大事ですが、とにかく楽しんで行きましょう!

F−1クラス決勝Bメイン
 F-1クラス決勝Bメイン。スタート前に林選手の電波が入らないトラブルがありましたが、何とか問題クリアし、スタートが切られます。スタートは各車綺麗な 立ち上がりを見せ、ストレートから高速バンクへと雪崩れ込んでいきます。トップはザウバー山本選手、2番手フェラーリ鳴神選手、3番手にティレルの重松選手 と言うオーダー。しばらくすると、トップのザウバー山本選手がフェラーリ鳴神選手を徐々に引き離しにかかります。その差は約1.5秒。このまま楽な展開と思 いきや、トップを走る山本選手がインフィールドの高速シケインでクラッシュし、マシンがスタック。その間にフェラーリ鳴神選手が前へ出てトップに浮上します。 残り5分のコールで後半戦に突入。トップ2台、フェラーリ、ザウバーの争いは周回を重ねる毎に激しさを増し、サイドバイサイドの接近戦が10周以上に渡って 続きます。そして残り30秒、3番手争いもティレル重松選手、ピンク・ホワイト・グリーンカラー山崎選手と激しく攻防する中、山崎選手が3番手に浮上。そし て、トップ争いは最後までフェラーリ鳴神選手がトップを守り、Bメイントップゴールを果たしました。惜しくも2位になったザウバー山本選手ですが、クリーンな バトルに会場からは拍手が鳴り止まない状態でした。

■決勝順位■
F-1クラスBメイン
1位鳴神 裕文 28L8'14.400
2位山本 剛志 28L8'14.480
3位山崎 雅義 28L8'16.410
4位重松 隆一 28L8'17.580
5位松尾 玲奈 27L8'02.270
6位松尾 宏忠 27L8'09.610
7位林 隆行  13L4'07.070
8位岩田 正道 11L3'55.000

F-1クラスAメイン
 F-1クラス決勝Aメイン。スタートは各車素晴らしいスタートダッシュを決め、接触は全く見られません。トップはルノー松浦選手かと思いきや、インフィ ールドでそのインを上手く交わしたフォースインディア内田選手がトップで帰ってきます。順位はフォースインディア内田選手、ルノー松浦選手、フェラー リ米岡選手の順。ここでインフィールドでルノー松浦選手がインに引っ掛け180度スピン!大きく順位を落としてしまいます。そしてトップはフォースイ ンディア内田選手が楽な展開と誰もが予想したところ、インフィールドでまさかのストップ。何かのメカニカルなトラブルなようです。ここでトップに立っ たのは、フェラーリ長岡選手。2番手はルノーの松浦選手、3番手にはグリーン・ホワイト・イエローのフォースインディアカラーの斧田選手が浮上してき ます。そんな中、トップ2台、フェラーリとルノーが接触!その間フォースインディアの斧田選手が2番手まで浮上。この3台非常に僅差で連なり、トップ 争いを繰り広げます。そして、長岡選手の僅かなインを付き、フォースインディアの斧田選手が満を持してトップに浮上します。しかし、その後もこの3台の バトルは激しさを増し、非常に接近戦で面白い展開。最終的には0.1秒差でフォースインディアの斧田選手が逃げ切り、激戦のF-1クラスの優勝を決めました! F-1クラスの最後まで白熱したハイレベルな戦いに、会場は本当に盛り上がりを見せました!

F-1スケールクラスAメイン
 F-1スケールクラス決勝Aメイン。スタートは後続の方でクラッシュ音も聞こえますが、トップ集団は綺麗なスタートが切られます。トップはタイレル芳之内 選手、2番手ベネトン中谷選手、3番手にタイレル磯部選手の順。しかし、芳之内選手の僅かなすきに、ベネトン中谷選手がトップに浮上。好調なHRF10Xは勢い がある6輪芳之内選手のタイレルを破ることができるか、非常に注目です。トップのベネトン中谷選手は非常に快調な動きで、周回遅れも次々とパスしていきま す。2番手タイレル芳之内選手も若干オーバーステアに苦しんでいる挙動ながら、トップのマシンにしっかりと食らいついている状況。そして、20周をクリア し、先ず最初にピットインしたのはベネトン中谷選手。しっかりピットボックスエリアに停止し、1回でピット作業を終えます。その間トップには芳之内選手が たちます。そして、次にピットに入ったのは、トップの芳之内選手で、こちらも難なく1回でピットアウト。復帰したタイミングはピット前と同じ状態で、コン マ差でベネトン中谷選手が前を走ります。2台ともかなりハイレベルなピット作業をした様です。そしていよいよ後半戦。益々激しくなるトップ2台のバトルに、 ギャラリーからも歓声が出ます。激しくプッシュする芳之内選手に中谷選手がやや焦ったか、中谷選手がインフィールドで軽く転倒し、ここでようやく芳之内 選手が前に出ます。芳之内選手は決勝ラウンドにベストラップ15秒470を出して、後半の逃げに掛かります。一方の中谷選手は15秒770。その後タイレル芳之内選 手が後続との差を開き、最後は約5秒ほどの差でスケールクラス優勝を決めました!

F-1グランプリクラスAメイン
 F-1グランプリクラス決勝Aメイン。スタートはグランプリクラスらしい非常にスピーディーな展開。トップはHiroFactory Racing Family中谷選手、2番手は BIG+3 Racing川野選手、3番手はTeam いけと〜ん?の芳之内選手がバランスを崩した挙動を見せる隙を上手く突いて、Team SORAの春日空選手が浮上してきまし た。2番手を走るBIG+3 Racing川野選手はポイントランキング上位が掛かった戦いの焦りからか、走りが若干乱れ、ストレートエンドでスピン。その間、2位に 春日選手が上がり、3位にはHRFジュニア木下選手が上がってきます。木下選手は予選の不調を吹き飛ばす好走を決勝では披露している模様。トップを走行のHiro Factory Racing Family中谷選手はベスト14秒950を刻みながら、非常に速く安定した走りで後続を離しに掛かっています。HRF10Xの走りは決勝ラウンドにきても 光を放っています。2位争いは熾烈で、Team SORA春日選手、BIG+3 Racing川野選手、HRFジュニア木下選手がコンマ1秒差のバトルを展開。その間、川野選手が ストレートエンドで飛んだり、木下選手がインフィールドで若干ショートカット気味な際どい走行がありますが、最終的には縺れに縺れ、HRFジュニア木下選手が 単独2位になります。木下選手のベストは中谷選手に次ぐ14秒990。そして、木下選手がようやく2位のバトルから落ち着いた所で残り1分のカウント。そして、 トップは悠々と2位に1ラップ近い差を付け、HiroFactory Racing Family中谷選手がF-1グランプリクラスの優勝を勝ち取りました。2位はHRFジュニア木下選手、 3位はTeam SORAの春日選手、2位3位共にヤングパワーが表彰台の一角を占める熱いレースとなりました。BIG+3 Racing川野選手は4位フィニッシュでしたが、 トータルでは総合シリーズポイントランキングトップに立っています。

ポディウム表彰
 決勝のレース終了後、各クラストップ3でポディウム表彰です。競技委員長の内田氏より、ポディウム入賞を果たした選手に対して副賞の盾が 授与されます。どのクラス、どのメインも本当に見応えのあるレースが展開され、見る方も非常に熱くさせられました。入賞者の各選手の皆さん、 本当におめでとうございます。F-1グランプリクラスのポイント争いの方は、上位陣のポイント差が詰まり、今後も非常に目が離せない状態になり ました。現在のトップランキングはBIG+3 Racingの川野選手です。彼の勢いがどこまで続くか、それとも新たなライバルが出現するのか、今後も 注目して見ていきましょう。

■決勝順位■
F-1クラスAメイン
1位斧田 直樹 29L8'07.630
2位長畑 宏幸 29L8'07.730
3位米岡 悟  29L8'12.860
4位松浦 由征 29L8'12.920
5位朝池 健一 28L8'00.800
6位玉井 慎仁 28L8'07.050
7位犬丸 公平 28L8'12.560
8位磯部 靖哲 28L8'14.430
9位茂手木 達也27L8'01.410
10位内田 時雄 21L8'08.350

F-1スケールクラスAメイン
1位芳之内 剛 (TYRL-02)50L13'17.610
2位中谷 洋信 (BENE-01)50L13'22.890
3位茂手木 達也(TORO-01)45L13'34.050
4位磯部 靖哲 (TYRL-04)45L13'38.050
5位松尾 玲奈 (MARU-03)44L13'01.280
6位重松 隆一 (TYRL-01)44L13'41.200





F-1グランプリクラスAメイン
1位中谷 洋信 (HRF) 33L8'10.440
2位木下 真実 (HRJ) 32L8'08.900
3位春日 空  (SOR) 32L8'13.910
4位川野 貴義 (BI3) 31L8'01.410
5位芳之内 剛 (IKE) 31L8'08.110
6位小野 和典 (HRF) 31L8'08.450
7位春日 亮介 (SOR) 29L8'07.440



ベストルッキングカー賞
 ベストルッキングカー賞には、松浦選手のルノーR25が選ばれました。ドライバーはもちろんフェルナンド・アロンソ。このマ シンは、2005年のF−1シーズンでアロンソ、フィジケラと共に高い信頼性と戦闘力を武器にシーズン前半から勝ち続け、後半 マクラーレン・メルセデスの猛追を振り切り、最終戦の中国GPでコンストラクター部門のタイトルを獲得したもののカラーです。 最終的には全19戦中8勝を上げ、シーズン累計191ポイントを獲得した名車になります。1/10スケールにスケールダウンした松浦 選手のマシンは細部まで非常によく再現されており、とても綺麗に仕上がっています。また、松浦選手自身の走りも予選から非常に 素晴らしく、速く走るその姿はアロンソを彷彿とさせるものがありました。今後もも皆さんの力作をお待ちしています。

全体表彰・抽選会
 大会の最後は全体表彰式並びに大抽選会です。まず全体表彰式では、参加者全員に表彰カードの授与が行われ、大会会長の北澤より一人一人に 労いの言葉が掛けられます。その後、大抽選会へと進み、内田氏の司会で次々と景品のスポンサー名、商品名が紹介され、抽選で当たった参加選手 一人一人に手渡されました。まだ発売間もない商品、試作品のF−1パーツ、ラジコンキットなども入っており、参加選手の皆さんが満足の行く内 容でした。本当に毎回景品を提供して下さるスポンサーの皆様、ありがとうございました。その後、競技委員長兼Joren'sコースオーナーの内田氏よ り挨拶、大会会長北澤より挨拶があり、初の開催となりましたF1RCGP2013 Round9 in Yamaguchi Joren'sが無事閉幕となりました。皆様本当にお疲 れ様でした。

F1RCGP大会主要機材データ
 F1RCGP大会データになります。マシン、プロポ、アンプ、バッテリー、F-1グランプリクラスモーターのシェアと、全員の参加選手県名、年齢別、 そして男女比です。 次回参加される方、遠征される方等、参考になさってください。 次回行われる予定のF1RCGPは、F1RCGP2013 FESTA in 四国 10月27日(日)開催のイベントです。広大なBIG+3サーキットをお借りして、シリー ズ戦とは一味違う緩い雰囲気のお祭りレースです。その後のシリーズ戦は、F1RCGP 2013 Round10は、11月3日(日)東京大会です。会場は去年と 同じ、お台場MEGA WEB内の一角にて開催。インドアカーペット敷きの特設会場となります。現在、MEGA WEBは11月2日(土)のリニューアルオープ ンに向けて工事中です。リニューアル後2日目となる日曜日に合わせ、F1RCGP Round10が開催される運びとなる事は、ラジコンF-1界、はたまたラジ コン業界全体に与えるアピール度は計り知れないものとなるでしょう。皆様のご参加を心よりお待ちしております。なお、MEGA WEB大会は定員に限り がございますので、早めのエントリーをお願いいたします。※ブースも出展可能です。メーカー各位でご興味ある方は、F1RCGPAまで問い合わせ願い ます。

カーシェア
プロポシェア
アンプシェア
モーターシェア
バッテリーシェア
参加選手県名
年齢層
男女比

謝辞
 本大会に参加された選手の皆様、そしてサーキットをお貸し頂いたサーキットオーナー内田様、運営をお手伝い頂いた放送委員の清水様、車 検担当等でお世話になりました、松浦様、長畑様、朝池様始め、カメラ撮影をご協力頂きました多くの皆様、沢山の協賛品のご協力を頂いたサ ポートメーカーの皆様、本当にありがとうございました。お蔭様で無事に初の開催となる山口大会を開催する事ができました。後残るはフェス タ2回を含め5戦です。その一つ一つを参加者の皆様に喜んで貰える様に精一杯頑張る所存ですので、応援宜しくお願いいたします。F1RCGPは 皆様のご協力に支えられ、レースが成り立っています。